「冪対象」の版間の差分

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== 例 ==
[[集合の圏]]における指数対象 ''Z''<supmath>''Z^Y''</supmath> は ''<math>Y''</math> から ''<math>Z''</math> への写像全体の成す集合として与えられる。射 <math>\mathrm{eval}: (''Z''<sup>''^Y''</sup> &\times; ''Y'')\to &rarr; ''Z''</math> は、順序対 <math>\left(''f'', ''y''\right) </math>''<math>f''\left(''y''\right)</math> へ写す評価写像に他ならない。任意の射 ''<math>g'': (''X'' &\times; ''Y'')\to &rarr; ''Z''</math> に対して、射 &<math>\lambda;'' g'': ''X'' &rarr;\to ''Z''<sup>''^Y''</supmath> は ''<math>g''</math> の[[カリー化]]
:<math>\lambda g(x)(y) = g(x,y)</math>
によって与えられる。
 
順序圏としての[[ハイティング代数]]における指数対象 <math>Z^Y</math> は相対擬補元 <math>Y\to Z</math> に他ならない。前述の随伴は
[[位相空間の圏]]における指数対象 ''Z''<sup>''Y''</sup> は ''Y'' が[[局所コンパクトハウスドルフ空間]]として与えられれば存在する。この場合、空間 ''Z''<sup>''Y''</sup> は[[コンパクト開位相]]に関して[[連続写像|連続]]な ''Y'' から ''Z'' への写像全体の成す集合として与えられる。評価射に関しては集合の圏のときと同様である。''Y'' が局所コンパクトハウスドルフでないならば、指数対象は存在しない(空間 ''Z''<sup>''Y''</sup> 自体は存在するのだが、評価射が連続とは限らないために指数対象になれないのである)。このことから、位相空間の圏はデカルト閉でないことが従う。だからと言って、局所コンパクト位相空間の圏を考えたのでは、''Z'' と ''Y'' が局所コンパクトでも空間 ''Z''<sup>''Y''</sup> は必ずしも局所コンパクトではないから、やはりデカルト閉圏にはならない。
:<math> X\wedge Y\leq Z \iff X\leq Y\to Z </math>
と対応する。[[束論]]も参照のこと。
 
[[位相空間の圏]]における指数対象 ''Z''<supmath>''Z^Y''</supmath> は ''<math>Y''</math> が[[局所コンパクトハウスドルフ空間]]として与えられであれば存在する。この場合、空間 ''Z''<supmath>''Z^Y''</supmath> は[[コンパクト開位相]]に関して[[連続写像|連続]]な ''<math>Y''</math> から ''<math>Z''</math> への写像全体の成す集合として与えられる。評価射に関しては集合の圏のときと同様である。''<math>Y''</math> が局所コンパクトハウスドルフでないならば、指数対象は存在しない(空間 ''Z''<supmath>''Z^Y''</supmath> 自体は存在するのだが、評価射が連続とは限らないために指数対象になれないのである)。このことから、位相空間の圏はデカルト閉でないことが従う。だからと言って、局所コンパクト位相空間の圏を考えたのでは、''<math>Z''</math>''<math>Y''</math> が局所コンパクトでも空間 ''Z''<supmath>''Z^Y''</supmath> は必ずしも局所コンパクトではないから、やはりデカルト閉圏にはならない。
 
== 参考文献 ==