「バリオン」の版間の差分

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→‎u・d・sからなるバリオン: File:Baryon decuplet.svg
見易さから やめておく
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なお医療分野においては、(相対的な表現ではあるが)陽子より大きな質量を持った原子核からなるイオン線を重粒子線と呼んでいる。その重粒子と、この項で述べられているバリオンは違うので注意が必要である。粒子物理学者がバリオンのことを重粒子と和訳で呼ぶことは現在ではほとんどなく、英語名のままバリオンと呼んでいる。
 
== バリオンの種類 ==
バリオンは、構成するクォークの組合せのほか、[[アイソスピン]] ''I'' 、アイソスピンのz成分 ''I''<sub>z</sub>、[[全角運動量]]の[[パリティ]]成分 ''J''<sup>P</sup> などの[[量子数]]で区別される。なお、クォークの[[色荷|色]]は[[グルーオン]]の交換により頻繁に交代するため、個々のクォークの色ではバリオンを区別できない。
 
=== u・d・sからなるバリオン ===
[[File:BaryonOcteto octetbariônico.svgpng|thumb|バリオン8重項。Qは[[電荷]]、Sは[[ストレンジネス]]。]]
[[File:BaryonDecupleto decupletbariônico.svgpng|thumb|バリオン10重項。]]
 
[[アップクォーク]]、[[ダウンクォーク]]、[[ストレンジクォーク]]からなるバリオンは18種類あり、''J''<sup>P</sup> = 1/2 のバリオン8重項と ''J''<sup>P</sup> = 3/2 のバリオン10重項に分類される。それらは、最も軽い[[核子]] N ([[陽子]] p と[[中性子]] n)を始め、[[デルタ粒子]] Δ、[[ラムダ粒子]] Λ、[[シグマ粒子]] Σ、[[グザイ粒子]](カスケード粒子) Ξ、[[オメガ粒子]] Ω と呼ばれる。核子とデルタ粒子以外はストレンジを含み、[[ハイペロン]]と総称される。
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アイソスピン ''I'' が異なるバリオンは、アップ、ダウン、ストレンジのみで構成されたバリオンでの中では、ラムダ粒子 Λ<sup>0</sup>(uds、''I'' = 0)と中性シグマ粒子 Σ<sup>0</sup>(uds、''I'' = 1)のみで、別の名前が付いている。<!--より重いバリオンの場合に詳しい人、補足お願いします-->
 
=== c・b・tを含むバリオン ===
[[チャームクォーク|チャーム]]、[[ボトムクォーク|ボトム]]、[[トップクォーク|トップ]]を1個含むバリオンは、そのクォークの代わりにストレンジを含むバリオンに チャームド (c)、ボトム (b) 、トップ (t) を付ける。たとえば、ラムダ粒子 Λ<sup>0</sup> (uds) に対しチャームドラムダ粒子 Λ<sub>c</sub><sup>+</sup> (udc) のようにする。複数個含むバリオンは、たとえば、クサイ粒子 Ξ<sup>0</sup> (uss)・Ξ<sup>&minus;</sup> (dss) に対しダブリーチャームド(またはダブルチャームド)クサイ粒子 Ξ<sub>cc</sub><sup>++</sup> (ucc)(未発見)・Ξ<sub>cc</sub><sup>+</sup> (dcc)、チャームドボトムクサイ粒子 Ξ<sub>cb</sub><sup>0</sup> (ucb)・Ξ<sub>cb</sub><sup>&minus;</sup> (dcb) (共に未発見)のようにする。
 
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主なバリオンについての一覧を以下に示す。
 
{| class="wikitable" lang="en" eml:lang="en"
|+ '''主なバリオン'''<ref>Eidelman, S. et al. (2004). “Review of Particle Physics.” ''Phys. Lett. B'' '''592''': 1–5. {{doi|10.1016/j.physletb.2004.06.001}}.</ref>
|-
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! 記号
! 構成
! 静止質量 ([[MeV]])
! 平均寿命 ([[秒|s]])
! 発見年・発見者
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| &Delta;<sup>++</sup>
| uuu
| rowspan="4" style="text-align: right" | Breit-Wigner型の質量分布を仮定すると<br/>1230から1234
| rowspan="4" style="text-align: right" | (1.58–1.72) × 10<sup>−15</sup>
| rowspan="4" | 1951年、フェルミ他、シカゴグループ
76行目:
| &Delta;<sup>+</sup>
| uud
|
|-
| &Delta;<sup>0</sup>
| udd
|
|-
| &Delta;<sup>−</sup>
| ddd
|
|-
| rowspan="3" | &Sigma;粒子
130行目:
| style="text-align: right" | 2284.9 ± 0.6
| style="text-align: right" | (200 ± 6) × 10<sup>−15</sup>
|
|-
| &Lambda;<sub>b</sub>粒子
137行目:
| style="text-align: right" | 5624 ± 9
| style="text-align: right" | (1.229 ± 0.080) × 10<sup>−12</sup>
|
|}
 
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== 参考文献 ==
<references />
 
== 関連項目 ==
* [[素粒子物理学]]
* [[ペンタクォーク]]