「黒岩涙香」の版間の差分

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== 経歴 ==
[[土佐国]][[安芸郡 (高知県)|安芸郡]]川北村大字前島(現在の[[高知県]][[安芸市]]川北)に[[土佐藩]][[郷士]]の子として生まれる。藩校文武館で漢籍を学び、16歳で大阪に出て[[中之島専門学校]](後の[[大阪英語学校 (旧制)|大阪英語学校]])に学び英語力を身につける。翌年、上京して[[成立学舎]]や[[慶應義塾]]に進学するも、いずれも卒業せず。大阪時代から新聞への投書を始め、自由民権運動に携わり[[1882年]]([[明治]]15年)には官吏侮辱罪により有罪の判決を受けた。
 
『同盟改進新聞』や『日本たいむす』に新聞記者として入社後、[[1882年]]([[明治]]15年)に創刊された『絵入自由新聞』に入社。2年後に主筆となり、語学力を生かして記者として活躍していくも、後に翻案小説に取り組むようになる。『今日新聞』(後の『[[都新聞]]』)に連載した翻案小説『法廷の美人』がヒットして、たちまち翻案小説スターとなり、次々に新作を発表した。逐語訳はせず、原書を読んで筋を理解したうえで一から文章を創作していた。[[1889年]](明治22年)、『都新聞』に破格の待遇で主筆として迎えられたが、社長が経営に失敗。新たに社長に就任した[[楠木正隆 (政治家)|楠木正隆]]と衝突して退社。
 
[[1892年]](明治25年)に朝報社を設立し、『[[萬朝報]](よろずちょうほう)』を創刊。紙名には「よろず重宝」の意味がかけられていた。タブロイド判の日刊新聞で、涙香の『[[鉄仮面]]』『[[白髪鬼]]』『[[幽霊塔]]』『[[巌窟王]]』『[[レ・ミゼラブル|噫無情]](あゝ無情)』などの代表作を次々に掲載したり、『相馬家毒殺騒動』([[相馬事件]])や『淫祠蓮門教会』といったスキャンダラスな出来事を他紙よりも長期にわたり、ドラマチックに報道することで部数を伸ばしていく。一時は東京一の発行部数を誇り、最大発行部数は30万部となった。また有名人無名人の[[愛人]]関係を本人はもちろん愛人も実名住所職業入りで暴露した人気連載「弊風一斑蓄妾の実例」も涙香の執筆によるものであった。こうしたスキャンダル報道だけでは、やがて大衆に飽きられて売れなくなると、涙香は[[幸徳秋水]]、[[内村鑑三]]、[[堺利彦]]らといったインテリに参画を求めた。[[1901年]](明治34年)には「理想団」を設立、人心の改善、社会の改良を目指し、青年の人気を得た。
 
[[1911年]](明治44年)に朝報社より婦人雑誌『淑女かゞみ』創刊。婦人問題について執筆し、『小野子町論』『予が婦人観』などを刊行する。[[シーメンス事件]]では政府を攻撃したが、続く大隈内閣を擁護して不評をまねいた。[[1915年]]([[大正]]4年)の[[御大典]]に際して、新聞事業の功労により勲三等に叙せられる。同年に長男のために米問屋兼小売商の増屋商店を開業。
 
== 業績 ==
 
代表作には以下のような作品がある。
* [[月世界旅行]] - 1883頃 [[ジュール・ヴェルヌ]]の ''Le Voyage dans la lune'' [[月世界旅行]]
* 法廷の美人 - 1888年 [[ヒュー・コンウェイ]]の ''Dark Days'' (暗き日々)
* 人耶鬼耶 - 1888年 [[エミール・ガボリオ]]の ''L'Affaire Lerouge'' (ルルージュ事件)
* 有罪無罪 - 1888年 [[エミール・ガボリオ]]の ''La Corde au cou'' (首の綱)
* 片手美人 - 1889年 [[フォルチュネ・デュ・ボアゴベイ]]の ''La Main coupée'' (切られた手)
* 真っ暗 - 1889年 [[アンナ・カサリン・グリーン]]の ''The Leavenworth Case'' (リーヴェンワース事件)
* 決闘の果 - 1889年 [[フォルチュネ・デュ・ボアゴベイ]]の ''Continuations of a duel'' (決闘の果)
* 美少年 - 1889年 [[フォルチュネ・デュ・ボアゴベイ]]の ''Où est Zénobie?'' (ゼノビーは何処に)
* 死美人 - 1891~1892年 [[フォルチュネ・デュ・ボアゴベイ]]の ''La Vieillesse de Monsieur Lecoq'' (ルコック氏の晩年)
* 血の文字 - 1892年 [[エミール・ガボリオ]]の ''Le petit vieux des Batignolles'' (バティニョールの小男) ([http://www.aozora.gr.jp/cards/000179/card1416.html 青空文庫]に掲載)
* [[鉄仮面]] - 1892~1893年 [[フォルチュネ・デュ・ボアゴベイ]]の ''Les Deux Merles de M. de Saint-ars'' (サン・マール氏の二羽のつぐみ)
* [[白髪鬼]] - 1893年 [[マリー・コレリ]]の ''Vendetta, A Story of One Forgotten'' (復讐)
* 人の運 - 1894年 [[メアリー・エリザベス・ブラッドン]]の ''Lady Audley's Secret'' (レディ・オードレイの秘密)
* 捨小舟 - 1894年 [[メアリー・エリザベス・ブラッドン]]の ''Diavola'' (ディアヴォラ)
* 怪の物 - 1895年 [[エドモンド・ドウニイ]]の ''The Little Green Man'' (小緑人)<ref>従来、この作品が原作とされていたが、[[小森健太朗]]が原書を取り寄せて読んでみたところ、妖精物語であり、『怪の物』の原作ではなかった。 小森健太朗『英文学の地下水脈』東京創元社、[[2009年]])。</ref>
* 人外境 - 1896年 [[アドルフ・ペロー]]の ''Black Venus'' (黒きヴィナス)
* 武士道 - 1897年 [[フォルチュネ・デュ・ボアゴベイ]]の ''Les Cachettes de Marie-Rose'' (マリー・ローズの隠れ家)
* [[幽霊塔]] - 1899~1900年 [[アリス・マリエル・ウィリアムソン]]の''A Woman in Grey'' (灰色の女) ([http://www.aozora.gr.jp/cards/000179/card943.html 青空文庫]に掲載)
* [[巌窟王]] - 1901~1902年 [[アレクサンドル・デュマ・ペール]]の ''Le Comte de Monte-Cristo'' ([[モンテ・クリスト伯]])
* [[レ・ミゼラブル|噫無情]] - 1902~1903年 [[ヴィクトル・ユーゴー]]の ''Les Misérables'' [[レ・ミゼラブル]]
* 破天荒 - 1903年 [[ジョージ・グリフィス]]の ''A Honeymoon in Space'' (空中新婚旅行)
* 暗黒星 - 1904年 [[サイモン・ニューカム]]の ''The End of The World'' (世界の果)
* 今より三百年後の社会 - 1912年~1913年 [[H・G・ウェルズ]]の ''The Sleeper Awakes'' (睡眠者目覚める時)
* [[タイム・マシン (小説)|八十万年後の社会]] - 1913年 [[H・G・ウェルズ]]の ''The Time Machine'' [[タイム・マシン (小説)|タイム・マシン]]
* 島の娘 - 1913年 [[サー・ウオルター・ビザント]]の ''Armorel of Lyonesse'' (リオネスのアーモレル)
* 今の世の奇蹟 - 1918年 [[H・G・ウェルズ]]の ''The Man Who Could Work Miracles'' (奇蹟を行なう男)
 
=== 創作小説 ===
* 無惨(別題「三筋の髪、探偵小説」) - 1889年9月10日、小説館の『小説叢』誌第1巻に掲載された。日本初の[[探偵小説]](創作)とされる。惨殺された身元不明の死体が握っていた三筋の髪の毛を手がかりに、2人の探偵はそれぞれ、外見的特徴、科学的特徴から犯人を推理していく([http://www.aozora.gr.jp/cards/000179/card1415.html 青空文庫]に掲載)
{{Main|無惨}}
* 六人の死骸、探偵小説 - 1896年12月6日 
 
=== 評論 ===
* 「[[五目並べ]]」を「[[連珠]]」と命名発展させた。禁手のない初期ルールの五目並べの必勝法を1899年に発表した。1904年に東京連珠社を設立し、段位制を制定、1910年に社長。初代永世名人であり高山互楽を名乗った。連珠本も数冊出している。
* [[競技かるた]]のルールを全国で統一した。
* 名前を分解すると「黒い」「悪い」「子」になるが、黒岩は本名に、涙香は愛読していた「紅涙香」に由来する。
 
== 脚注 ==
<references />
 
== 参考文献 ==
*『日本探偵小説全集1 黒岩涙香・小酒井不木・甲賀三郎』東京創元社 1984年
* 伊藤秀雄『黒岩涙香』 三一書房 1988年12月15日
 
== 脚注 ==
<references />
 
== 外部リンク ==
* [http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person179.html 黒岩 涙香:作家別作品リスト]([[青空文庫]])
* [http://homepage3.nifty.com/iwawi/dozou/kansou2/kuroruik.htm 黒岩涙香を読む] - 翻案小説・創作小説全リスト
* [http://kindai.ndl.go.jp/BIBibList.php?tpl_keyword=%B9%F5%B4%E4%CE%DE%B9%E1 黒岩涙香 作品リスト]([[近代デジタルライブラリー]])
 
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[[Category:1862年生]]
[[Category:1920年没]]
 
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[[zh:黑岩淚香]]
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