「亥の子」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Greeneyes3 (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
1行目:
'''亥の子'''(いのこ)は、[[10月 (旧暦)|旧暦10月]]([[亥]]の月)の上の(上[[旬 (単位)|旬]]の、すなわち、最初の)の日のこと、あるいは、その日に行われる[[年中行事]]である。玄猪、亥の子の祝い、亥の子祭りとも。主に[[西日本]]で見られる。行事の内容としては、亥の子餅を作って食べ万病除去・子孫繁栄を祈る、子供たちが地区の家の前で地面を搗(つ)いて回る、などがある
 
主に[[西日本]]で見られる。行事の内容としては、亥の子餅を作って食べ万病除去・子孫繁栄を祈る、子供たちが地区の家の前で地面を搗(つ)いて回る、などがある。
 
== 起源 ==
歴史的には、古代中国で旧暦10月亥の日亥の刻に[[穀類]]を混ぜ込んだ[[餅]]を食べる風習から、それが日本の宮中行事に取り入れられたという説<ref> 「年中行事事典」p59 1958年(昭和33年)5月23日初版発行 [[西角井正慶]]編 東京堂出版</ref>や、古代における朝廷での事件からという伝承もある。この行事は次第に貴族や武士にも広がり、やがて民間の行事としても定着した。農村では丁度刈入れが終わった時期であり、収穫を祝う意味でも行われる。また、地面を搗くのは、田の神を天(あるいは山)に返すためと伝える地方もある。[[イノシシ|猪]]の多産にあやかるという面もあり、またこの日に[[炬燵]]等の準備をすると、火災を逃れるともされる。
 
7 ⟶ 10行目:
 
=== 亥の子餅 ===
{{main|亥の子餅}}
 
旧暦10月亥の日亥の刻に食べる。餅は普通のものや茹で[[小豆]]をまぶした物などが作られるが、猪肉を表した特別なものが用意されることもある。
 
詳細は、[[亥の子餅]]を参照。
 
=== 亥の子石 ===
[[ファイル:Inoko_ishi.jpg|thumb|right|200px|亥の子石]]
旧暦10月の亥の日の夕方から翌朝早朝にかけて、地区の子供たち(男子のみの場合もある)が集まり一軒一軒を巡って、歌を歌いながら平たく丸いもしくは球形の石に繋いだ縄を引き、石を上下させて地面を搗く。石の重さも1kg~10kg程度と地方により異なる。地方によって歌の内容は異なるが、亥の子のための歌が使用される。歌詞は縁起をかつぐ内容が多いが例外もある。子供たちが石を搗くとその家では、餅や菓子、小遣いなどを振舞う。振る舞いの無い家では悪態をつく内容の歌を歌われることもある。石のほか[[藁]]鉄砲(藁束を硬く縛ったもの)を使う地方もある。藁鉄砲を使う事例により、東日本における[[10月10日 (旧暦)|旧暦10月10日]]に行われる同様の行事、[[十日夜]](とおかんや)との類似性が指摘できる。
 
石を搗いた後は各家庭の庭先に石の形に半球の穴がのこり、大きいほど喜ばれた。またその風景が初冬の風物詩であったが、近年はコンクリートなどで舗装している場合がほとんどで、小さな畳を持ち運びその上で搗いたり、空中で搗く動作だけを行ったり、引き合うことでこすったりする地方もある。
 
なお、昭和40年代に、この時期になると準備や亥の子歌の練習に夢中になり、宿題や勉強がおろそかになることなどから、学校が亥の子行事を禁止し廃れてしまった地域もある。
 
また、「公民館行事」として保護奨励され未だ興隆している地域(愛媛県[[宇和島]]市吉田町など)もある。
 
=== 亥の子の歌の実例 ===
==== 山口県 ====
{{quotation|
343 ⟶ 348行目:
}}
 
=== 脚注こたつ ===
[[こたつ]]を出す日とされる。
<references />
 
== 季語 ==
冬の[[季語]]。
 
== 脚注 ==
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
356 ⟶ 366行目:
[[Category:農耕神]]
[[Category:日本の民間信仰]]
[[Category:旧暦10月]]
 
[[ko:이노코]]