「ラインハルト・フォン・ローエングラム」の版間の差分

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[[銀河英雄伝説の用語#ヴェスターラントの虐殺|ヴェスターラントの虐殺]]の黙認、それに関連して自ら招いた盟友キルヒアイスの死と、それによって姉アンネローゼが遠ざかった事は、一種の[[トラウマ]]となって彼の生涯に常に影を投げていた。新帝国暦2年にヴェスターラントで家族が虐殺されたという男に殺されそうになった時にも、その男の発した、自己犠牲を他者に強いる権力者の欺瞞に対する痛烈な非難に動揺し、その男を解放しようとまでした。
 
元々名ばかりの帝国貴族だったため、私生活では質素を好み、帝国皇室の式典や貴族のもてなしなどを嫌う一面もあった。皇帝即位後も常は専用の軍服を愛用し、式典も簡素に抑え、身軽を好み大人数の随行を嫌った。また、やや常識に疎いところがあり、作品の中においても「無趣味で[[仕事中毒|ワーカホリック]]気味」という性質で描かれている<ref>本人もこの性質を気にしているようで、即位後に首都・フェザーンにおいて、諸提督を伴い芸術関係の催しものに度々出席した事がある。季節が秋だった事から「芸術の秋」と呼ばれ、芸術に興味の無い付き合わされた提督達には大不評だった(適任と思われるメックリンガーは、オーディンに赴任中であった)。</ref>。また、アンネローゼは「1[[光年]]以下の単位の出来事に興味がない」と評している。<br />特に女性関係については極めて疎く、かつ経験が乏しい。そのためであろうか、彼の女性に対する考え方については、一貫性が見られない<ref>権力を握る以前においては、権力掌握の手段としてブラウンシュバイク公、リッテンハイムのそれぞれの娘との政略結婚も選択肢に入れていたが、権力を握った後は、様々な女性、或いは女性を利用してラインハルトに取り入ろうとした者が数多く接近したが、いずれも拒絶している。またロイエンタールの猟色については極めて寛容であったが、自分の事になるとヒルダと肉体関係に及んだ事に責任を感じ、翌朝には結婚を申し込むといった様子であった。その他の事例として、ヘルマン・フォン・リューネブルク夫妻の関係について夫側に同情的な見方をしたこと。ヴェストパーレ男爵夫人とメックリンガーが愛人関係にないらしいことについて夫人側の嗜好等のみを挙げ、男側の理由を考えなかったこと。キルヒアイスと共に老婦人二人の住まいに下宿していた時、彼女達の保護者的なスタンス(金髪さんという呼び名や飲酒について)を不本意ながらも受け入れていたこと。キュンメル事件でヒルダ父娘を気遣いながら、ロイエンタールへの告発に関わったエルフリーデについては身ごもっている(ロイエンタールの)子供の処置について投げやりでさえあったことなどが挙げられる。</ref>。一貫しているのは、彼自身の性欲が極めて乏しい事、自ら女性を求めようとしなかった事であり<ref>一度だけヒルダと行為に及んだのは、精神的衝撃から慰めてくれる存在が必要だったからである。</ref>、これは姉・ アンネローゼが自分の意志に反して後宮に入れられた事が、強く影響していると思われる。ヒルデガルドへの求婚の際には、普段のラインハルトには見られないようなしどろもどろ振りを見せ、ミッターマイヤー夫婦の前例に倣って巨大な[[バラ]]の花束(しかも「赤白取り混ぜた」ド派手な)を持参し、ヒルダの父親[[銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国#フランツ・フォン・マリーンドルフ|マリーンドルフ伯]]を内心苦笑させている。また、息子であるアレク大公の名前を考えていた時は、丸めた紙でデスクの周りを散らかしており、侍従のエミールを呆れさせている。
 
理詰めで判断する性格ゆえか、[[ユリアン・ミンツ]]に「ユーモアの才能はそれ程ない」と評されており、作中でしばしば冗談を言うが、それが彼の容貌や軍事的・政治的才覚ほど周囲の者に感銘を与えたケースは絶無である。一方、キルヒアイスは「人を貶す時まで表現が華麗なので陰湿な印象がないのが美点」と評している。