「かわいがり」の版間の差分

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# 上記の意味が加味された[[相撲]]界独特の用語。本項で扱う。
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[[相撲]]用語に言うところの「'''かわいがる'''」とは、相撲界の[[隠語]]で[[しつけ]]や心身鍛錬のために「厳しい[[稽古]]」で'''いたける、鍛える'''ことを意味する<ref name="用語・隠語2">{{cite web
| url =http://www1.odn.ne.jp/nisyonoseki/yougo2.html
| title =二所ノ席部屋 用語・隠語2
|accessdate=2008年2月17日
}}</ref>。'''かわいがり'''とも呼ばれる。荒稽古は[[親方]]や兄弟子による「愛の鞭」であるとされるが、「かわいがり」の名を借りた暴力によりケガ怪我をしたり、ひどい場合[[死亡]]事件が起きることがある。相撲界のみならず一般的な隠語としても利用されている。
 
古くから相撲部屋では兄弟子が弟弟子の心身鍛錬のために胸を貸し、通常より厳しい[[ぶつかり稽古]](荒稽古)を行い、強い力士を育成することを指す<ref name="用語・隠語2">{{cite web
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近年では[[日馬富士公平|安馬]]が[[朝青龍明徳|朝青龍]]に勝利した際に「すごくかわいがってもらったので、恩返しできて良かった」と述べたことがある<ref>[http://www.sanspo.com/sports/news/080922/spf0809222009013-n1.htm 安馬、勝負に徹して「恩返し」/秋場所] [[サンスポ]] 2008年9月22日配信</ref>。
 
自らも素質にはめぐまれなかったものの、他を圧倒する猛稽古で横綱昇進を果たした玉錦を開祖とする[[一門|二所ノ関一門]]の猛稽古は、一門の代名詞ともなるほどで、それにまつわる逸話は数多い。特に昭和30年代ごろまで、これは分家独立を推奨した一門の方針のため、それぞれ「内弟子」を抱えた現役力士たちの意地の張り合いもあって、稽古場は本場所さながらの真剣勝負の場であったという。
 
のちの横綱[[若乃花幹士 (初代)|若乃花]]や[[大関]][[琴ヶ濱貞雄|琴ヶ濱]]が、「とにかくそれぞれの師匠が土俵の周りから厳しい目で見ているので、間違っても手を抜くことなんかできなかった。そこへまた、一番恐ろしい兄弟子の[[力道山]]がいるんだから」と証言している。
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: 「相撲界には伝統的にリンチがある」
: 「ここ(額)は強いんですよ。だからここを(ビール瓶で)バカーンとやっても大丈夫」
: 「我々の時代は、リンチの場合はビール瓶でやれと(言われた)。そのリンチを耐えて伸びた一握りの人が(強くなるんです)」。
また、かわいがりについても、「土俵の上はかわいがり、リンチは土俵外!」と述べ、'''土俵で行うリンチがかわいがり'''との認識を示した。
 
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なお、殺害された力士は、直後の行政解剖や後の組織検査で「外傷性ショック死」と断定された。そして2008年2月、「かわいがり」を行った主犯格の男(元親方)が、傷害致死の容疑で逮捕された(事件当時は親方だったが、10月に解雇されていた)。
 
この事件をきっかけとして、特にこの用語に関する極めてネガティなイメージが一般に定着してしまったことから、現在では「かわいがる」「かわいがり」などの言葉は使用しないように力士たちに指導している者もいる。
 
=== 大勇武龍泉の提訴 ===