「松井秀喜」の版間の差分

=== 打撃 ===
[[ファイル:Hideki Matsui in USA-2.jpg|thumb|スイングする松井(2008年)]]
巨人時代は日本球界を代表する長距離打者で、日本時代の10年間で332本塁打を放った。メジャー移籍後は勝負強さが魅力の中距離打者として活躍した。比較的、得点との相関関係が強いとされ、MLBなどで公式記録に採用されている[[OPS]]では、イチローを始め、数々の名打者の数字を上回っている
 
日本時代の松井について、[[古田敦也]]は「並外れたパワーだけではなく、優れた打撃技術にその凄さがある」と語っている。古田によると、松井は比較的外めの球でも右方向へ引っ張る技術に長けており、どんなコースでも打球を前で捉えることが出来る打者だという<ref>2009年11月8日放送,[[テレビ朝日]]「速報スポーツLIVE」より</ref>。日本時代は狭い[[東京ドーム]]を本拠地にしていたが、広い[[ナゴヤドーム]]や[[甲子園球場]]でも本塁打を量産していた<ref>[http://tokyo.cool.ne.jp/matsui_55/index.files/matsui_date.shtml -進化する怪物-松井秀喜]</ref>。
メジャー2年目以降は、日本時代のようにボールを前で捉えるのではなく、出来るだけ体に近付けてから確実にバットの芯で捉えるスタイルへと切り替えた。また、ウェートトレーニングなどでも左手を重点的に鍛え、左手で箸を持つなどの努力を重ねた<ref name="number"></ref>。外角のボールに対しては、「打てないボールは、打たなくていい」と割り切ると共に、レフト側に強く打ち返すという気持ちを持つことで、次第に克服していった<ref name="fd" />。こうしてメジャーに適応していった松井だが、ボールを体に近付けてから打つスタイルに変えたことで飛距離が出にくくなり、日本時代のような圧倒的な本塁打数を記録することはなくなった。本塁打よりも、最もチームの勝利に直結する[[打点]]にこだわるようになり、メジャー在籍9年間で4度も100打点以上を記録している。元MLBのコラムニスト、ラリー・ロッカは「松井はゲームに勝つために必要なさまざまな武器をもっている。それはホームランを40本打つよりも重要なことだ」と評価している<ref name="z">[http://web.archive.org/web/20061117135438/http://www.zakzak.co.jp/spo/2006_10/s2006102310.html 4番・松井で常勝軍団へ【Godzilla SOS】FOXテレビが来季予想オーダー、3番ジーターとで最適] [[ZAKZAK]](2006年10月23日)</ref>。
 
それでも、松井はシーズン20本塁打以上を記録(5度)した唯一の日本人選手である<ref>松井以外での最高は[[井口資仁]]、[[城島健司]]の18本塁打。</ref>。2004年には、現時点でアジア人唯一の大台到達となる31本塁打を放ち、翌2005年は打率、本塁打、打点の三部門全てで日本人トップの成績だった。2011年終了時点でメジャー通算173本塁打を放っている。度々本塁打へのこだわりを滲ませる発言もしており<ref>[http://replay.waybackmachine.org/20090604181650/http://www.hokkoku.co.jp/_today/godzilla/tsuusin/godzilla20031108.htm 松井通信 2003年11月8日 本塁打、米で「王」目指す 【ゴジラが見た大リーグ・5】] 北國新聞</ref>、2009年開幕前には、打率よりも本塁打にこだわる本来の姿に戻ることを明言した<ref>[http://replay.waybackmachine.org/20100825072036/http://hochi.yomiuri.co.jp/feature/baseball/matsui/news/20090126-OHT1T00105.htm 松井、ホームラン量産宣言] [[スポーツ報知]](2009年1月26日)</ref>。同年は本塁打にこだわる姿勢に戻り、メジャー7年目にして16.3打数に1本という自己最高の本塁打率(リーグ7位)を記録し、プレーオフでも4本塁打を放つ活躍を見せた。これは、メジャー在籍期間が長くなり、メジャーの投手が投げる球の軌道にも慣れ、再び体の前でボールを捉えることが出来るようになってきたからだという<ref name="get" />。しかし、[[ヤンキース退団後の2010年]]、エンゼルス時代に打ったシーズン21本塁打はMLBにおける日本人歴代5位の記録であり(1位~4位もすべて松井自身)、いまだに他の日本人が20本の壁を越えることは出来ていない。このようにヤンキース退団後も、他の日本人上の活躍を見せたが、その活躍が日本のマスコミに取り上げられることが少なかったため、引退後の報道においても、ヤンキース退団後のことが話題に挙がること少ない。MLBにおける松井を振り返るとき、ワールドシリーズMVPのことが語られがちであり、確かにワールドシリーズに進出するような強豪チームの主軸として試合に出続けた上で再びさらにワールドシリーズ本番で最も活躍した上でチームを勝たせるということは、高い実力と運が必要であり、今後、しばらくは他の日本人が成し遂げられることではない。しかし、数多くの日本人プレーヤーがメジャーに挑戦する中、いまだにシーズン20本塁打以上の記録を出した日本人減少松井1人かいない状況にあっ、2004年に松井が記録したシーズン31本塁打という記録は、同じく今後しばらくは他の日本人が到達することのできな記録であると言える。
 
ヤンキース時代は、左打者にホームランが出やすい[[ヤンキー・スタジアム]]を本拠地としていたが、球場に関係なく本塁打を放っていた。2009年は28本塁打のうちヤンキー・スタジアムで放ったのは半分以下の13本塁打で、残りの15本塁打はビジターで放った<ref name="2009splits">[http://www.baseball-reference.com/players/split.cgi?n1=matsuhi01&year=2009&t=b Hideki Matsui 2009 Batting Splits - Baseball-Reference.com]</ref>。前述のように、右投左打の打者であることから「どうしても左手が弱い」と自己分析しており<ref name="fd" />、左方向へ流し打つ打球はあまり伸びがない。ヤンキース時代7年間で放った140本塁打のうち、左方向への本塁打は10本にも達しない<ref>[http://www.sanspo.com/mlb/news/091101/mla0911011800009-n1.htm 松井秀、左への一発に「不思議な感じ」],SANSPO.COM,2009/11/01</ref>。不調時には打球が上がらずに、内野ゴロが増える傾向にある。日本時代の2001年や2002年の前半も打球が上がらずに苦しんだ経験がある。最新の[[セイバーメトリクス]]などを扱う米国の大手記録サイトFangraphs [http://www.fangraphs.com/statss.aspx?playerid=1659&position=DH/OF] によれば、シンキングファストボールに苦しんだ[[2003年]]のGB/FB(全ゴロ数÷全フライ数)は2.30に達し、全打球に占めるゴロの割合は54.7%に達した。一方で、フライの割合は23.8%に過ぎなかった。これはゴロが多いことで知られる[[イチロー]]とほぼ同じ数字であった。しかし、メジャーに対応した翌年からは打球が上がることが多くなりフライ性の割合が増え、GB/FBも0.89〜1.36の範囲で推移している。
 
打率についても日本時代の通算[[打率]]は3割を超え、2001年には[[首位打者 (日本プロ野球)|首位打者]]のタイトルも獲得している。メジャーでも2005年に打率.305を記録、この年はイチローの打率を上回った。それ以外の年も2008年までは3割前後の打率を残している。[[選球眼]]に優れており、打席ではしっかりとボールを見極め、無闇に早打ちはしない。早いカウントでのボール球に手を出すことは少なく、2ストライクに追い込まれても簡単にはあきらめない<ref name="s10">田口有史 「松井秀喜[ヤンキース#55] 打撃はまだまだ衰えていない?」 『月刊スラッガー』2009年10月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-10、56-57頁。</ref>。三振の数もあまり多くない。「全ての打者に共通するのは打率」という意識を持っており、本塁打数よりも打率を調子・相性の判断基準にしている<ref>[[すぽると!]]でのインタビューより</ref><ref>[http://s04.megalodon.jp/2009-0818-0228-43/www.sanspo.com/mlb/news/090713/mla0907130504000-n1.htm GODZILLA in USA(2009年7月13日)] SANSPO.COM, 2009年8月18日閲覧</ref>。特に苦手としているコースが無いことも安定した打率を残せる要因であったが、2009年は外角球の打率が大幅に低下し、ヒットゾーンが限られたコースに狭まった<ref name="s10" />。また、引っ張る打球の率が上昇し、いわゆるプルヒッターとなった。そのため、夏場以降は相手チームから右方向への打球に備えた守備シフトを敷かれるようになった<ref>[http://s02.megalodon.jp/2009-0901-0053-55/www.daily.co.jp/mlb/godzilla_topics/2009/08/31/0002295016.shtml 松井秀4タコ“秀喜シフト”にやられた] デイリースポーツonline 2009年8月31日, 2009年9月1日閲覧</ref>。2009年はそれまで得意にしてきた速球に対する成績も低下し、外角球への対応と併せて打率低下の要因になったと見られている<ref name="s10" />。
 
基本的にスロースターターであり、4月、5月は低打率に苦しむことも珍しくないが、後半戦には調子を上げてくる。メジャーでの通算成績も、4月、5月の[[OPS (野球)|OPS]]は7割台であり、6月以降は8割を超えている。特に、7月は通算[[打率]].309、OPS.916と得意にしている<ref name="careersplits">[http://www.baseball-reference.com/players/split.cgi?id=matsuhi01&year=Career&t=b Hideki Matsui Career Batting Splits]. Baseball-Reference.com(英語). 2011年10月23日閲覧</ref>。