「クロソイド曲線」の版間の差分

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Izumi H (会話 | 投稿記録)
m 字句の訂正。最新動向としてカルマンフィルターの応用の追記。
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== 概要 ==
直線の道路から急カーブに入ったところで、スピードを出し過ぎてヒヤリとした経験を多くのドライバーは持っているだろう。規格の低い道路などで、直線の[[道路]]に[[円弧]]の道路を直接接続すると、曲率半径の変化に不連続性が生じ、自動車なら急なハンドル操作、バイクなら急なバイクの倒し込みを行わなければ円周上をトレースできない。すなわち、加速度変化([[躍度]])が大きくなり、乗物であれば乗客が危険になる。そのため、[[直線]]と[[円弧]]とを繋ぐ中間にクロソイド曲線などの緩和曲線が挿入される。このようなクロソイド線形に沿って、ドライバーに取って好ましい、ハンドルを滑らかに等速回転する運転操作と共にを行えば、自動車走行路線長最短であることを通りそして自動車は2次微分連続(C<sup>2</sup>連続)で変曲点の無い一定曲率グラフ上をハンドル操作による回転揺れ無く走行できる点から。つまり、クロソイド曲線とは、慣性航法の理想軌道上を走行するし、自動車の最小消費エネルギー消費を最小にするルートと言うこと出来る。
 
平面図にこの曲線を引く際には、以前はX軸一定間隔ごとに、Y軸の数値を収録した「クロソイド表」を参照してプロットしたいくつかの点をプロットし、それらを[[雲形定規]]で結んだり、専用の「クロソイド定規」を用いたりして仕上げていたが、現在は[[CAD]]が普及したため容易に描くことができるようになった。
 
== 数学的記述 ==
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現在カーナビで使用されている折線列3次元データから車載コンピュータがリアルタイムに曲率計算し、上記用途に利用する動向もあるが現実の道路中心線形は建設時に5cmから1m程の製造誤差があり、しかも直線-円弧-クロソイド曲線-放物線の複雑な組み合わせから構成されているため、車載コンピュータで逆問題を精度良く高速に解く自動計算による線形の復元は、安全運転支援の目的で走行時の安定的な計算値を保証することが大変困難である。リアルタイム処理ではない事前の前処理と、超高速データベースに線形データを格納するためのオーサリングが欠かせないことが判明している。
 
最新のトピックスとして、カーナビ・車両走行制御・自動車運転・屋外の作業ロボット等の中・低速移動体制御にも、追尾フィルター<ref>[http://http:://search.ieice.org/bin/pdf_link.php?category=B&lang&year=2010&fname=j93-b_11_1504&abst=j, 小菅義夫 「レーダによる単一目標追尾法の現状と将来」]</ref>の基礎方程式としての仮想軌道がにわかに注目を集めている。これは、仮想軌道が進行方向の曲率やアップダウン(縦断勾配)だけでなく、横断勾配カントもパラメータとして保有しており、このカント値が5%前後のエネルギー消費に関連していることが判明したためである。一方、航空機の飛行制御・衛星軌道制御・ミサイル制御等の先行分野では[[カルマンフィルター]]<ref>[http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC, カルマンフィルター]</ref>を利用した追尾フィルターは常識としてシステムに組込まれていることもあって、他の分野から学び、トラッキングを精密に制御するニーズへの対応が始まっている。
 
ADAS 用途のデジタル地図としてはNAVTEQ社のElectronic Horizon<ref>[http://www.boliven.com/patent/US6735515 Method and system for providing an electronic horizon in an advanced driver assistance system architecture]</ref>やSANEI社のVirtual Orbit<ref>[http://www.boliven.com/patent/US6711480 System, method and program for supporting driving of cars]</ref>(仮想軌道)が良く知られている。クロソイド曲線をデジタル地図の走行路データとして活用している自動車開発・検査用途の[[CAE]]ソフトウェアは
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* CATEC VT2000<ref>[http://www.catec.co.jp/product_cust_car_vehicle2c.html キャテック株式会社]</ref>
* Adams<ref>[http://www.mscsoftware.co.jp/products/adams/ 汎用機構解析ソフトウェア Adams]</ref>
* AVL InMotion<ref>[http://www.avl.co.jp/modules/special/content0004.html AVL InMotion -次世代のHiLシミュレーション・ソリューション]</ref>
等多数ある。このデジタル地図を各種の通信ネットワークから受信し、デジタル地図の走行路を前読みしてリアルタイム制御する試みも活発になりつつあること、変曲点が無く運転時にハンドルの回転揺れが無いなど高速走行になるほど有利な実用的軌道特性を持つことから、将来的には自動運転基盤地図要素としての利用が期待される。