「バイヤー・ビリガー酸化」の版間の差分

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'''バイヤー・ビリガー酸化'''(-(—さんか、Baeyer-Villiger oxidation)oxidation)は、[[ケトン]]と[[過カルボン酸]]を反応させるとケトンの[[カルボニル基]]の隣りに[[酸素原子]]が挿入されて[[カルボン酸]][[エステル]]が得られる[[酸化反応]]のことである。
'''バイヤー・ビリガー反応'''(-(—はんのう)、'''バイヤー・ビリガー転位'''(-(—てんい)とも呼ばれる。
 
[[アドルフ・フォン・バイヤー]](Johann Friedrich Wilhelm Adolf von Baeyer)とヴィクトル・ヴィリガー (Victor Villiger) によって1899年に報告された{{Ref|1}}
 
反応の機構は
#ケトンのカルボニル基に対し過カルボン酸が[[求核付加反応]]し、''gem''-ジオールのモノ過カルボン酸エステル(Criegee(Criegee付加体と呼ばれる)が得られる。
#ケトンのカルボニル基に結合していた2つの[[炭化水素]]基のうちの一方が 1,2-[[転位反応|転位]]を起こして、付加した酸素原子上に移動すると同時にカルボン酸が脱離する。
#生成物としてカルボン酸エステルが得られる。
 
:[[Image:Baeyer-Villiger oxidation mechanism.png|406px]]
 
過カルボン酸の酸性度が高いほど反応は進行しやすい。
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[[ビニル基]]もフェニル基と同様に転位しやすいが、過カルボン酸による[[エポキシ化]]と反応が競合する。
転位の際に炭化水素基の立体配置は保持される。
ただし酸性条件下の反応であるため、基質によってはケトンの α 位の[[エピ化]]が競合して[[エナンチオマー過剰率]]の低下が起こることもある。
 
環状ケトンに対してこの反応を行うと1つ環員数が大きくなった[[ラクトン]]が得られる。
 
==参考文献==
#{{Note|1}} Baeyer, A.; Villiger, V. The effect of Caro's reagent on ketones. ''Ber''. '''1899''', ''32'', 3625-3633.
 
[[category:化学反応|はいやひりかさんか]]