「重騎兵」の版間の差分

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[[File:Ottoman Mamluk horseman circa 1550.jpg|thumb|right|250px|[[オスマン帝国]]の[[マムルーク]][[重騎兵]](1550年頃)]]
[[ファイル:French heavy cavalry Paris August 1914.jpg|thumb|220px|[[パリ]]を行進するフランスの重騎兵隊(1914年8月)]]
'''重騎兵'''(じゅうきへい、heavy cavalry)は、鎧で重武装した[[騎兵]]である。
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近世の重騎兵は胸甲(キュイラス)を身にまとっていたことから[[胸甲騎兵]](cuirassier)と呼ばれ、崩れかけた敵陣を突撃によって粉砕するといった役割を負った。また、[[グスタフ2世アドルフ (スウェーデン王)|グスタフ・アドルフ]]や[[フリードリヒ2世 (プロイセン王)|フリードリヒ大王]]らによって、[[歩兵]]、[[砲兵]]と組み合わせる近代的な騎兵の運用方法が工夫された。
 
近代以降、戦場における火器の進化により装甲が用をなさなくなったこともあり、重騎兵は軽騎兵に吸収される形で次第に消滅した。胸甲騎兵など各種の重騎兵の活躍が見られたのは[[19世紀]]はじめの[[ナポレオン戦争]]期以降から、活躍の場が減り始め、彼らが最後に活躍したのは[[クリミア戦争]]や[[普仏戦争]]言われている。ったお、ヨーロッパでは普仏戦争以降、[[第一次世界大戦]]まで、大規模な戦争はない。また19世紀以降、銃器の[[ライフリング]]が普及すると背の高い騎兵は格好の狙撃の的となるため、機動力を利用しての偵察や奇襲、後方撹乱などでの運用が中心となった。[[第一次世界大戦]]まではかろうじて存在したが、その後は完全に戦場から姿を消した。また同じ頃から、機械化、中でも[[航空機]]と[[戦車]]の導入が進んだことにより、[[戦後|第二次世界大戦後]]は騎兵そのものが消滅した。
 
胸甲騎兵など重騎兵の名称は、かつて重騎兵が担っていた機動力およびその高速力を生かした敵中への突破を任務とする[[戦車]]をはじめとする[[機甲部隊]]や空中機動部隊の伝統名称として、現在でも一部の部隊で用いられている。