「レオノーレ序曲第3番」の版間の差分

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'''レオノーレ序曲第3番'''(レオノーレじょきょくだい3ばん)[[作品番号|作品]]7272bは、[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーヴェン]]が[[1806年]]の初頭に作曲した[[序曲]]である。元来、[[オペラ|歌劇]]「レオノーレ」([[フィデリオ]])の改訂上演のためにその序曲として作曲されたものである。この楽曲の前に同じ歌劇のために2曲、後に1曲の序曲が書かれており、最後のものが現在歌劇「フィデリオ」の序曲として演奏される。どの序曲も単独で演奏されることが多くあるが、演奏機会からいえばこの「レオノーレ序曲第3番」が最も多いだろう
 
== 概要 ==
* 演奏時間:約14分
* [[オペラ|歌劇]]《レオノーレ》([[フィデリオ]])の改訂上演(いわゆる第2版)のために、その序曲として作曲されたものである。初演はオペラの上演と同時に[[1806年]][[3月29日]]、[[ウィー国立歌劇場|・デア・ウィーン宮廷歌劇場]]にて、[[イグナーツ・フォン・ザイフリート|リッター・イグナーツ・フォン・ザイフリート]](Ignaz Xaver Ritter von Seyfried)の指揮によって行われた
 
《フィデリオ》にはこの楽曲の前に1曲、後に2曲の序曲が書かれており([[フィデリオ#フィデリオ序曲|フィデリオ序曲]]を参照)、単独で演奏される機会はこの「レオノーレ序曲第3番」が最も多い。[[グスタフ・マーラー]]が始めたと言われる習慣として、《フィデリオ》上演の際、第2幕第2場の前にこの序曲が挿入されることがある。
 
== 楽器編成 ==
[[フルート]]2、[[オーボエ]]2、[[クラリネット]]2、[[ファゴット]]2、[[ホルン]]4、[[トランペット]]2、[[トロンボーン]]3、[[ティンパニ]]1対、[[弦五部]](第1[[ヴァイオリン]]、第2ヴァイオリン、[[ヴィオラ]]、[[チェロ]]、[[コントラバス]])舞台裏にトランペット1
 
== 構成 ==
[[ハ長調]]、序奏を持つ[[ソナタ形式]]。演奏時間は13分前後。
[[ソナタ形式]]。[[ハ長調]]。展開部の途中で現れる[[トランペット]]の[[ファンファーレ]]が印象的である。このファンファーレは[[レオノーレ序曲第2番|序曲第2番]]と旋律がいくらか異なっており、聞き比べるとおもしろい。
再現部の冒頭、弦楽のトレモロにのって演奏されるフルートのソロが難しいことで有名。最低音から最高音まで一気に駆け上がり、高音での細かなパッセージを演奏するにはかなりの技量を要する。
 
アダージョ、3/4拍子の序奏はG音の強奏で始まり、様々な調をさまよう。途中、木管に[[変イ長調]]の旋律が現れるが、これはオペラ第2幕冒頭のフロレスタンの[[アリア]]「人生の春の日に」("''In des Lebens Frühlingstagen''")の一節である。
== 作曲の背景 ==
レオノーレ序曲はオペラ「[[フィデリオ]]」の序曲として書かれた。結局、5番目(?)の草稿で、やっと完成するが、それまでに「レオノーレ序曲」は4つ作られている。このうち、この3番は演奏会で幅広く演奏される他、歌劇「フィデリオ」上演の際に、その第2幕第2場の前に挿入されることがある。
 
主部はアレグロ、2/2拍子で、弦が[[シンコペーション]]を用いた第一主題を奏して始まる。ホルンに導かれる第二主題は[[ホ長調]]に始まり、これも調的には安定しない。展開部は劇的な展開を見せ、途中で現れるトランペットの[[ファンファーレ]]が印象的である。
== 楽器編成 ==
再現部は、演奏の難しさで有名なフルートのソロで第一主題が再現されて始まる。提示部通りの再現が続いたあと、第二主題の動機を用いながら静まっていくが、弦楽のパッセージがプレストのコーダを導き、熱狂的に結ばれる。
[[フルート]]2、[[オーボエ]]2、[[クラリネット]]2、[[ファゴット]]2、[[ホルン]]4、[[トランペット]]2、[[トロンボーン]]3、[[ティンパニ]]1対、[[弦五部]](第1[[ヴァイオリン]]、第2ヴァイオリン、[[ヴィオラ]]、[[チェロ]]、[[コントラバス]])舞台裏にトランペット1
 
==外部リンク==
* {{IMSLP2|id=Leonora_Overture_No.3,_Op.72b_(Beethoven,_Ludwig_van)|cname=Leonora Overture No.3, Op.72b}}
*[http://www.youtube.com/watch?v=ytj_I1xaDo8 YouTubeで再生(CCライセンス)]