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== 舞台芸術としての男装 ==
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日本では古くから女性の男装に魅力を感じる文化があり、[[白拍子]]、女[[歌舞伎]]、[[女義太夫]]などの文化が存在し、"男装の麗人"という言葉にみられるように、男装がむしろ女性としての魅力を引き立たせるものと見られた。近現代においては、[[宝塚歌劇団|宝塚歌劇団]]・[[OSK日本歌劇団|OSK日本歌劇団]]など、演劇・ショーにおいて女性が男役を演じる「[[少女歌劇]]」([[レヴュー (演芸)|レビュー]])が人気を集めた。[[女剣劇]]は女性のみではないが女性が男役を演じる。
 
また、西洋歌劇([[オペラ]])では、[[ズボン役]]と言われる「男装した女性歌手が演じる役」がある。[[モーツァルト]]の『[[フィガロの結婚]]』に出てくるケルビーノ、[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーベン]]の『[[フィデリオ]]』に出てくるレオノーレ(フィデリオ)などがある。両者はともにズボン役と呼ばれるが、前者のケルビーノは少年(男性)というキャラクター設定であるのに対し、後者フィデリオは「レオノーレ」という本名が物語るように女性である(女性であるが、男性の振りをしている)。
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[[1953年]]の[[手塚治虫]]『[[リボンの騎士]]』は日本における少女向けストーリー[[マンガ]]の第一号であると同時に、男装キャラクターサファイアを生んだ。暖色系の服・リボン・まつげ・細い眉などで女性性を表象されていたが、男性性が強調される場面では男と対等に戦っていた。しかし当時は男性的であるとされていた知性までは備えておらず、[[宝塚]]の男役と同じようにその男性性は内面までは達していなかった。サファイヤも結局はドレスを着て王妃になり、女性性が完成される<ref name = "syojomanngajennda"> [[押山美知子]] 『少女マンガジェンダー表象論』彩流社 (2007/03)ISBN 978-4779112447 </ref>。
 
[[1972年]]より発表された『[[ベルサイユのばら]]』には、男性に対しては女性性が、女性に対しては男性性が強調される、中性的なキャラクターオスカルが登場する。軍服や武器といった男性性のシンボルを身に着け、他の女性キャラクターとのカラー絵では寒色系の髪の色が設定されていた。その一方で頬や唇の赤色などの女性性の表象記号もみられた。知性においても男性に引けをとらず、格闘では不利になることもあるが、逆に身軽さを利用して勝つこともあり、女性であることが不利になるとは限らなかった。身体的性差によって規定されたジェンダーコード(男は勇ましい、女は優しい、など)が普遍ではないとみなされていた<ref name = "syojomanngajennda"/>。『ベルばら』を執筆した同じ作者の作品で『クローディーヌ…!』という作品の主人公クローディーヌは幼い頃に父親の少年との不倫を目撃したショックで男性として振る舞うようになり、小間使いの少女を誘惑(自身ではそんなつもりは毛頭ない)したことで彼女は田舎に戻される等の思相愛立場を無視した恋に暴走してしまう。やがて肉体は女性でも自身を男性として愛してくれる女性と同棲に至る。しかし、その恋人が自身の兄に乗り換えたことで致命的な傷を心に負い、友人でもある精神科医に自身は男性だと訴えた際に彼から"ああ。そうだね、君は不完全な肉体を持った女性だ"と告げられ、彼女なりに納得しつつ拳銃で[[自殺#銃による自殺|自殺]]を遂げるという悲劇的結末を自ら選んでしまう。
 
[[1979年]]の『[[ヴァレンチーノシリーズ]]』では、男装キャラクターが女性と恋に落ちるという一歩踏み込んだ描写が見られた。