「ゲリラ」の版間の差分

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1808年からの[[スペイン独立戦争]]で[[ナポレオン・ボナパルト|ナポレオン]]軍に抗して蜂起した[[スペイン軍]]や[[スペイン人]]民衆の採った作戦を、ゲリーリャ(guerrilla < guerra「戦争」+縮小辞-illaで「小さな戦争」を意味する)と呼んだのが、ゲリラの[[語源]]である。ただし、戦術としてのゲリラ戦は、この語が生まれる以前の古代から存在していた。
 
== 分類概要 ==
ゲリラによるゲリラ戦は、正規軍による正規戦、特に[[会戦]]による決戦方法とは対極である。一般にゲリラ戦は、少数あるいは劣勢となった側が地の利や民衆の支持を背景に小規模な戦闘を効果的・反復的に実施することによって、優勢な敵に対して[[消耗戦]]や[[神経戦]]を強いて長期占領継続を困難にさせる事を目的とする。反面、短期間に決定的な損害を与える事は困難で、その間は強大な敵側から「正規兵ではない犯罪者、[[テロリスト|テロリスト]]」とみなされての報復も予想されるため、長期の継続力が必要となる。
ゲリラの対極におかれる[[正規軍]]・[[正規戦]]の概念を理念型にすれば、位置と意図を完全に暴露した軍隊が、常に全戦力を集中し、[[会戦]]だけを目標にするといったものになるはずだが、そのような行動は正規軍にとっても合理的なものではない。ゲリラ戦を遂行するものにとっても、特定の根拠地・後方を持たず、戦力を常に分散するといったゲリラ的行動は望んで固執することではない。会戦を回避する[[機動]]的な正規軍の行動と、強力なゲリラの行動との境界は明確ではなく、連続面がある。
 
また、なお正規軍が[[特殊部隊]]によって後方攪乱を行うこともあなど、ゲリラ戦術を採用す場合は[[コマンド部隊|コマンドー攻撃]]と呼ばれるが、内容はゲリラと似通っている。<br>だし、特殊部隊が行う攪乱や重要施設へ前線で攻撃正規軍と要人誘拐などの破壊工作は、自軍主力を支援する目的被占領地行われる市民対し、よるゲリラが連携する場合などもあり、明確な区別や分類決戦を回避せざるを得ないが故にこうした戦闘しか困難きないという点が決定的に異なる。
 
近代以降で代表的なゲリラ戦またはゲリラ組織には、「ゲリラ」の語源ともなった19世紀の[[スペイン独立戦争]]や、[[ボーア戦争]]などのヨーロッパ諸国に対する各原住民によるゲリラ戦、20世紀の[[アラブ反乱]]、[[毛沢東]]が率いた[[中国共産党]]と[[遊撃戦論]]、[[第二次世界大戦]]中の各地での[[レジスタンス運動]]や[[パルチザン]]、[[東西冷戦]]期の[[アルジェリア戦争]]や[[ベトナム戦争]]、[[チェ・ゲバラ]]などによる[[キューバ革命]]、[[パレスチナ問題|パレスチナ・ゲリラ]]などがある。また西側諸国における[[ドイツ赤軍]]、[[赤い旅団]]、[[日本赤軍]]などの武装組織もゲリラ戦術を採用した。
第二次世界大戦時のソビエトにおいては、正面には機動性・装甲に優れた正規軍を配置し、敵軍に占領された支配地において高度な統制下に置かれた地下組織によってゲリラ戦(敵の補給路や通信網の遮断、妨害など)を展開した。これはゲリラ戦の限界を踏まえており、あくまでも戦いの主体は正規戦である。後のベトナム戦争はこの理論を大幅に近代化した形で実践される事になる。逆に正規軍の存在が無いゲリラ戦はあくまでもゲリラ側は防戦一方であり、軍事以外での優位性(例:ゲリラ側を国際社会が正当と承認して間接的な後方支援にあたる、など。実例:[[2011年リビア内戦]])がゲリラ側にない限り、[[グレナダ侵攻]]のように短期間の抵抗はできても最終的にはゲリラ側の敗北という事になる。
 
ゲリラ戦を展開するには地勢が必要であり、ソビエト・中国・ユーゴスラビア・ベトナムなど広大かつ縦横がある大陸国家には特に適しており、いずれの国も隣国からの支援が地理的にも政治的にも可能である。一方、イスラエルやシンガポールなどの狭小な国や小規模な島嶼国(グレナダがこれにあたる)ではゲリラ戦の展開はほぼ不可能であり、周辺諸国からの支援も不可能もしくは困難である。このため、前者の二国はゲリラ戦よりも[[電撃戦]]や航空[[奇襲]]などの[[先制攻撃]]を主体に置いた防衛戦略を築いている。また、そもそも正規軍の支援を念頭に置いていない地下組織はゲリラ戦から[[テロリズム]]に移行していく事になった。
 
== 19世紀のゲリラ ==