「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」の版間の差分

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{{条約
|題名 =女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約
|画像 =
|画像キャプション =
|通称 =女子差別撤廃条約
|起草 =
|署名 =1979年12月28日([[ニューヨーク]])
|効力発生 =1981年9月3日
|寄託者 =[[国際連合事務総長]]
|番号 =昭和60年条約第7号<br />日本について効力発生:1985年7月25日
|言語 =アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語
|内容 =あらゆる分野における女子に対する差別の撤廃につき包括的かつ詳細に既定
|関連 =
|ウィキソース =
|リンク ={{PDFLink|[http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S60-0215.pdf 女子差別撤廃条約]}} - 外務省
}}
 
'''女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約'''(じょしにたいするあらゆるけいたいのさべつのてっぱいにかんするじょうやく、Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women)は、[[女子差別]]の撤廃を定めた[[多国間条約]]である。略称は'''女子差別撤廃条約'''(じょしさべつてっぱいじょうやく)である。
 
[[1979年]]([[昭和]]54年)[[12月18日]]に、[[国際連合]]第34回総会で採択され、[[1981年]](昭和56年)に発効した。前文および30か条から成り、[[政治]]的・[[経済]]的・[[社会]]的・[[文化]]的・[[市民]]的その他のあらゆる分野における[[男女同権]]を達成するために[[教育]]の分野も含めて、いずれかの性別の優位や[[性役割]]に由来する[[ステレオタイプ]]の撤廃など必要な措置を定めている。この条約の特徴は、法令上だけでなく、事実上、慣行上の差別も、条約の定める差別に含まれると規定している点である。また、私人間および私的分野も含めた[[差別]]撤廃[[義務]]を締約国に課している。ただし「[[母性]]の保護」は差別とはみなされず、[[売春]]や[[人身売買]]からの保護についても規定されている(第6条)。そして[[教育を受ける権利]]における差別撤廃 (第10条)、同一の雇用機会、[[育児休暇]]の確保やそれに伴う職場での差別禁止、従来の雇用関係の維持(第11条)についても規定している。
 
==署名・締約国==
2009年5月現在、署名国は98か国、締約国は186か国である。アメリカ合衆国は1980年7月に署名したのみで、条約を批准していない([[
{{See|アメリカの人権と人権政策]]参照)。}}
 
==採択・発効==
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*[[1980年]][[7月17日]] 署名(デンマークで開催された[[国連婦人の10年]]中間年世界会議の際、[[高橋展子]]駐デンマーク大使が署名)
*[[1985年]][[6月24日]] 条約締結を承認(第102回通常国会)
*[[1985年]][[6月25日]] [[批准]] 書寄託
*[[1985年]][[7月25日]] 日本において効力発生
*[[1987年]][[3月13日]] - 第1回報告書提出
*[[1988年]][[2月18日]]、[[2月19日]] - 第1回報告書審議(第7回女子差別撤廃委員会)
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*[[1993年]][[10月28日]] - 第3回報告書提出
*[[1994年]][[1月27日]]、[[1月28日]] - 第2回・第3回報告書審議(第13回女子差別撤廃委員会)
*[[1998年]][[7月25日]] - 第4回報告書提出<ref>[http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/3c_index.html 第4回報告書提出] </ref>
*[[2002年]][[9月13日]] - 第5回報告書提出<ref>[http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/fifth/index.html 第5回報告書提出] </ref>
*[[2003年]][[7月8日]] - 第4回・第5回報告書審議(第29回女子差別撤廃委員会)
*[[2008年]][[4月]] - 第6回報告書提出]
*[[2009年]][[7月23日]] - 第6回報告書審議(第44回女子差別撤廃委員会)
 
批准に際しては条約の主旨に沿った国内法整備を行わなければならないため、日本では、[[勤労婦人福祉法]]」(昭和47法113)を大改正するとともに、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」([[雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律|男女雇用機会均等法]])に改題した。また、[[国籍法 (日本)|国籍法]]を改正して父系血統主義から父母両系主義にした。
 
==選択議定書==
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通報には、利用できるすべての国内的救済措置を尽くしていることが条件とされるが、救済措置の実施が不当に引き延ばされている場合や、効果的な救済をもたらさない場合は通報できる。
 
通報を受けた[[女子差別撤廃委員会]]は、報告の受理可能性や、内容が差別撤廃条約に違反しているか否かを審査し、締約国に意見や勧告を行う。ただし、委員会の意見および勧告には法的拘束力はない。
 
1999年10月6日、国連第54回総会において採択された。
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この選択議定書には、「司法権の独立含め、我が国の司法制度との関連で問題が生じるおそれがある」等の懸念があるため、日本は、2009年6月現在、これを批准していない。
 
また、2008年からは、選択議定書を批准した締約国に意見や勧告を行う「[[女性差別撤廃委員会]]」を指導する国連高等弁務官に、[[ラディカル・フェミニスト]]の{{仮リンク|ナバネセム・ピレー([[:|en:Navanethem Pillay|Navanethem Pillay]])}}が就任した。
 
なお[[欧州評議会]]の管轄する[[欧州人権裁判所]]の判決は加盟国に対して強制力を持つ(''[[
{{See|国際人権法]]の項目を参照'')。}}
 
==改正==
女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約では、締約国に条約実施のためにとった立法、司法、行政上その他の措置およびそれらの措置によってもたらされた進歩を報告するよう義務付けている。しかし、締約国の増加に伴い、委員会の報告検討業務に遅滞が生じる事態となった。この問題を解決するため、1995年8回締約国会議において委員会の会合の期間を一定の条件の下、締約国の会合において決定できるようにする改正案が採択され、1995年第50回国連総会で採択された。
 
第20条1の改正内容は、次のとおりである。
*改正前---「委員会は、第18条の規定により提出される報告を検討するために原則として毎年二週間を超えない期間会合する。」
*改正後---「委員会は、第18条の規定により提出される報告を検討するために原則として毎年一回会合する。委員会の会合の期間は、国際連合総会の承認を条件としてこの条約の締約国の会合において決定する。」
 
[[1995年]][[5月22日]]、ニューヨークで作成された。
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日本の状況は次のとおりである。
*[[2003年]][[5月14日]] 国会承認
*[[2003年]][[6月12日]] [[受諾]]書寄託<ref>[http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/15/rls_0612b.html 受諾書の寄託について(外務省プレスリリース)]</ref>
 
== 脚注・出典 ==
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[[Category:性差別]]
[[Category:1979年の法]]
[[Category:1985年の法]]
 
{{Link FA|en}}