「礼拝堂」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
MerlIwBot (会話 | 投稿記録)
m ロボットによる 除去: es:Capilla,en:Chapel,de:Kapelle (Kirchenbau),it:Cappella,fr:Chapelle (strongly connected to ja:チャペル)
編集の要約なし
1行目:
'''礼拝堂'''(れいはいどう)は、主にキリスト教建築の用語であり
 
*礼拝のために恒久的に確保された専用空間のうち、以下に示す何らかの理由により「'''[[聖堂]]'''」と呼ばれないもの。
**[[教会堂|教会]](=宗教施設)の構内において、主祭壇を囲む主たる礼拝空間「聖堂」とは別個に存在する、副次的な礼拝空間。建屋としての聖堂の内部か外部かを問わない。(この場合、[[カトリック教会]]では「小聖堂」と呼ばれることが多い<ref name="Shouseidou">カトリック教会では、教会構内で主たる聖堂とは別個に存在する礼拝空間は「小聖堂」と呼ばれることが多い。[http://kawaramachi3.com/miyako2.html カトリック河原町教会 「都の聖母」小聖堂]、[http://st.cat-v.ne.jp/catholic-sendai/mototerakoji.html カトリック仙台司教区 元寺小路教会]など。</ref>。)
**[[教会]](=信仰共同体)の所有ではない礼拝空間(→[[チャペル]])。[[マルティリウム]]も本来はこれに属する。
12行目:
礼拝堂のタイプとして主要なものを以下に挙げる。
*[[カトリック教会|カトリック]]や[[正教会]]などの[[大聖堂]]では、大聖堂の内陣や側廊あるいは敷地内などに礼拝堂を設置することが一般に行われる<ref name="Shouseidou" />。
*さらにカトリックでは大聖堂に聖母に捧げられた礼拝堂が置かれることが普通である{{要出典|date=2012年3月}}。
*カトリックの[[司教]]は自宅や滞在先に礼拝堂をもつことが許される{{要出典|date=2012年3月}}。
*[[ロシア正教会]]では、市門の脇には礼拝堂を置くことが慣習となり、これを「門の礼拝堂」と呼ぶ。モスクワの[[赤の広場]]のものは秀作であり広く知られている。
*西方で元来は学僧の集団として始まった[[大学]]では、学寮ごとに礼拝堂をもつ慣習があった。著名なものに[[ケンブリッジ大学]]キングズ・カレッジ礼拝堂がある。
21 ⟶ 19行目:
 
==副次的礼拝空間==
聖堂内の副次的礼拝空間としての礼拝堂は、[[聖遺物]]信仰が盛んになった古代末期から中世初期にかけて都市部の大規模教会建築において発達した。[[ロマネスク様式]]の大聖堂では、祭壇後部や側廊に複数の礼拝堂を置いて回廊で繋ぎ、おのおのの礼拝堂に聖遺物を安置した。<!--図版がほしい。-->これには聖遺物崇敬の巡礼たちと、普段の礼拝に与る地元の信者共同体の動線を分離する機能があったと考えられている。現代に到るまでカトリックでは、1960年代の[[第2バチカン公会議]]以前は[[司祭]]がひとつの祭壇において共同で[[ミサ]]を行うことができず、それぞれが一人ずつ祭壇でミサを執行することが必要であったため、大規模な教会や修道院においては、複数の祭壇を置く必要が生じ、ために複数の礼拝堂をもつ聖堂や修道院が多く建てられた。
 
==教会外礼拝施設==
礼拝堂は、公共施設、集会場、個人宅などにも置かれることがある。英米系の宣教師が伝えた教派では、このタイプの礼拝堂を指してとくに「'''[[チャペル]]'''」とも呼ぶ(チャペルは元来礼拝堂一般を意味する英語である)。この意味での礼拝堂を設置するには、カトリックや正教会では教会の許可を得る必要があり、さらに[[ミサ]]等を行う許可は、建設のそれとはまた別途に教会より得なければならない。
 
礼拝堂付きの司祭や牧師(チャプレン)が置かれることもある。とりわけ病院・軍隊・港湾設備や空港などの公共施設の礼拝堂では常駐することが多い。
31 ⟶ 29行目:
 
==プロテスタントの礼拝空間==
[[プロテスタント]]は宗教的事物に「聖」を冠することに慎重であり、自派の礼拝施設を[[聖堂]]と呼ばない。そのため、カトリックや東方教会では聖堂と呼ばれる「教会堂の主礼拝空間」を含む、教会内外の全ての礼拝空間を礼拝堂と呼ぶ。したがって、プロテスタントの教会堂(建物としての教会)を、「礼拝堂が容積の大半を占める建築」という意味で礼拝堂と呼んでも、ほぼ差し支えない。用語「聖堂」を用いないことにより結果的に教会内外の礼拝施設を区別する言葉を失ったため、教会外礼拝施設は礼拝堂であることには違いないが、これを単に「礼拝堂」ではなく特に「[[チャペル]]」と呼ぶ。
 
宗教的遺物の聖性を認めず(聖遺物崇敬の否定)、巡礼を宗教的行為ともみなさないため(「聖地」を認めないため単なる観光)、この目的で主礼拝堂の周囲に小礼拝堂を配する必要はないが、年齢層別・言語別などの異なる礼拝の同時進行、あるいは出席規模により使い分けるため、複数の礼拝空間を設けることはある。その場合は、主礼拝区間を「聖堂」と呼んで区別できないため、それぞれ第一礼拝堂、第二- 、あるいは大- 、小- などと区別する。