「フォッケウルフ Ta152」の版間の差分

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Hman (会話 | 投稿記録)
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ノートでの合意に従い鈴木文献についての言及を大幅に除去。
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; Ta152B
: ''フラッペ&ローラン (1999)''によれば、モーターカノンに[[MK 108]]30mm砲を、さらに両翼内翼に1門ずつを備えたものであったという{{sfn|フラッペ|ローラン|1999|p=454}}。''野原 (1999)''によれば、30mmモーターカノンに、両翼に30mm機関砲と20mm機関砲合計4門と、さらに主翼下のガンポッドと言う重武装が計画されていたとある{{sfn|野原|2009|p=52}}。これは地上攻撃型であったが、迎撃戦闘機型を優先する必要から1944年中頃に開発は中止されている{{sfn|野原|2009|pp=52-53}}{{sfn|田中|飯田|佐藤|2006|pp=26-27}}。なお、''飯山 (2004)''によれば中高度駆逐機または護衛戦闘機型とされている{{sfn|飯山|2004|p=396}}。敗戦直前には押し寄せる[[ソ連陸軍]]に対抗する必要性から再度、30mm機関砲3門の仕様でTa152C-3にJumo213E-2とMW50を搭載するかたちでB-5/R11が試作され、原型機は1945年3月または4月に完成したが、実戦型の生産には至らなかった{{sfn|田中|飯田|佐藤|2006|pp=26-27}}{{sfn|野原|2009|p=53}}。Jumo213J(2240馬力)と4翅プロペラを装備したB-7も計画されていた{{sfn|野原|2009|p=54}}。
: ''鈴木五郎''著『フォッケウルフ戦闘機』1979年 サンケイ出版 184項によれば、エンジンの[[過給器]]を2段3速に改良しGM1ブースターを装備したユモ213E-1に変更したタイプ。1944年の中頃から生産を開始したが生産機の数は不明とされている。
 
; Ta152C
: 主翼を切り詰めた中・低高度向けまたは地上攻撃型のBシリーズから、エンジンをDB603E(離昇出力1800馬力){{refnest | group = * | 野原 (2009) によれば、DB603Aの1段2速の過給器を大型のものに強化したもので、高度10000mで1060馬力を発揮{{sfn|野原|2009|p=104}}。}}またはDB603LA(離昇出力1800馬力){{refnest | group = * | 野原 (2009) によれば、DB603Lは過給器を2段2速に改め高々度性能を向上させたもの。高度10000mで1400馬力を発揮{{sfn|野原|2009|p=147}}。DB603LAはMW50を組み合わせたもので、作動時は2100馬力を発揮{{sfn|野原|2009|p=147}}。}}へと変更されたタイプ。これに伴い過給器取り入れ口は機首右から左へ移設された{{sfn|長谷川|2007|p=75}}。与圧キャビンは搭載されていない{{sfn|長谷川|2007|p=75}}。武装は機首と内翼に計4門の20mm機関砲、さらに30mmモーターカノンも装備{{sfn|田中|飯田|佐藤|2006|pp=26-27}}{{sfn|野原|2009|p=142}}。高度10000m付近で730km/hを発揮した{{sfn|野原|2009|p=54}}。
: ''長谷川 (2007)''によれば、C-1からC-4までが、''野原 (2006) / (2009)''によればC-1からC-11までが計画または発注されており、1945年3月以降量産が行われる予定だったが{{sfn|野原|2009|p=54}}、生産は原型機3機とC-1型が少数のみ(''野原 (2006) / (2009)''によれば17機){{sfn|野原|2006|p=83}}{{sfn|長谷川|2007|p=76}}。''飯山 (2004)''によれば、実戦で使用されたと言う説は無いと言う説が多い{{sfn|飯山|2004|p=398}}。また、''野原 (2009)''では、JG301にC-1/R11が2機のみ配備はされたものの、出撃は行われなかったようだとしている{{sfn|野原|2009|p=75}}。
: ''鈴木五郎''著『フォッケウルフ戦闘機』1979年 サンケイ出版 185項によれば機体はBシリーズよりもやや大きく、Hシリーズより少し遅れて登場して、50機近く生産されたとされている。
 
; Ta152H-0
: Hシリーズはアスペクト比の高い主翼を持つ、高々度向け機体。最優先で開発された{{sfn|野原|2009|p=62}}。H-0は翼内燃料タンクを装備しない先行型{{sfn|野原|2009|p=97}}{{sfn|フラッペ|ローラン|1999|p=455}}。
: エンジンはJumo213Eを搭載。前述したが、Fw190D-9にも搭載されたものがJumo213Aで、これは1段2速過給器で離昇1750馬力、高度6000mで1500馬力、高度9800mで1020馬力と言うものであった。Jumo213E型は過給器を2段3速に改め、圧縮比を6.5から8.5と大幅に引き上げ、離昇出力は1750馬力と従来のままだが高々度性能は大きく向上し、高度9800mで1420馬力を発揮した{{sfn|野原|2009|pp=108-114}}。なおJumo213はDB603に比べ排気量は小さいが、回転数で馬力を稼いでいる{{sfn|野原|2009|pp=108-114}}。
: ''鈴木五郎''著『フォッケウルフ戦闘機』1979年 サンケイ出版 185項によれば、ユモ213Eあるいはユモ213Fが間に合わずにユモ213Aが搭載されていたといい、また「高々度戦闘機」を意味するHoenjägerの頭文字を取ってH型と名付けられたなどとしている<ref>この記述は文庫版で確認した。</ref>。
 
; Ta152H-1
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; Ta152E
: 計画のみ。戦闘偵察機型で、Jumo213Eを搭載。E-0/E-1型はC型と同じ切り詰めた主翼を、E-2型はH型と同じ主翼を持った{{sfn|野原|2009|p=61}}。偵察には他の型を流用すれば済むと言うことで1945年2月に開発は中止された{{sfn|野原|2009|p=61}}。
: ''鈴木五郎''著『フォッケウルフ戦闘機』1979年 サンケイ出版 185項によれば、Cシリーズの機体にカメラをコックピット後方に下に垂直に取り付けて、エンジンをユモ213F-1またはユモ213F-2に変更した写真偵察機型。1945年3月から生産を開始したが、少数が完成しただけで実戦には参加できなかったとされている。
 
; Ta152S
: 練習機で、[[タンデム]]状に複座化されている。C型ベースのもの、H型ベースのものの2種類があり1945年4月から生産の予定があったようだが、生産されたと言う記録はない{{sfn|野原|2009|p=73}}。
 
; Ta152F
: ''鈴木五郎''著『フォッケウルフ戦闘機』1979年 サンケイ出版 185項によれば、Ta152Eと同型の写真偵察機型で、エンジンをユモ213Eとしたタイプとされているが、項目末に列挙する他の文献では、この型には触れられていない。
 
== 諸元 ==
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* {{Citation |last=河野|first=嘉之| year = 2009 | publisher = 新紀元社 | isbn = 978-4-7753-0529-4}} - いわゆる三次資料であるが、三次資料で「究極のレシプロ戦闘機」と称されている例として。
* {{Citation |last=坂本|first=明| year = 2002 | title = 大図解 20世紀の航空兵器ベスト100 | publisher = グリーンアロー出版社 | isbn = 4-7663-3341-1}} - 軍用機100機の紹介だけでなく、軍用機の基礎的なところもある程度解説されている。
* {{Citation |last=鈴木|first=五郎| year = 20061979 | title = フォッケウルフ戦闘機 ドイツ空軍の最強ファイター | publisher = 光人社 | isbn = 4-76980-2487-4サンケイ出版}} - 一部の記述の検証に利用したが・・・。
** {{Citation |last=鈴木|first=五郎| year = 2006 | title = フォッケウルフ戦闘機 ドイツ空軍の最強ファイター | publisher = 光人社 | isbn = 4-76980-2487-4}} - 改訂・文庫版。他の文献との矛盾が多いため現在の版ではほぼ典拠として使用していない。詳しくは2013年3月のノートでの議論を参照。
* {{Citation |editor=成美堂出版編集部| year = 2000| title = 栄光のドイツ空軍 第2次世界大戦のドイツ空軍戦略と最強戦闘機群 | publisher = 成美堂}}
* {{Citation |last1=田中|first1=義夫|last2=飯田|first2=雅之|last3=佐藤|first3=幸生|editor-first=義夫|editor-last=田中| year = 2006 | series = ミリタリーイラストレイテッド | title = ドイツ軍用機名鑑 1939-45 | publisher = [[コーエー|光栄]] | isbn = 4-7758-0368-9}}