「名古屋立てこもり放火事件」の版間の差分

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'''名古屋立てこもり放火事件'''(なごやたてこもりほうかじけん)は、[[2003年]]に[[愛知県]][[名古屋市]][[東区 (名古屋市)|東区]]で起こった事件。
 
== 概要 ==
2003年[[9月16日]]、運送会社「[[軽急便]]」の賃金不払いに抗議した男性(当時52歳)が、[[愛知県]][[名古屋市]][[東区 (名古屋市)|東区]]の[[大曽根駅]]前の[[第一生命保険|第一生命]]大曽根駅前ビルにある本社・名古屋支店に侵入。男性は店内に[[ガソリン]]を撒き、支店長(当時41歳)を人質として支店内に立てこもり、3ヶ月分の賃金21万円を要求した。
 
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<!-- ”また、[[愛知県警察]]の[[特殊急襲部隊|特殊部隊]](SAT) も出動していたが、出動人員は少数であり”出動に関する出典が明らかになるまで、コメントアウトした方が良いと思います。-->だが、現場の室内には揮発したガソリンが充満していたため、犯人の制圧に銃器や[[手榴弾|閃光弾]]を使用することができなかった<ref>これを教訓として、警察の[[特殊捜査班#県警察の突入班|突入班]]に、制圧用装備([[インパルス消火システム|高圧放水器]])が配備されたと言われる。</ref>
 
警察はさらに犯人の説得を続けたが、最終的に犯人は[[ライター]]でガソリンに火をつけ自爆した<ref>「自爆」ではなく、脅しとして持っていたライターが気化したガソリンに引火した「事故」であるという見方もある。この事件以前には、室内でガソリンの入った容器を開けた状態にするなど、ガソリンが揮発しガスが充満するぐらいの密閉を保った状態を作ると、わずかな[[火花]]でも引火して爆発することがありうることが世間一般にはあまり知られていなかった。このようにガソリンは揮発性・引火性が極めて高いので、取り扱いに当たっては火気はもちろんのこと[[静電気]]をためないように十分注意する必要がある。</ref>。この結果、犯人と人質の支店長が死亡し、犯人を制圧・逮捕するため現場で待機していた愛知県警察の[[機動捜査隊]]隊員(当時31歳 [[巡査長]])が[[殉職]]した。また警察官3名が重傷を負い、警察官・消防隊員・マスコミ・通行人ら38名が爆発時に飛散したガラス片等で軽傷を負った。
 
この事件をNHKや民放各局は[[報道特別番組]]として生中継した。特に[[Japan News Network|TBS系列]]と[[フジニュースネットワーク|フジテレビ系列]]は事件発生時、[[在名テレビジョン放送局|在名局]]発の番組([[キッズ・ウォー]][[貫太ですッ!]])放送中であったが、番組開始から数分で番組を中断、ニューススタジオに切り替え生中継を開始。このため爆発の瞬間が中継された。
 
事件の背景には、この会社を含む、宅配委託業界のよからぬ体質があると言われている<ref>「[http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-09-21/15_01.html 軽急便 月収30~50万円と宣伝したのに 仕事が来ない 車買わされ解約もダメ]」『しんぶん赤旗』2003年9月21日</ref>。事業主を募り、[[軽トラック]]を売って運送業を委託するが、実態は[[個人事業主]]扱いで、トラックを買わされた後「顧客開拓は自助努力」と突き放されるため、「軽貨物商法」と言われ、[[悪徳商法]]ではないかとの評もあった。3ヶ月分の賃金21万円という要求額からもその事は推察できる。