「スコットランド幻想曲」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
3行目:
 
== 概要 ==
[[パブロ・デ・サラサーテ]]のために作曲され、サラサーテに献呈されたが、初演は[[1881年]][[2月22日]]に、作曲上のアドバイスを行った[[ヨーゼフ・ヨアヒム]]の独奏で、ブルッフ指揮の[[ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団|リヴァプール・フィルハーモニー協会]]によって行われた。作品は好評だっを博したが一時演奏機会は減り、この作品が世界的に知られるようになったのは、後に[[ヤッシャ・ハイフェッツ]]が愛奏し[[1947年]]に世界初録音を行ってからのことであった。
<!--[[1880年]]9月[[ハンブルク]]のバッハ音楽祭に於いて、[[スペイン]]のヴァイオリンの巨匠[[パブロ・デ・サラサーテ]]により初演され、彼に献呈された。(出典不明)-->
 
作曲当時ブルッフスコットランド民謡を訪れたこの出会いなく、スコットランド民謡と歌を収集した出会いは『スコットランド音楽博物館』(''[[:en:Scots Musical Museum|Scots Musical Museum]]'')という曲集からによるものである。スコットランドの歌を収集したこの全6巻、599曲からなる曲集は、スコットランドの国民的詩人[[ロバート・バーンズ]]が、[[エディンバラ]]の音楽学者・音楽出版者ジェームズ・ジョンソン(James Johnson)とともに編集し、[[1787年]]から[[1803年]]にかけて出版されたものである。
 
なお、この曲は[[日本放送協会|NHK]]の[[衛星放送]]で放映されていた『[[ヨーロッパ音楽紀行]]』でスコットランドの[[エレン・ドナン城]](Eilean Donan Castle)放映時のBGMとして使用された。また、第3楽章を[[ヴァネッサ・メイ]]が編曲した"''A Little Scottish Fantasy''"は[[テレビ朝日]]系列のスポーツ番組『[[GET SPORTS]]』において使用され、広く知られている
 
== 楽器編成 ==
14行目:
 
== 曲の構成 ==
と4つの楽章からなり、演奏時間は30分前後。[[スコットランド]]の伝統へのオマージュとして、ブルッフは[[ハープ]]に重要な役割を与えている。
 
;序章 グラーヴェ
:[[変ホ短調]]、4/4[[拍子]]。低音の[[コラール]]風の旋律に始まり、甘美だが物悲しいテーマが独奏ヴァイオリンによって奏でられる。
;第1楽章 アンダンテ・カンタービレ
:[[変ホ長調]]、3/4拍子。序章が[[フェルマータ]]によって終わるとすぐにこの楽章に入り、管弦楽の前奏に続いてスコットランド民謡の "''Thro' The Wood, Laddie''"(森を抜けて、若者よ)<ref>ここで使われる民謡は"Auld Rob Morris"''(年老いたロブ・モリス)と紹介されることが多いが、明確に異なる旋律を持つ曲であり、誤りである。[http://mudcat.org/thread.cfm?threadid=57807 http://mudcat.org/thread.cfm?threadid=57807]を参照。</ref>を基調としたメロディーが奏でられる。この主題は後の楽章にも顔を出し、全曲の統一を高めている。
;第2楽章 アレグロ 
:[[ト長調]]、2/3拍子。[[ソナタ形式]]。舞曲風の生き生きしたリズムになり、[[バグパイプ]]を思わせる[[空虚五度]]に乗ってソロヴァイオリンが ''"Dusty Miller"''(粉まみれの粉屋)をもとにした旋律を奏でる。最後に第1楽章の主題が回想され、次の楽章に切れ目なく続く。
;第3楽章 アンダンテ・ソステヌート
:[[変イ長調]]、4/4拍子。三部形式。''"I'm a Doun for Lack O'Johnnie"''(ジョニーがいなくてがっかり)をもとにした親しみやすいメロディーが歌われる。
;第4楽章 フィナーレ アレグロ・グゥエリエロ<ref>「好戦的に」と訳される発想標語。[[フェリックス・メンデルスゾーン]]の[[交響曲第3番 (メンデルスゾーン)|交響曲第3番「スコットランド」]]のフィナーレ(初稿)に見ることができる。</ref>
;第4楽章 フィナーレ アレグロ・グゥエリエロ
:変ホ長調、4/4拍子。ソナタ形式。冒頭の主題は、スコットランドの非公式な国歌の一つである ''"[[:en:Scots wha hae|Scots wha hae]]"''(スコットランドの民よ)によ<ref>"Hey Tuttie Tattie"という題でも知られる。</ref>を変形したものである。この主題と[[ハ長調]]で提示される抒情的な主題の2つが華やかに変奏、展開されていく。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references/>
 
== 外部リンク ==