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製作期間の後半はコッポラ本人が『[[ゴッドファーザー PART II]]』の撮影準備で忙しかったので、映画の音響を担当した[[ウォルター・マーチ]]が編集作業にも携わることになった。映画のエンディングを現在の形にするようにコッポラに助言したのは、マーチであったとされる。マーチの映画製作における貢献は絶大であり、映画評論家の[[ピーター・コーウィー]]は、彼のことを本作品の共同製作者とまで呼んでいる<ref>Cowie p. 87</ref>。映画撮影は[[1973年]]の3月に終わり、それから1年以上の編集期間を経て、[[1974年]][[4月7日]]に公開された。
 
=== 公開 ===
=== 興行収入 ===
本作品の制作費は180万ドルと、当時の[[ハリウッド]]製大作映画と比べて控えめなものであったが、興行成績が振るわず結局制作費を回収することは出来なかった<ref>Lillian Loss (1982). ''Some Figures on a Fantasy: Francis Coppola''.</ref>。興行的には今ひとつだったものの、批評家たちは本作品を完成度の高い[[スリラー]]として賞賛、コッポラの監督としての評価を更に高めることになった。コッポラも後にインタビューで、本作品のことを彼のキャリアの中で最も好きな映画だと述べている。その理由は、本作品が『ゴッドファーザー』や『[[地獄の黙示録]]』といった原作付きの映画と違い、コッポラ自身が書き上げた脚本に基づいた個人的なものだからだという<ref>Gene D. Phillips (1989). ''Francis Ford Coppola Interviewed''.</ref>。
 
=== 評価 ===
『カンバセーション…盗聴…』は、その興行的失敗にも関わらず、多くの批評家たちから優れた[[サスペンス映画]]だとして賞賛された。公開当時、[[タイム (雑誌)|タイム]]や[[ニューズウィーク]]、[[ニューヨーク・タイムズ]]といった権威あるマスコミが本作品について好意的なレビューを掲載した。特に[[バラエティ (アメリカ合衆国の雑誌)|バラエティ]]誌の批評家は本作品のことを、「現時点におけるコッポラのもっとも完璧で、もっとも自信に満ち溢れ、もっとも価値の有る映画」であると絶賛した<ref>Cowie p. 88</ref>。それらの好意的な評価の反面、ジョン・サイモンのようにこの映画を批判する者も居た。辛口な批評家として知られるサイモンは、[[エスクァイア]]誌に掲載したレビューで、作中で盗聴のエキスパートとして描写されている主人公が、何度も見え透いた罠に嵌るという本作品の筋書きを、不自然でありそうもないことだと指摘した<ref>Schumacher p. 172</ref>。
 
ピーター・コーウィーは、その著書『Coppola』のなかで、「コッポラの製作した作品の中で、この作品ほど熱情が込められた作品は無い」と評価した。コーウィーはまた、映画のラストシーンで自室に仕掛けられた盗聴器を発見するために部屋中を徹底的に破壊したハリーが、おそらくその中に盗聴器が仕掛けられていると疑いながらもサクソフォンだけを破壊しなかったのは、彼がその楽器の醸しだす音楽に夢と希望、罪の許しを求めていたからであると述べた<ref>Cowie p. 96</ref>。
 
[[ロジャー・イーバート]]は『[[シカゴ・サンタイムズ]]』に掲載したレビューで、本作品のことを「簡潔にまとまった知的なスリラー」であると賞賛した。作品のモチーフについてイーバートは、主人公ハリー・コールの、「基本的に悪人ではなく、自らの仕事を遂行しようとしているが、その仕事に起因する罪悪感と悪評に苛まされる」姿は、[[ウォーターゲート事件]]や[[ベトナム戦争]]が齎した後遺症に苦しむ当時の[[アメリカ合衆国]]の縮図であると指摘している<ref name="Ebert">Roger Ebert、“[http://rogerebert.suntimes.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20010204/REVIEWS08/102040301/1023 Great Movies - The Conversation]”、2001年2月4日。(参照:2009年1月31日)</ref>。
 
[[1995年]]には[[アメリカ国立フィルム登録簿]]に登録された。
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