「収率」の版間の差分
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原料に化学組成が明らかでないものを用いて反応などを行なう場合、その化学反応式も定まらないため上記の意味での収率を求めることは不可能である。このような場合は、ある化学組成を持つものと仮定して化学反応式を定めて収率を計算したり、単に用いた原料と得られた生成物の重量比を収率('''重量収率''')としたりする。これらの収率は 100 %を超える場合もある。
収率が 100 %に達しない原因の多くは、目的の反応以外に[[副反応]]が起きることにより、[[副産物]]が生成するからである。特に複雑な構造の天然物を[[全合成]]する場合、反応が何十段階にも及ぶ場合があり、この場合の最終的な収率は極めて小さなものになることが多い。ただし、収率はあくまで目的物質をどれくらい得られたかの指標であり、未精製の最終生成物に含まれる不純物(副産物)がどれくらい少ないかを示す指標ではないため、収率が 100 %であっても副産物が生成しないわけではない。例えば[[塩酸]]と[[水酸化ナトリウム]]を反応させて[[塩化ナトリウム]]を得る反応で、塩化ナトリウムの収率が 100 %だったとしても、副産物として水が大量に生成する。この場合、副産物
[[不完全燃焼]]は、[[二酸化炭素]]を生成する目的反応の収率が低下し、[[一酸化炭素]]が生成している状態とみなすことができる。
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