「定期乗車券」の版間の差分

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なお、JRでは、発売する駅から有効な定期乗車券のみを発売する<ref>旅客営業規則第20条。[[無人駅]]の場合は隣接する有人駅において発売する。</ref>のが原則であるが、実際には私鉄駅発着の定期乗車券を発売することもある。[[鉄道駅]]の[[みどりの窓口]]以外では各支社に属する販売センター<ref>鉄道駅とは別にある、法人向けの営業拠点を指す。</ref>で発売することもある<ref>社員に定期券を現物支給するために、企業などで一括購入する場合など。</ref>。
 
=== 旅客営業規則で規定されている定期乗車券 ===
==== 通勤定期乗車券 ====
主に通勤目的のための定期乗車券であるが、購入時に通勤証明書などを提示する必要はなく、誰でも任意の区間で購入することができる。小児用の通勤定期乗車券もあるが、こちらは[[学習塾]]や[[病院]]に通う際に利用されることがある。
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「山手線内均一定期券」が唯一の例である。[[東京山手線内]]の全区間に有効であり、山手線環状運転区間、中央本線神田 - 代々木間および総武本線秋葉原 - 御茶ノ水間の各駅間で乗降することが可能な定期乗車券である。有効期間は1か月のみ。発売は東京山手線内各駅のみどりの窓口(東京駅・品川駅はJR東海管轄も含む)または定期券自動券売機に限られる。運賃は13,860円。これは、「千駄ヶ谷(中央東)御茶ノ水(総武2)秋葉原(東北)東京(東海道)品川(山手1)代々木(中央東)新宿(山手2)日暮里(東北)秋葉原」(41.4km 13,860円)に相当する。なお、Suica定期券での発売はないが、上記経路の例に従えば、ほぼ同一の効力を持つ同額のSuica定期券は発券可能である<ref>ただし、この例では代々木・千駄ヶ谷間の最短経路は乗車できない。</ref>。
 
=== 旅客営業規則で規定されている定期乗車券に関連する制度 ===
=== その他の定期券 ===
==== 特殊な割引制度 ====
JRは、かつては[[公共企業体]]の[[日本国有鉄道]](国鉄)であったため、[[私鉄|民鉄]]にはない種類の割引が存在する。
; 特定者割引定期券
: 概ね[[生活保護]]世帯を対象にした割引。割引を受けるためには生活保護世帯であることも然ることながら一定の条件がある。旅客営業規則に運賃表が掲載されているが、市販の[[時刻表]]には掲載されていない([http://www.city.kawasaki.jp/63/63hukusa/home/01_soudan_02/ 参考リンク 川崎市幸区役所のサイト])。
; 通学定期券の種類
: 通常、一般民鉄では大学生でも中学生でも運賃は同一であるが、JRの場合(新幹線定期券は除く)、大学・高校・中学と異なる運賃が設定されている<ref>大学生の運賃を基準とした場合、高校生は90%、中学生は70%</ref>。
: このため、JR線との[[#連絡定期券・共通定期券|連絡定期券]]を発行している鉄道事業者がJR線分の発売区分を誤って発券(学生の区分をすべて大学生扱い)し、過剰に運賃を収受していた事例が[[2008年]]になって発覚した。件数・過徴収期間・過徴収額は記録が残っていないため把握が難しいという。現在では新規購入時に申込用紙を記入する際に、これらのどれに当てはまるかを購入者に選択させていることが多い。
 
==== 長距離区間の定期券の購入について ====
JRの定期乗車券は、新幹線の「フレックス」を除く在来線で乗車区間が100kmを超える区間を購入する場合、[[駅長]]の承認が必要となる。また、乗車区間が200kmを超える場合は、購入理由を記載した書面を提出しなければならない。
* 参考リンク:[http://ken.akari-house.net/yakumon_teiki.html 「塚本〜八雲間の定期券は購入可能か?」] -- [[漫画]]・[[アニメ]]『[[スクールランブル]]』の[[キャラクター]]名にちなむ。
 
==== 定期券の所持による権利制限 ====
JRの旅客営業取扱基準規程第151条により、定期券を所持している者は分岐駅通過列車に対する区間外乗車の取り扱いの特例の対象から除外されている。
 
=== その他の定期乗車券 ===
==== 新幹線定期乗車券 ====
{{see also|新幹線通勤}}
遠距離通勤・通学の増加に伴い、[[新幹線]]用の通勤定期乗車券「FREX(フレックス)」、通学定期乗車券「FREX(フレックス)パル」(JR東日本・JR東海・JR西日本)、「新幹線エクセルパス」(JR九州)が発売されている。ただし、これらは旅客営業規則においては[[特別企画乗車券]](トクトクきっぷ)の扱いである。新幹線の普通車自由席を利用できるため、発売額には乗車区間の定期旅客運賃に加え新幹線自由席特急料金に相当する定期特急料金が加えてある。また、途中の区間において新幹線を利用する定期乗車券も設定可能であるが、この場合、全区間の定期旅客運賃と新幹線乗車区間の新幹線自由席特急料金に相当する額を合算し発売される。例えば、新宿 - 宝積寺間の乗車券に新幹線を大宮 - 宇都宮間で利用する定期券も発売できる。
 
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==== 特急料金定期券 ====
遠距離通勤・通学は、新幹線沿線のみならず[[在来線]]の[[特別急行列車|特急列車]]にもみられる。JR東海を除くJR旅客5社がそれぞれ発売している。これらも新幹線と同様に特別企画乗車券(トクトクきっぷ)の扱いである。[[北海道旅客鉄道]](JR北海道、名称:「[[かよエール]]」)・[[東日本旅客鉄道]](JR東日本、名称:「定期券用月間料金券」)の一部区間と、[[西日本旅客鉄道]](JR西日本、名称:「[[パスカル定期券|パスカル]]」「○○○特急料金定期券(○○○は列車名)」)・[[四国旅客鉄道]](JR四国、名称:「快て〜き」)・[[九州旅客鉄道]](JR九州、名称:「[[エクセルパス]]」)の全特急運転区間において、特急列車の普通車自由席を利用できる料金定期券、または特急料金相当額を運賃部分に加算した定期乗車券を発売している。料金定期券は、定期乗車券の購入と同時かあるいはすでに所持している定期乗車券を提示し、定期乗車券区間内の特急列車停車駅間の特急料金定期券を購入する形をとる。なお、JR西日本で発売している指定席特急料金定期券「マイシート」は定期乗車券と組み合わせて有効期間中普通車のあらかじめ指定した座席を利用できる。
 
==== 2駅併用定期券 ====
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{{main|総販 (システム)#備考}}
 
==== 職務乗車証 ====
社員が業務の必要により、路線を使って移動する場合に使用する社員証型の“定期券”。機能は全線定期や株主優待乗車証と同一で、JR以外の事業者の場合は家族にも支給される所もある。ただし同一企業グループを跨る移動は出来ない。JR各社によっては階級に応じて利用できるエリアが異なってくる。<!--あくまでJRでの説明です。また不正云々を記載する場ではありません-->
 
=== 旅客営業規則で規定されている乗車券でない定期券 ===
==== 定期入場券 ====
駅構内や改札内への入場・通行ができる「定期[[入場券]]」がある。[[日本国有鉄道]](国鉄)時代には有人駅のほぼ全駅で発行されており、かつては観光地周辺の駅で[[旅館]]などの従業員が客を駅構内で歓送迎するのに使用されていた。ただし現在では、発行は駅構内に自由通路がない場合、また[[駅弁]]を売る業者など駅構内に定期的に立ち入る必要がある場合に限られる<ref>業者の場合は、自社の従業員証の提示でこれに代えることがほとんどである。</ref>。例えば、JR東日本の[[電車特定区間]]内の駅では[[東京駅]]と[[高尾駅 (東京都)|高尾駅]]のみで発売されている。かつては、駅舎改築前の[[国分寺駅]]や[[品川駅]]でも発売されていた。
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なお、定期'''乗車券'''を入場券代わりに使用することはできない。駅構内への入場には「乗車船の目的」と「乗車船以外の目的」の二つに分けられ、前者は乗車券類、後者は入場券が必要となる<ref>JRの旅客営業規則第294条には「次の各号に掲げる者が、乗車船以外の目的で乗降場に入場しようとする場合は、入場券を購入し、これを所持しなければならない。(後略)」と規定されている。</ref>。定期乗車券は乗車券の一種であり、乗車券は乗車券類に含まれるため、「乗車船の目的」に限り使用でき、「乗車船以外の目的」(送迎等の入場目的)には使用できないのである<ref>旅客営業規則第147条第6項には「乗車券類は、乗車船以外の目的で乗降場に入出する場合には、使用することができない。」という規定があり、他の多くの鉄道事業者においても同様の規定がある。</ref>。[[Suica]]などのICカード式乗車券についても同様で、これらもあくまで乗車券類であることから、入場券代わりに使用することはできない。
 
==== 特殊な割引制度定期手回り品切符 ====
{{main|チッキ}}
JRは、かつては[[公共企業体]]の[[日本国有鉄道]](国鉄)であったため、[[私鉄|民鉄]]にはない種類の割引が存在する。
; 特定者割引定期券
: 概ね[[生活保護]]世帯を対象にした割引。割引を受けるためには生活保護世帯であることも然ることながら一定の条件がある。旅客営業規則に運賃表が掲載されているが、市販の[[時刻表]]には掲載されていない([http://www.city.kawasaki.jp/63/63hukusa/home/01_soudan_02/ 参考リンク 川崎市幸区役所のサイト])。
; 通学定期券の種類
: 通常、一般民鉄では大学生でも中学生でも運賃は同一であるが、JRの場合(新幹線定期券は除く)、大学・高校・中学と異なる運賃が設定されている<ref>大学生の運賃を基準とした場合、高校生は90%、中学生は70%</ref>。
: このため、JR線との[[#連絡定期券・共通定期券|連絡定期券]]を発行している鉄道事業者がJR線分の発売区分を誤って発券(学生の区分をすべて大学生扱い)し、過剰に運賃を収受していた事例が[[2008年]]になって発覚した。件数・過徴収期間・過徴収額は記録が残っていないため把握が難しいという。現在では新規購入時に申込用紙を記入する際に、これらのどれに当てはまるかを購入者に選択させていることが多い。
 
==== 長距離区間の定期券の購入について ====
JRの定期乗車券は、新幹線の「フレックス」を除く在来線で乗車区間が100kmを超える区間を購入する場合、[[駅長]]の承認が必要となる。また、乗車区間が200kmを超える場合は、購入理由を記載した書面を提出しなければならない。
* 参考リンク:[http://ken.akari-house.net/yakumon_teiki.html 「塚本〜八雲間の定期券は購入可能か?」] -- [[漫画]]・[[アニメ]]『[[スクールランブル]]』の[[キャラクター]]名にちなむ。
 
==== 定期券の所持による権利制限 ====
JRの旅客営業取扱基準規程第151条により、定期券を所持している者は分岐駅通過列車に対する区間外乗車の取り扱いの特例の対象から除外されている。
 
==== 職務乗車証 ====
社員が業務の必要により、路線を使って移動する場合に使用する社員証型の“定期券”。機能は全線定期や株主優待乗車証と同一で、JR以外の事業者の場合は家族にも支給される所もある。ただし同一企業グループを跨る移動は出来ない。JR各社によっては階級に応じて利用できるエリアが異なってくる。<!--あくまでJRでの説明です。また不正云々を記載する場ではありません-->
 
== その他の日本の鉄道 ==