「アニミズム」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2013-6}}
'''アニミズム'''({{lang-en|animism}})は、[[生物]]・[[無機物]]を問わないすべてのものの中に[[霊魂]]、もしくは[[精霊|霊]]が宿っているという考え方。[[19世紀]]後半、[[イギリス]]の[[人類学者]]、[[エドワード・バーネット・タイラー|E・B・タイラー]]が著書『原始文化』(1871年)の中で使用し定着させた。[[日本語]]では「'''汎霊説'''」、「'''精霊信仰'''」「'''地霊信仰'''」などと訳されている。この語は[[ラテン語]]の[[アニマ]](anima)に由来し、気息・霊魂・生命といった意味である。
 
=== タイラーとマレットのそれぞれのアニミズム観 ===
== 概要 ==
=== タイラーとマレットのそれぞれのアニミズム観 ===
タイラーはアニミズムを「霊的存在への信仰」とし、[[宗教]]的なるものの最小限の[[定義]]とした。彼によれば諸民族の[[神]]観念は[[人格]]を投影したものという([[擬人化]]、[[擬人観]]、[[エウヘメリズム]])。現在でもこの語は[[宗教学]]で触れる際など抜きにしては考えられない語であるが、一方タイラーのアニミズム観に対してはマレット(Robert Ranulph Marett)が「[[未開]]」民族の間では人格性を欠いた力あるいは生命のような観念もあるとし、そのアニミズム以前の状態をプレアニミズム(pre-animism)と呼び、同様の概念は[[アニマティズム]](animatism)、ヴァイタリズム(vitalism)、ダイナミズム(dynamism)などとも称された。また研究姿勢に対しては[[類推]]的とか、[[進化主義]]的であるとかの批判もされる。
 
=== 世界中で普遍的な「始まりのとしての原始宗教であるアニミズム」とその蔑視 ===
霊的存在が[[肉体]]や[[物体]]を支配するという精神観、霊魂観(日本で言えば「依り代」に近い観念)は、世界的に広く[[宗教]]、[[習俗]]の中で一般に存在している。[[キリスト教]]が先進のものという[[ヨーロッパ]]の視点から、アニミズムはかつて原始的な未開社会のものであると考えられた。[[リュシアン・レヴィ=ブリュール|レヴィ=ブリュール]]の『未開社会の思惟』など、民族学や[[文化人類学]]の南太平洋([[トロブリアンド諸島]])や[[ブラジルの先住民|アマゾンの先住民]]のその根本的な考察観にうかがい知ることができる。