「直木三十五賞」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
m 単行本・雑誌収録作を「」にする、赤リンクとる |
|||
20行目:
現在ではこのような状態が長く続いたため選考基準に中堅作家という一項が新たに加えられ、実質的には既に一定のキャリアを持つ人気実力派作家のための賞という設定となり、直木賞が当初に持たされていた「文学界の有望新人を発掘する」という機能はおのずから他の新人賞に振られることとなった。結果としてすでに中堅・ベテランの著名作家として名を成している人物に対していわゆる「遅すぎたノミネート」「遅すぎた授賞」を行うケースが多く、さらに既に人気作家となっている者にあっては選考(候補)を辞退する事例も起きており<ref>{{Cite web|author=asahi.com|date=2008-07-08|url=http://book.asahi.com/clip/JJT200807080001.html|title=伊坂幸太郎さん、直木賞選考対象から辞退|accessdate=2011-02-11}}</ref>この点で文芸界・各種マスコミの内外で数多くの議論が巻き起こってきたことも事実である。
選考対象の「大衆小説」にまつわる問題としては、[[推理小説]]を主たる活動分野とする作家が受賞しにくい傾向がまず挙がる。同様に大衆小説内でも発展期以降の歴史が比較的浅い[[サイエンス・フィクション|SF]]や[[ファンタジー]]なども選考段階では幾度か俎上に上げられてはいるが、実際の授賞事例は[[景山民夫]]『[[遠い海から来たCOO]]』が唯一である。昭和末期に勃興した[[ライトノベル]]のレーベルから刊行された作品の中にも広義にいえば若年層向けの大衆文学ともいえる要素を内含している作品が一部見られるが、日本文学振興会と密接な関係にある文藝春秋がこのジャンルに対するノウハウを持ち合わせていないためか、ほぼ目が向けられていないに等しい(ライトノベル出身の受賞作家としては[[桜庭一樹]]がいるが、受賞作は一般文芸誌に掲載された作品であった)。この様に現在でも空想性が極端に高い推理・SF・ファンタジー等のジャンルに対する評価が総じて低いのも直木賞選考の特徴である。古くより選考委員の席の大半を過去の本賞受賞者が占めていることもあってか、毎回行われる選評での高評価も[[伝奇小説]]・[[時代小説]]・[[歴史小説]]・人情小説などといった多くの受賞者が属する従来型の大衆文学に属する作品に偏りがちで、新規に開拓された後発ジャンルや選考委員たちが専門知識を持たないか興味の薄いジャンルに対してはジャンルそのものへの理解が乏しい、言い換えれば守旧的な選考を行う傾向が根強い一面がある。この様な風潮によって受賞を逃した作家には[[小松左京]]・[[星新一]]・[[筒井康隆]]・[[万城目学]]などがおり、中でも不利とされるSFを専門範囲とし三度にわたり落選の憂き目を見た筒井は、後に『[[文藝春秋 (雑誌)|別冊文藝春秋]]』において、直木賞をもじった「直廾賞」の選考委員たちが皆殺しにされるという、直木賞選考を批判的に風刺した小説
<!--
76行目:
== 受賞作一覧 ==
=== 第1 - 10回 ===
* 第1回([[1935年]]上半期) - [[川口松太郎]]
* 第2回(1935年下半期) - [[鷲尾雨工]]『吉野朝太平記』他
* 第3回([[1936年]]上半期) - [[海音寺潮五郎]]
* 第4回(1936年下半期) - [[木々高太郎]]『人生の阿呆』他
* 第5回([[1937年]]上半期) - 該当作品なし
* 第6回(1937年下半期) - [[井伏鱒二]]『ジョン萬次郎漂流記』他
* 第7回([[1938年]]上半期) - [[橘外男]]
* 第8回(1938年下半期) - [[大池唯雄]]
* 第9回([[1939年]]上半期) - 該当作品なし
* 第10回(1939年下半期) - 該当作品なし
=== 第11 - 20回 ===
* 第11回([[1940年]]上半期) - [[堤千代]]
* 第12回(1940年下半期) - [[村上元三]]
* 第13回([[1941年]]上半期) - [[木村荘十]]
* 第14回(1941年下半期) - 該当作品なし
* 第15回([[1942年]]上半期) - 該当作品なし
* 第16回(1942年下半期) - [[田岡典夫]]
* 第17回([[1943年]]上半期) - [[山本周五郎]]
* 第18回(1943年下半期) - [[森荘已池]]
* 第19回([[1944年]]上半期) - [[岡田誠三]]
* 第20回(1944年下半期) - 該当作品なし
=== 第21 - 30回 ===
* 第21回([[1949年]]上半期) - [[富田常雄]]
* 第22回(1949年下半期) - [[山田克郎]]
* 第23回([[1950年]]上半期) - [[今日出海]]
* 第24回(1950年下半期) - [[檀一雄]]
* 第25回([[1951年]]上半期) - [[源氏鶏太]]
* 第26回(1951年下半期) - [[久生十蘭]]
* 第27回([[1952年]]上半期) - [[藤原審爾]]
* 第28回(1952年下半期) - [[立野信之]]
* 第29回([[1953年]]上半期) - 該当作品なし
* 第30回(1953年下半期) - 該当作品なし
113行目:
=== 第31 - 40回 ===
* 第31回([[1954年]]上半期) - [[有馬頼義]]『終身未決囚』
* 第32回(1954年下半期) - [[梅崎春生]]
* 第33回([[1955年]]上半期) - 該当作品なし
* 第34回(1955年下半期) - [[新田次郎]]『強力伝』、[[邱永漢]]
* 第35回([[1956年]]上半期) - [[南條範夫]]
* 第36回(1956年下半期) - [[今東光]]
* 第37回([[1957年]]上半期) - [[江崎誠致]]『ルソンの谷間』
* 第38回(1957年下半期) - 該当作品なし
* 第39回([[1958年]]上半期) - [[山崎豊子]]『[[花のれん]]』、[[榛葉英治]]『赤い雪』
* 第40回(1958年下半期) - [[城山三郎]]
=== 第41 - 50回 ===
* 第41回([[1959年]]上半期) - [[渡辺喜恵子]]『馬淵川』、[[平岩弓枝]]
* 第42回(1959年下半期) - [[司馬遼太郎]]『[[梟の城]]』、[[戸板康二]]
* 第43回([[1960年]]上半期) - [[池波正太郎]]
* 第44回(1960年下半期) - [[寺内大吉]]
* 第45回([[1961年]]上半期) - [[水上勉]]
* 第46回(1961年下半期) - [[伊藤桂一]]
* 第47回([[1962年]]上半期) - [[杉森久英]]『天才と狂人の間』
* 第48回(1962年下半期) - [[山口瞳]]
* 第49回([[1963年]]上半期) - [[佐藤得二]]『女のいくさ』
* 第50回(1963年下半期) - [[安藤鶴夫]]『巷談本牧亭』、[[和田芳恵]]『塵の中』
137行目:
=== 第51 - 60回 ===
* 第51回([[1964年]]上半期) - 該当作品なし
* 第52回(1964年下半期) - [[永井路子]]『[[炎環]]』、[[安西篤子]]
* 第53回([[1965年]]上半期) - [[藤井重夫]]
* 第54回(1965年下半期) - [[新橋遊吉]]
* 第55回([[1966年]]上半期) - [[立原正秋]]「白い罌粟
* 第56回(1966年下半期) - [[五木寛之]]
* 第57回([[1967年]]上半期) - [[生島治郎]]『追いつめる』
* 第58回(1967年下半期) - [[野坂昭如]]
* 第59回([[1968年]]上半期) - 該当作品なし
* 第60回(1968年下半期) - [[陳舜臣]]
=== 第61 - 70回 ===
* 第61回([[1969年]]上半期) - [[佐藤愛子 (作家)|佐藤愛子]]『戦いすんで日が暮れて』
* 第62回(1969年下半期) - 該当作品なし
* 第63回([[1970年]]上半期) - [[結城昌治]]
* 第64回(1970年下半期) - [[豊田穣]]『長良川』
* 第65回([[1971年]]上半期) - 該当作品なし
* 第66回(1971年下半期) - 該当作品なし
* 第67回([[1972年]]上半期) - [[綱淵謙錠]]『斬』、[[井上ひさし]]
* 第68回(1972年下半期) - 該当作品なし
* 第69回([[1973年]]上半期) - [[長部日出雄]]
* 第70回(1973年下半期) - 該当作品なし
=== 第71 - 80回 ===
* 第71回([[1974年]]上半期) - [[藤本義一 (作家)|藤本義一]]
* 第72回(1974年下半期) - [[半村良]]
* 第73回([[1975年]]上半期) - 該当作品なし
* 第74回(1975年下半期) - [[佐木隆三]]『[[復讐するは我にあり]]』
168行目:
* 第77回([[1977年]]上半期) - 該当作品なし
* 第78回(1977年下半期) - 該当作品なし
* 第79回([[1978年]]上半期) - [[津本陽]]
* 第80回(1978年下半期) - [[宮尾登美子]]『[[一絃の琴]]』、[[有明夏夫]]『大浪花諸人往来』
=== 第81 - 90回 ===
* 第81回([[1979年]]上半期) - [[田中小実昌]]
* 第82回(1979年下半期) - 該当作品なし
* 第83回([[1980年]]上半期) - [[向田邦子]]
* 第84回(1980年下半期) - [[中村正軌]]『元首の謀叛』
* 第85回([[1981年]]上半期) - [[青島幸男]]『[[人間万事塞翁が丙午]]』
* 第86回(1981年下半期) - [[つかこうへい]]『[[蒲田行進曲]]』、[[光岡明]]『機雷』
* 第87回([[1982年]]上半期) - [[深田祐介]]『炎熱商人』、[[村松友視]]
* 第88回(1982年下半期) - 該当作品なし
* 第89回([[1983年]]上半期) - [[胡桃沢耕史]]『[[黒パン俘虜記]]』
* 第90回(1983年下半期) - [[神吉拓郎]]『私生活』、[[高橋治]]
=== 第91 - 100回 ===
* 第91回([[1984年]]上半期) - [[連城三紀彦]]『恋文』、[[難波利三]]『てんのじ村』
* 第92回(1984年下半期) - 該当作品なし
* 第93回([[1985年]]上半期) - [[山口洋子]]
* 第94回(1985年下半期) - [[森田誠吾]]『魚河岸ものがたり』、[[林真理子]]
* 第95回([[1986年]]上半期) - [[皆川博子]]『恋紅』
* 第96回(1986年下半期) - [[逢坂剛]]『[[カディスの赤い星]]』、[[常盤新平]]『遠いアメリカ』
* 第97回([[1987年]]上半期) - [[白石一郎]]『海狼伝』、[[山田詠美]]『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』
* 第98回(1987年下半期) - [[阿部牧郎]]『それぞれの終楽章』
* 第99回([[1988年]]上半期) - [[西木正明]]
* 第100回(1988年下半期) - [[杉本章子]]『東京新大橋雨中図』、[[藤堂志津子]]「熟れてゆく夏
=== 第101 - 110回 ===
* 第101回([[1989年]]上半期) - [[ねじめ正一]]『[[高円寺純情商店街]]』、[[笹倉明]]『遠い国からの殺人者』
* 第102回(1989年下半期) - [[星川清司]]
* 第103回([[1990年]]上半期) - [[泡坂妻夫]]『蔭桔梗』
* 第104回(1990年下半期) - [[古川薫]]『漂泊者のアリア』
* 第105回([[1991年]]上半期) - [[宮城谷昌光]]『夏姫春秋』、[[芦原すなお]]『[[青春デンデケデケデケ]]』
* 第106回(1991年下半期) - [[高橋義夫]]
* 第107回([[1992年]]上半期) - [[伊集院静]]『受け月』
* 第108回(1992年下半期) - [[出久根達郎]]『佃島ふたり書房』
208行目:
=== 第111 - 120回 ===
* 第111回([[1994年]]上半期) - [[中村彰彦]]
* 第112回(1994年下半期) - 該当作品なし
* 第113回([[1995年]]上半期) - [[赤瀬川隼]]『白球残映』
249行目:
* 第144回([[2010年]]下半期) - [[木内昇]]『漂砂のうたう』、[[道尾秀介]]『月と蟹』
* 第145回([[2011年]]上半期) - [[池井戸潤]]『[[下町ロケット]]』
* 第146回([[2011年]]下半期) - [[葉室麟]]『
* 第147回([[2012年]]上半期) - [[辻村深月]]『
* 第148回([[2012年]]下半期) - [[朝井リョウ]]『何者』、[[安部龍太郎]]『等伯』
|