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'''XYZ事件'''('''XYZ Affair''')とは、[[1797年]]から[[1798年]]にかけての、[[アメリカ]]、[[フランス]]間における外交上の衝突事件である。フランス側の示した[[賄賂]]の要求がアメリカの威信を傷つけ、米仏同盟の破棄にまで発展した。
 
アメリカは[[1778年]]に、フランスとの間に米仏条約を締結して同盟関係を構築していたが、[[1795年]]の[[ジェイ条約]](Jay's Treaty)締結以降、フランスとの関係が悪化した。同条約は、[[イギリス]]との間で長年の懸案事項となっていた領土紛争の解決を図るために締結されたものであるが、アメリカが[[第一次対仏大同盟|対仏大同盟]]の一角をなすイギリスと接近することを懸念したフランスは、同条約に強硬に反発。報復措置として、アメリカ船舶に対してフランスへの出入りを禁じたり、[[私掠船]]に拿捕させたりすると共に、駐仏公使に就任した[[チャールズ・C・ピンクニー|ピンクニー]](Charles Cotesworth Pinckney)の受け入れを断固として拒否した。この直後にアメリカ[[大統領]]に就任した[[ジョン・アダムズ|アダムズ]]は、この問題を収拾してフランスとの国交を回復するため、ピンクニー、[[ジョン・マーシャル|マーシャル]](John Marshall)、[[エルブリッジ・ゲリー|ゲリー]](Elbridge Gerry)の3名を特使としてフランスへ派遣した。
 
[[1797年]][[10月4日]]、フランス外相[[タレーラン・ペリゴール|タレーラン]]は彼らを非公式に受け入れたが、公式会談の開催をわざと遅らせ、代理人3名をそれぞれの特使の元に遣わした。代理人らは特使に対し、交渉開始の代償として25万ドルの[[賄賂]]と1200万ドルの[[借款]]の供与を暗に要求した。これに激怒した特使は要求を拒絶、ゲリーを残して帰国した。