「二酸化ケイ素」の版間の差分

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二酸化ケイ素の結晶多形の中で代表的なものとして、[[石英]]({{lang-en-short|[[w:quartz|quartz]]}}、水晶)、[[鱗珪石]]({{lang-en-short|[[w:tridymite|tridymite]]}}、トリディマイト)、[[クリストバライト]]({{lang-en-short|[[w:cristobalite|cristobalite]]}})、[[コーサイト]]({{lang-en-short|[[w:coesite|coesite]]}})、 [[スティショバイト]]({{lang-en-short|[[w:stishovite|stishovite]]}})、[[ザイフェルト石]]({{lang-en-short|[[w:Seifertite|Seifertite]]}})、[[衝撃石英]]({{lang-en-short|[[w:Shocked quartz|Shocked quartz]]}})などがある。
 
温度と[[圧力]]を変化させた場合の[[シリカ鉱物]](SiO<sub>2</sub>)の安定関係が次第に明らかになってきた。常温常圧下ではα石英が安定だが、573度でβ石英に転移する。さらに温度を上げると、870度で[[トリディマイト]]、さらに[[クリストバライト]]となり、融解に到る。温度ではなく圧力を上げていくと、500度から800度の場合は、3.5GPaで[[コーサイト]](1953年に合成)に、10GPaでスティショバイト(1961年に合成)に転移することが分かった。
 
ケイ素原子は非常な高圧下では6個の酸素原子が配位した[[八面体]]構造をとることもある。1961年にソ連のS.M.StishovとS.V.Popovaが1200℃、160k[[バール (単位)|bar]]という条件下で人工的な合成に成功したスティショバイトである。これは[[隕石]]が地表に衝突した際にも生成する。例えば、[[バリンジャー・クレーター|バリンジャー隕石孔]]から発見されている。遷移層から下部[[マントル]]程度の高圧条件下ではシリカは[[スティショバイト]]構造をとると考えられている<ref>Funamori, N.; Jeanloz, R.; Miyajima N.; Fujino K. (2000). "Mineral assemblages of basalt in the lower mantle". ''J. Geophs. Res. - Solid Earth'' '''105''' (B11): 26037–26043. [http://cat.inist.fr/?aModele=afficheN&cpsidt=826355 要旨]</ref><ref>参考: http://www.geo.arizona.edu/xtal/geos306/fall06-11.htm, http://www.esc.cam.ac.uk/~gbro04/SZ%20processes.html, http://www.suken.co.jp/subject/rika/sc_net/25/Sc25_3.pdf</ref><ref>八木健彦、近藤忠、宮島延吉、亀卦川卓美、"下部マントル深部条件下における高温高圧X線回折実験" , ''PHOTON FACTORY NEWS'' Vol.20 No.3 NOV. 2002 [http://pfwww.kek.jp/publications/pfnews/20_3/yagiweb.pdf PDF]</ref>。<!-- さらに計算と[[ラマンスペクトル]]の比較に基づき、ルチル型のステショバイトから CaCl<sub>2</sub>型 の構造に変化するとも予測されている<ref>Kingma, K. J.; Cohen, R. E.; Hemley, R. J.; Mao, H.-K. (1995). "Transformation of stishovite to a denser phase at lower-mantle pressures". ''Nature'' '''374''': 243–245. {{doi|10.1038/374243a0}}</ref>。 -->
 
==利用==
[[電球]]の内側に、眩しさを防ぎ光を拡散させる目的で[[塗料]]として塗られる。また、無機[[ガラス]]の主成分である。[[タイヤ]]のゴムに、[[補強充填剤]]としてシリカが配合される。
 
また、「無水ケイ酸」などと呼ばれ[[食品添加物]]や[[化粧品]]などに用いられる。これについては[[シリカ#食品添加物としての利用]]および[[シリカ#化粧品・医薬品への添加]]を参照のこと。