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* [[2007年]][[9月3日]] [[ブラジル]]政府(環境再生可能天然資源院)の依頼を受け、南米[[アマゾン川]]流域の違法伐採による[[森林破壊]]を監視する体制がスタートした<ref>[http://www.sapc.jaxa.jp/use/case-study/area/amazon.html アマゾンの森林伐採監視]衛星利用推進サイト(宇宙航空研究開発機構ホームページ)</ref>。犯行現場を迅速に抑えるため、通常は3ヵ月後に配信されるPALSARによる撮影画像が、10日以内にブラジルの研究機関へ配信されるようになる。
* [[2008年]][[4月]]から、[[青森県]]・[[岩手県]]・[[秋田県]]の[[不法投棄]]を[[監視]]する体制がスタートする予定である。日本で初めてのもので、[[画像]][[解析]]は[[岩手大学]]により行われる。
* [[2008年]][[1月8日]] 画像データが、予想以上の誤差やノイズ(乱れ)の影響で、基本図を単独で作るには精度不足であることが明らかになった。一因としては衛星の制御が困難で誤差5メートル以下の基準に達しなかったことがあるが、これは修復可能である。最大の原因は地上の様子の複雑さの見積もりの甘さで圧縮データを完全に戻すことが出来ず、ノイズが大量に発生したため。(<ref>2008年1月9日 読売新聞)</ref>
* [[2008年]][[1月16日]] 文部科学省宇宙開発委員会において、高さ方向の誤差はデータの蓄積により、画像ノイズは[[国土地理院]]と共同で新規開発したノイズ軽減ソフトウェアを用いることにより、それぞれ改善できると発表した。2008年4月の発表によると、1月の時点で高さ方向の誤差は地上基準点を用いて5m以下を達成しており、画像ノイズについても国土地理院の研究に基づいた[[ブロックノイズ]]低減ソフトウェアを3月からJAXA地上設備に適用しているという。これを受けて国土地理院は、2月26日に、それまで地形の経年変化や平地の建物の形状修正等に限定されていただいちによる画像を、等高線を引く作業に適用する許可を各部署に伝達した。これにより、地形図の迅速な修正にだいちの画像が使用されることになった。<ref>[http://www.jaxa.jp/press/2008/04/20080409_sac_daichi_j.html 陸域観測技術衛星「だいち」データの地図への利用に関する改善状況について] (国土地理院 / JAXA 2008年4月)</ref>
*[[2010年]][[1月4日]]、[[パキスタン]]の[[フンザ]]渓谷にて[[地すべり]]による[[天然ダム]]([[アッタバード湖]])が形成された。宇宙航空研究開発機構は、だいちが同年5月30日の画像の分析から、ダム湖の規模を推測した<ref>[http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/img_up/jdis_av2_pakflood_100530.htm 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるパキスタン・フンザ川の土砂崩れにともなう堰止湖の緊急観測結果(JAXAホームページ)]</ref>。
*[[2010年]][[1月19日]]、宇宙航空研究開発機構(JAXA) は、陸域観測技術衛星「だいち」が[[ハイチ地震 (2010年)|ハイチ地震]]による[[地殻変動]]を捕らえたと発表した。震源の西側にある海岸付近が少なくとも35センチメートル東へ動いたことが分かったという。<ref>[http://web.archive.org/web/20100118084854/http://mainichi.jp/select/today/news/20100115k0000e030019000c.html ハイチ大地震:衛星写真を公開  JAXA]  2010年1月15日  毎日新聞</ref>
*[[2011年]][[3月11日]]、[[東北地方太平洋沖地震]]を受け緊急観測を行い400シーンを撮影し10府省・機関へ情報を提供した。これまでだいちは海外へ情報を提供してきたことから、そのお返しとして海外から5000シーンの情報が提供された。
*[[2011年]][[4月22日]]、午前7時30分頃、発生電力の急低下とともに、セーフホールドモードに移行し、搭載観測機器の電源がオフ状態、全機能停止となっていることが「[[こだま (人工衛星)|こだま]]」による中継データから判明した<ref>[http://www.jaxa.jp/press/2011/04/20110422_daichi_j.html 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)(ALOS)の電力異常について] (JAXA 2011年4月22日)</ref>。制御不能となったため、50年以上後には大気圏突入、消滅が見込まれている<ref>[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/016/gijiroku/1306411.htm 平成23年宇宙開発委員会(第15回) 議事録] 文部科学省 2011年5月18日</ref>。
*2011年4月23日以降は[[テレメトリ]]が受信できなくなる。その後も太陽電池による発電を期待して復旧が試みられ、同年5月中旬まで運用が続けられる予定<ref>{{cite web|url=http://www.jaxa.jp/press/2011/04/20110427_sac_daichi_j.html|title=陸域観測技術衛星「だいち」の電力異常について|publisher=JAXA|date=2011-04-27|accessdate=2011-04-29}}</ref>。
*2011年[[5月12日]]、午前10時50分、バッテリー停止命令送信。運用終了<ref>{{cite web|url=http://www.jaxa.jp/press/2011/05/20110512_daichi_j.html|title=陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)(ALOS)の運用終了について|publisher=JAXA|date=2011-05-12|accessdate=2011-05-12}}</ref>。
*2011年[[10月18日]]、[[海上保安庁]]が海氷衛星画像提供への感謝の気持ちとして、だいちに対してレーザー光線を伝達した<ref>{{cite web|url=http://www.sapc.jaxa.jp/topics/2011/news1020.html|title=海上保安庁から「だいち」(ALOS)へラストメッセージとしてレーザー光線が伝達されました|publisher=JAXA|date=2011-10-20|accessdate=2011-10-31}}</ref>。
 
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しかし2008年12月の宇宙開発委員会や、総合科学技術会議、宇宙開発戦略本部において、災害監視衛星システムSAR衛星は災害監視に特化せずより幅広い用途に活用すべきとの指摘を受けた。もとより災害監視衛星システムSAR衛星は、だいちと同等以上の能力を有する衛星システムであり、宇宙開発委員会でも衛星の開発方針そのものは妥当と判断された。これらのことから、JAXAは災害監視衛星システムSAR衛星の名称を'''陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)'''、または'''だいち2号'''に変更することを宇宙開発委員会に報告した。
 
2009年11月2日に開催された宇宙開発委員会推進部会で、JAXAより開発フェーズに移行するに当たっての報告が行われ、同年12月10日に開催された宇宙開発委員会推進部会において「開発」フェーズへの移行が妥当と判断された<ref>[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/013/002/gijiroku/1289747.htm 推進部会(平成21年)(第7回)議事録](宇宙開発委員会 推進部会 2009年12月10日)</ref>。だいち2号に搭載するセンサは、だいちに搭載したPALSARの後継となるPALSAR-2で、分解能や撮影頻度が向上している。だいち2号はレーダー衛星なので夜間でも画像を確認できるほか、海上における船舶の識別も可能。JAXAは[[尖閣諸島]]など領土の領有権を巡る問題への対応利用も視野に入れているとしている<ref>{{cite news|url=http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/221001055.html|title=「尖閣監視強化だ」中国が日本衛星打ち上げに反発|publisher=テレビ朝日|date=2012-10-01|accessdate=2012-10-02|archiveurl=http://web.archive.org/web/20121004032532/http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/221001055.html|archivedate=2012-10-4}}</ref>。打ち上げは2013年度を予定している。
 
;性能<ref name="ALOS後継">[http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/rikukai/091002/siryou1-2.pdf 「だいち」後継機の概要](JAXA 2009年10月2日)</ref>
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=== 光学衛星「だいち3号」 ===
2010年2月現在、光学衛星の'''陸域観測技術衛星3号(ALOS-3)'''、または'''だいち3号'''の「研究」フェーズが進行中である<ref>[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/015/gijiroku/1293950.htm 平成22年宇宙開発委員会(第7回)議事録] 平成22年2月17日</ref>。4バンドの観測ができるマルチスペクトルセンサーに加えて、185バンドを観測できるハイパースペクトルセンサーを搭載する。2つのセンサーは同期が可能で、合わせてHISUI(HyperspectralHISUI(Hyperspectral Imager SUIte)SUIte)と命名されていいる。 これにより地表の属性をより詳細に観測できるようになり、[[石油]]資源探査、[[植生]]の分布の観測や農作物収穫量予想、[[バイオマス]]や工業排水観測、積雪状態の観測等をより詳細に行うことがようになる。打ち上げは2016年度を予定している。
 
;性能<ref name="ALOS後継"/>
* パンクロマチックセンサー - 分解能80cm 、観測幅50km
* ハイパー・マルチセンサー (HISUI)(HISUI)
**マルチスペクトルセンサー - 分解能5m、観測幅90km
**ハイパースペクトル センサー - 分解能30m、観測幅30km
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== 関連項目 ==
* [[宇宙航空研究開発機構]](JAXA)(JAXA)
* [[人工衛星]]
* [[ふよう1号]]
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== 外部リンク ==
* [http://www.jaxa.jp/ 宇宙航空研究開発機構]
** [http://www.jaxa.jp/press/2008/07/20080701_sac_daichi_j.html 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)(ALOS)の成果 ~宇宙利用の拡大に向けて~] (JAXA, 2008年7月)
** [http://alos.jaxa.jp/index_old.html 陸域観測技術衛星ALOS(ALOS(エイロス)]
** [http://www.jaxa.jp/projects/sat/alos2/index_j.html 陸域観測技術衛星2号「ALOS-2」]
* [http://nssdc.gsfc.nasa.gov/database/MasterCatalog?sc=2006-002A NSSDC Master Catalog Display]