「不時着時の姿勢」の版間の差分

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[[客室乗務員]]は乗務員用の補助席に座っているため、不時着時の姿勢も上記とは若干異なる。現在のところ客室乗務員向けの姿勢の研究はほとんどないが、各航空会社ともほぼ同様の姿勢を採用している。
 
客室乗務員が進行方向後ろ向きに座っている場合には、頭と背中をしっかりと座面に固定し、膝と足を揃えて足は航空会社によって膝よりやや前か後ろに持ってくる。後ろに持ってくる場合は"toes to tail(つま先を尻尾へ)"と呼ばれる。ヨーロッパ系の航空会社においては、手は重ねて頭の後部を抱えるようにし、肘をくっつける。この時腕で耳を隠してしまわないようにする。こうすることで顔への飛来物を腕で防ぐことができ、且つ機内を見渡せ、何か指示があった場合に聞き取ることができる。一方、米国のFAA(Federal Aviation Administration, 連邦航空局)の調査では、後ろ手に組むと首や脊椎に余分な負担をかけてしまうことが明らかになった。<ref>[http://www.unitedafa.org/cmt/shs/trn/pdf/brace.pdf]{{dead linkリンク切れ|date=January 2011}}</ref>これを受け米国の航空会社では乗務員に手のひらを床面に向けて座面に置き、その上に座るように指導することが多い。この他にも手で膝を握る方法や一方の腕でもう一方の腕を抱え込むようにする方法もある。
 
進行方向前向きの座席の場合にも基本的には後ろ向きのときと同じ姿勢をとることになるが、足は膝より後ろに持ってゆき、航空会社によっては顎を首に近づけて(機長に敬礼するような格好)むち打ち症を防ぐようにしている。
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==乳幼児==
乳幼児を膝に抱えている場合は、一般にできる限り前述の姿勢に近い姿勢をとるようにした上で、子供の頭を保護するようにして抱えるのがよいとされる。英国では乳幼児用の専用ベルトをつけるようにしている。このベルトは、保護者のベルトに取り付けるようになっている。一方米国ではFAAの規定で専用ベルトの使用は認められていない。これはベルトによってかえって乳幼児が怪我を負う可能性を高まってしまうと考えられているためである。<ref>{{cite web|url=http://www.buckleupnc.org/using_other_airplanes.cfm |title=buckleupnc.org |publisher=buckleupnc.org |date=2008-06-05 |accessdate=2011-01-21}}</ref><ref>[http://www.casa.gov.au/fsa/2006/aug/44-45.pdf]{{dead linkリンク切れ|date=January 2011}}</ref>民間航空の草創期には乳幼児を壁際の床に寝かせるのが緊急着陸用の姿勢とされていた。この姿勢では乳幼児を保護できないため今日では採用されていない。乳幼児向けの最も安全な緊急着陸用の姿勢は公認の乳幼児用座席に座らせることである。
 
==よくある誤解==
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例えば緊急着陸用の姿勢は、墜落したときに歯を保護し、身元の確認が取りやすいようにするためというものがある。この他、緊急着陸用の姿勢は乗客の死亡率を上げ、保険会社が、乗客の生存した場合の医療費を回避できるようにするためのものであるといものもある。実際には緊急着陸時の姿勢をとることで生存率が高まることが実証されている。飛行機が木にぶつかる寸前に、乗客の一人が異変に気づき緊急着陸時の姿勢をとったため助かったという事例がある。他の乗客が全員眠りについている際の出来事で、睡眠中だった乗客は全員死亡している。<ref>{{cite web|url=http://www.casa.gov.au/airsafe/trip/emergen.htm |title=In an emergency |publisher=Australian Government, Civil Aviation Safety Authority |accessdate=2011-01-21}}</ref> [[スカンジナビア航空751便墜落事故]]では、乗客全員が緊急着陸時用の姿勢をとっていたため助かったといわれている。<ref>{{cite web|url=http://www.warman.demon.co.uk/anna/brace.htm |title=Brace |publisher=Warman.demon.co.uk |accessdate=2011-01-21}}</ref>
 
2009年1月15日に起きたUSエアウェイ1549便のいわゆる[[ハドソン川の奇跡]]ではハドソン川に緊急着陸するまで三分もなかったため、<ref>{{cite news|url=http://www.cnn.com/2009/US/01/15/new.york.plane.crash/ |title=Airplane crash-lands into Hudson River; all aboard reported safe |publisher=CNN.com |date=2009-01-15 |accessdate=2011-01-21}}</ref>機長は「衝撃に備えて下さい(Brace for Impact.)」と指示しただけにとどまる一方、客室乗務員は「身構えて! 身構えて! 顔を下げて! 席を立たないで! (Brace! Brace! Heads down! Stay down!)」と繰り返した。<ref>[http://www.usatoday.com/news/nation/2009-10-12-miracle_N.htmand ]{{dead linkリンク切れ|date=January 2011}}</ref>このため乗員・乗客155人は特に重傷を負わずに済んだ。
 
==安全のしおり==