「ガロ・イタリア語」の版間の差分

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ガロ・イタリア語の話されている地域は元来[[古代ローマ|ローマ]]の[[ラテン人]]の住むところではなく、[[ケルト人]]の住む[[ガリア]]の一部[[ガリア・キサルピナ]]であった。そこにローマ人が入り、[[ラテン語]]・[[俗ラテン語]]が使われるようになった地域である。従ってケルト諸語と古典ラテン語の混成が北イタリアの言語文化を育んだと言える為、(直訳すれば)「仏伊語」を意味する'''ガロ・イタリア語'''という名称が学術的に用いられた。ただし暫定的な名称である為、チザルピナ語(「キサルピナ」のイタリア語読み)やパダーナ語(北イタリアの中心地[[ポー平原]]の別称「パダーナ平原」から)、北イタリア語と呼ぶべきとする言語学者も存在する。
 
ガロ・イタリア語の保護は伝統的に[[左翼]]政党の役割とされていたが、近年は[[イタリア南部]]の経済不安に対する北部住民の不満を受け皿に党勢を伸ばした[[地域政党]]の[[北部同盟 (イタリア)|北部同盟]]が、南部批判・地方分権の一環として独自性を主張する事が多く、彼らはしばしばパダーナ語という表現をする。だが前述の通り北部同盟内でも共通言語として団結するのか、それとも更なる分権を進めるのかで対立が生じており、足並みは揃っていない。これは[[共産党員]]としての経歴を持つ党首の[[ウンベルト・ボッシ]]自身が中央集権に批判的である事、党も各州の地域政党の連合体である事などが起因している。また同じ北イタリアでも[[ヴェネツィア語]]は独自のグループに、[[イストリア語]]は標準イタリア語(トスカーナ語)と同じ[[イタロ・ダルマチア語]]に属するのが有力な見解であり、必ずしも「北イタリア諸語=ガロ・イタリア語」といえるほど単純な構図ではない。
 
中央イタリア語・南部イタリア語も北部イタリア語も共に[[ロマンス諸語]](ラテン語から派生した全ての言語)・[[西イタロ諸語]](北ロマンス・東ロマンスを除いた言語)に属する為、一定の近似性を持つ。しかし一方でより細分化した場合は中央・南部イタリア語が[[イタロ・ダルマチア語]]([[コルシカ語]]、[[ルーマニア語]]、[[イストリア語]]など)に含まれるのに対し、[[西ロマンス語]](標準スペイン語・標準フランス語)内の[[ガロ・ロマンス語]](標準フランス語など)に属するなど違いも存在する事が論争の理由となっている。また[[ロマンス諸語]]の中で、海や他言語に隔てられた言語([[北ロマンス語]]・[[東ロマンス語]])を除いた[[西イタロ諸語]]は、ロマンス諸語の中でも特に強い[[方言連続体]]を形成している。だが現実問題としてフランス語(オイル語)、スペイン語(カスティーリャ語)、イタリア語(トスカーナ語)はそれぞれ権威ある独立言語とされているので、必然的にその下位に置かれている各方言も別言語としての立ち居地を得ようとする。