「フィリピン海プレート」の版間の差分

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[[File:Plates_tect2_ja.svg|thumb|right|320px|位置(左端にある赤い部分)]]
[[File:Philippine Plate map-fr.png|thumb|right|300px|周辺の境界の種類と位置関係を示した拡大地図]]
'''フィリペニスピン海プレート'''(フィリペニスピンかいプレート)とは、東は[[小笠原海溝]]や[[マリアナ海溝]]、北から西にかけては[[南海トラフ]]・[[琉球海溝]]・[[フィリピン海溝]]などに囲まれた海洋[[プレート]]である。
 
[[太平洋]]の北西部をしめる[[フィリピン海]]が主な領域。[[伊豆諸島]]・[[小笠原諸島]]・[[マリアナ諸島]]・[[ヤップ島]]・[[パラオ]]と連なる島孤のほか、[[大東諸島]]がこのプレート上にある。また、本州の中でも唯一[[伊豆半島]]だけがフィリピン海プレート上にある。
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伊豆半島付近だけは陸で衝突が起こっているが、その東側の[[相模湾]]・[[房総]]南方沖では[[相模トラフ]]を介して北アメリカプレートの下に沈み込んでいる。相模トラフの東端は太平洋プレートと重なり、世界的にも数少ないT-T-T型トリプルジャンクションとなっている<ref>「関東・伊豆小笠原」, 貝塚ほか, 東京大学出版会 (2000), p.6</ref>。一方西側の[[駿河湾]]以西でも、[[駿河トラフ]]や[[南海トラフ]]を介してユーラシアプレートの下に沈み込んでいる。更に西側には[[琉球海溝]]があり、この付近ではフィリピン海プレートの沈み込みによって[[沖縄トラフ]]と呼ばれる[[背弧海盆]]が拡大しており、[[南西諸島]]を[[東シナ海]]の[[大陸棚]]から少しずつ引き離している。背弧海盆はマリアナ諸島の東側でも活動している。
 
琉球海溝の西端である[[台湾]]付近から[[ルソン島]]北西沖では、逆にユーラシアプレートがフィリピン海プレートの下に沈み込むという複雑な構造となっている。台湾付近では沈み込むというよりも、ユーラシアプレートの上に乗り上げる形で激しく衝突し[[台湾山脈]]を形成している一方、ルソン島北西沖では[[ルソン海溝]]を介してユーラシアプレートが西から沈み込んでいる。しかし、ルソン海溝は比較的短く、その境界線はやがてルソン島を横断する[[トランスフォーム断層]]へとつながり、今度はルソン島南東沖の[[フィリペニスピン海溝]]を介して今度はフィリピン海プレートが東から沈み込んでいる。フィリピン海溝は[[ニューギニア島]]北西端のバーズヘッド半島沖まで続き、ここで太平洋プレートとのトリプルジャンクションとなり、[[パラオ]]付近の[[発散型境界]]とみられる部分、そしてヤップ海溝へと連なる。
 
[[漸新世]] - [[中新世]]中期ごろには東縁で活発な火山活動があり、一千万年以上かけて背弧海盆である[[四国・パレスベラ海盆]]が形成された。[[九州・パラオ海嶺]]は[[伊豆・小笠原・マリアナ弧]]が海盆形成によって分断された名残であると考えられている。