「ハウリング」の版間の差分

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=== 発生の仕組み ===
マイクにより得られた[[音声]]信号を[[アンプ]]で増幅し、スピーカーから出力する際に起こる。[[スピーカー]]からの出力が十分に大きい場合、マイクをスピーカーに近づけると振幅の大きな規則的な電気信号が得られる。多くの場合その音は不快感を伴う中~高周波の「ピー」「キーン」といった音であるが、比較的低い「ブーン」「ボー」といった音の場合もある。連続的な過大入出力が起こるため、場合によってはスピーカーが破損するなど、機材にダメージを与えることもある。
 
これはスピーカーからの出力の一部がマイクに帰還されたことにより生ずる[[発振回路|発振現象]]である。マイク、アンプ、スピーカー、音声、マイクという経路をたどる[[ポジティブフィードバック|正帰還]](英語で {{lang|en|positive feed-back}})が原因であることから「[[フィードバック]]」と呼ばれることもある。
 
なお、スピーカーから出たマイク入力の音を、1度あるいは数回にわたってマイクが拾う事により、原音が二重、またはエコーのように聞こえる現象を指してハウリングと呼んでいる場合があるが、これは間違いである。また、パソコンや携帯電話などの音声通信で、スピーカーではなくネットワーク等を介して音声がフィードバックされ、原音が二重、あるいは複数回聞こえる現象も、同様にハウリングでは無い。
 
これらは音声のフィードバックによる現象という点では同じであるが、ハウリングという言葉はあくまで比較的短い周期のフィードバックによって規則的な共振がおこり、原音とは全く別の大振幅の電気信号が発生する事、あるいはその音を指す。
 
 
=== 対処 ===
フィードバックを起こす周波数は、使用するマイクからスピーカー間の周波数特性により異なる。通常、何の対策も取られていないセッティングでは[[ミキシングコンソール|ミキサー]]やアンプの出力を上げていくと、特性がピークにある周波数からフィードバックが起こり始める。多くの場合一つの周波数であり、ピー、ギャーといった中高域の音であることが多いが、ブーン、ボーといった低域のフィードバックも珍しくない。[[イコライザー (音響機器)|イコライザ]]で適切に調整すると、ハウリングを起こさず出力を大きく取ることができる(ハウリングマージンを稼ぐという)。さらに出力を大きくすると複数の周波数でフィードバックが起こり始める。そこが、そのマイクからスピーカーの出力の限界である。
 
イベント会場などでは、通常はこのようなPAのイコライジングによってハウリングを防いでいるが、カラオケボックスや、使用機材にそのような機能がない環境では、音量の上げすぎやマイクとスピーカーの位置関係に注意する事によってのみハウリングの発生を抑えることが出来る。
 
 
ハウリングは共振現象であるため、条件が揃わないと発生しない。よってこの揃った条件を崩してやれば解消される。また共振部分のみ抑制・除去する装置を付ける方法もある。解消を試みる具体的な方法としては主として下記が挙げられる。