「浄土寺 (小野市)」の版間の差分

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==阿弥陀三尊像==
[[ファイル:小野浄土寺三尊.jpg|thumb|left|250px|阿弥陀三尊像<!--(撮影日は阿弥陀堂の扉が開け放たれており外部より撮影(1986年12月7日)-->]]
浄土堂中央の須弥壇に安置される。仏師快慶の代表作。巨大な三尊像で、阿弥陀如来は像高5m30cm(須弥壇を含めると7m50cm)、両脇侍の像高は各々3m70cmある。(右・観音菩薩、左・勢至菩薩)快慶は俊乗坊重源とは近い関係にあり、熱烈な阿弥陀信者だったことが知られている。快慶の作品には像高3尺(約1メートル)の阿弥陀像が多いが、本作は珍しい大作である。3体とも立像であり、各像の立つ蓮華座の下には雲が表されている。て僅かに阿弥陀三尊が前に傾いてることから西方極楽浄土から飛雲に乗って来迎する情景を表現したものである。また中央の阿弥陀如来像の特徴として、人々に差し伸べられているのは右手、ほかの阿弥陀仏が左手なのとは逆の造りで、爪は長く伸びている。作風には当時流行の宋風が顕著である。
 
浄土堂は境内の西、すなわち[[極楽浄土]]の位置する側に建てられ、阿弥陀三尊は東向きに立つ。堂の背後の蔀戸(しとみど、建物の内側または外側へ跳ね上げる形式の戸)を開け放つと背後からの光が入るようになっており、晴れた日の夕刻には堂内全体が朱赤に深く輝くように染まり、雲座の上に位置する三尊像が浮かびあがって来迎の風景を現すという劇的な光の演出効果を備えている。その際、遠方の溜池群が西方の光を運び込む装置として機能することまで、作者重源は巧みに計算していたという意見もある。