「イエスの母マリア」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
ヨセフの名の由来
「マリア」は姦淫を呪う水によって呪われた名
28行目:
[[ユダヤ教]]では、[[ヘブライ語聖書]]を[[教典]]とし、「イエスの母マリア」について記された[[新約聖書]]を教典としない。
 
====夫によらない妊娠をした妊婦は死刑====
なお、[[ユダヤ教]]では、婚約している女性が婚約者によらない子を妊娠した場合、次のとおり、石打で処刑されなければないという律法[[トーラー]]<ref>[http://interlinearbible.org/deuteronomy/22.htm ヘブライ語対訳英語聖書 Deuteronomy 22:23-24]</ref>が適用され、未受精の妊娠の可能性は記されていない。
*([[トーラー]])[[申命記]][[口語訳聖書]]【22章23節】もし処女である女が、人と婚約した後、他の男が町の内でその女に会い、これを犯したならば、 【22章23節】あなたがたはそのふたりを町の門にひき出して、石で撃ち殺さなければならない。これはその女が町の内におりながら叫ばなかったからであり、またその男は隣人の妻をはずかしめたからである。あなたはこうしてあなたがたのうちから悪を除き去らなければならない。
*([[トーラー]])[[申命記]][[新共同訳聖書]]【22章23節】ある男と婚約している処女の娘がいて、別の男が町で彼女と出会い、床を共にしたならば、【22章23節】その二人を町の門に引き出し、石で打ち殺さねばならない。その娘は町の中で助けを求めず、男は隣人の妻を辱めたからである。あなたはこうして、あなたの中から悪を取り除かねばならない。
 
そして====エルサレム神殿での産婦の清めの義務====
[[エルサレム神殿]]が在った時代の産婦は、神殿の祭司に清めてもらわなければならない掟があり、出血の清めなくして公共の井戸を利用できない。なお律法に反する妊娠を維持して出産した場合は、清めに詣でた際に悪の妊娠によることが知れてしまう。
*([[トーラー]])[[レビ記]][[口語訳聖書]]【12章4節】その女はなお、血の清めに三十三日を経なければならない。その清めの日の満ちるまでは、聖なる物に触れてはならない。また聖なる所にはいってはならない。【12章6節】男の子または女の子についての清めの日が満ちるとき、女は燔祭のために一歳の小羊、罪祭のために家ばとのひな、あるいは山ばとを、会見の幕屋の入口の、祭司のもとに、携えてこなければならない。 【12章7節】祭司はこれを主の前にささげて、その女のために、あがないをしなければならない。こうして女はその出血の汚れが清まるであろう。これは男の子または女の子を産んだ女のためのおきてである。 
*([[トーラー]])[[レビ記]][[新共同訳聖書]]【12章4節】産婦は出血の汚れが清まるのに必要な三十三日の間、家にとどまる。その清めの期間が完了するまでは、聖なる物に触れたり、聖所にもうでたりしてはならない。【12章6節】男児もしくは女児を出産した産婦の清めの期間が完了したならば、産婦は一歳の雄羊一匹を焼き尽くす献げ物とし、家鳩または山鳩一羽を贖罪の献げ物として臨在の幕屋の入り口に携えて行き、祭司に渡す。【12章7節】祭司がそれを主の御前にささげて、産婦のために贖いの儀式を行うと、彼女は出血の汚れから清められる。これが男児もしくは女児を出産した産婦についての指示である。
 
====「ヨセフ」は母の恥を取り去るという意味の名====
[[ユダヤ教]]では、恥を取り去ってくれたことに由来する名[[ヨセフ]]<ref>[http://interlinearbible.org/genesis/30.htm ヘブライ語対訳英語聖書 Genesis 30:23]</ref>に属することを希望する女性の事情を[[イザヤ書]]に引く<ref>[http://interlinearbible.org/isaiah/4.htm ヘブライ語対訳英語聖書 Isaiah 4:1]</ref>。[[ヨセフ]]の名は、[[ヤコブ]]の妻[[ラケル]]が初めてみごもって男の子を産み、神が彼女の恥を取り去ってくださった(אסף)ことにあやかって[[ヨセフ]](יוסף)と名づけたとされるからである。
*([[トーラー]])[[イザヤ書]][[口語訳聖書]]【4章1節】その日、七人の女がひとりの男にすがって、「わたしたちは自分のパンをたべ、自分の着物を着ます。ただ、あなたの名によって呼ばれることを許して、わたしたちの恥を取り除いてください」と言う。【4章2節】その日、主の枝は麗しく栄え、地の産物はイスラエルの生き残った者の誇、また光栄となる。【4章3節】そして主が審判の霊と滅亡の霊とをもって、シオンの娘らの汚れを洗い、エルサレムの血をその中から除き去られるとき、シオンに残る者、エルサレムにとどまる者、すべてエルサレムにあって、生命の書にしるされた者は聖なる者ととなえられる。
*([[トーラー]])[[イザヤ書]][[新共同訳聖書]]【4章1節】その日には、七人の女が/一人の男をとらえて言う。「自分のパンを食べ、自分の着物を着ますから/どうか、あなたの名を名乗ることを許し/わたしたちの恥を取り去ってください」と。 【4章2節】その日には、イスラエルの生き残った者にとって主の若枝は麗しさとなり、栄光となる。この地の結んだ実は誇りとなり、輝きとなる。【4章3節】そしてシオンの残りの者、エルサレムの残された者は、聖なる者と呼ばれる。彼らはすべて、エルサレムで命を得る者として書き記されている。【4章4節】主は必ず、裁きの霊と焼き尽くす霊をもってシオンの娘たちの汚れを洗い、エルサレムの血をその中からすすぎ清めてくださる。
 
====「マリア」は姦淫を呪う水によって呪われた名====
また、[[神]]を「主」と呼ぶ[[キリスト教]]の[[神の母]]または[[生神女]]については、[[ユダヤ教]]において、「[[レビ族]]の嗣業の母]または「[[レビ族]]の嗣業を生んだ女」という意味になる。
[[マリア]]は、ヘブライ語で「מרים」([[ミリアム]])という。「מרים」([[ミリアム]])は 、姦淫を犯した女性を呪う「מי למרים」(ミリアム水)によって呪われた名<ref>[http://interlinearbible.org/numbers/5.htm ヘブライ語対訳英語聖書 Numbers 5:24,5:27]</ref>。
 
:[[キリスト教]][[旧約聖書]][[民数記]]5章において、「'''苦い水'''」「'''苦くなり'''」「'''苦くなる'''」または「'''become bitter'''」「'''the bitter water'''」「'''this bitter water'''」と訳されている部分は、[[ヘブライ語聖書]]では「מרים」([[ミリアム]])に「ל」([[前置詞]])が付いて「למרים」と記されている。
* [[新共同訳聖書]][[民数記]]【5章13節】別の男と性的関係を持ったにもかかわらず、そのことが夫の目に触れず、露見せず、女が身を汚したことを目撃した証人もなく、捕らえられなくても、【5章16節】祭司は女を前に進ませ、主の御前に立たせる。【5章17節】祭司は聖水を土の器に入れ、幕屋の床にある塵を取ってその水に入れる。【5章18節】祭司はそれから、女を主の御前に立たせ、その髪をほどき、罪の判定のための献げ物、すなわち嫉妬した場合の献げ物を女の手に置く。祭司は自分の手に呪いをくだす苦い水を持つ。【5章19節】祭司は女に誓わせてこう言う。もし、お前が別の男と関係を持ったこともなく、また夫ある身でありながら、心迷い、身を汚したこともなかったなら、この'''苦い水'''の呪いを免れるであろう。【5章20節】しかし、もしお前が夫ある身でありながら、心迷い身を汚し、夫以外の男に体を許したならば、――【5章21節】祭司は女に呪いの誓いをさせてこう言う――/主がお前の腰を衰えさせ、お前の腹を膨れさせ、民の中で主がお前を呪いの誓いどおりになさるように。【5章22節】この呪いをくだす水がお前の体内に入るや、お前の腹は膨れ、お前の腰はやせ衰えるであろう。女は、「アーメン、アーメン」と言わなければならない。【5章23節】祭司はこの呪いの言葉を巻物に書き、それを'''苦い水'''の中に洗い落とす。【5章24節】その呪いをくだす'''苦い水'''を女に飲ませ、呪いをくだす水が彼女の体内に入れば、それは'''苦くなる'''であろう。【5章25節】祭司は女の手から嫉妬した場合の献げ物を取り、それを主の御前に差し出し祭壇にささげる。【5章26節】祭司は献げ物から一つかみをそのしるしとして取り、祭壇で燃やして煙にする。それから、女にその水を飲ませる。【5章27節】水を飲ませたとき、もし、女が身を汚し、夫を欺いておれば、呪いをくだす水は彼女の体内に入って'''苦くなり'''、腹を膨らませ、腰を衰えさせる。女は民の中にあって呪いとなるであろう。
* [[欽定訳聖書]][[民数記]]【5章19節】And the priest shall charge her by an oath, and say unto the woman, If no man have lain with thee, and if thou hast not gone aside to uncleanness with another instead of thy husband, be thou free from '''this bitter water''' that causeth the curse:【5章23節】And the priest shall write these curses in a book, and he shall blot them out with '''the bitter water''':【5章24節】And he shall cause the woman to drink '''the bitter water''' that causeth the curse: and the water that causeth the curse shall enter into her, and '''become bitter'''.【5章27節】And when he hath made her to drink the water, then it shall come to pass, that, if she be defiled, and have done trespass against her husband, that the water that causeth the curse shall enter into her, and '''become bitter''', and her belly shall swell, and her thigh shall rot: and the woman shall be a curse among her people.
 
====「主」は「レビ族の嗣業」と同義====
また、[[神]]を「主」と呼ぶ[[キリスト教]]の[[神の母]]または[[生神女]]については、[[ユダヤ教]]において、「[[レビ族]]の嗣業の母]または「[[レビ族]]の嗣業を生んだ女」という意味になる。
*[[申命記]][[口語訳聖書]]10章9節‐そのためレビは兄弟たちと一緒には分け前がなく、嗣業もない。あなたの神、主が彼に言われたとおり、主みずからが彼の嗣業であった。
*[[申命記]][[新共同訳聖書]]10章9節‐それゆえレビ人には、兄弟たちと同じ嗣業の割り当てがない。あなたの神、主が言われたとおり、主御自身がその嗣業である。