「イシュタル」の版間の差分

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イシュタルの正式な配偶神は存在しないが、多くの愛人(神)が知られている。これは王者たる男性が、恋人としての女神から大いなる神の力を分け与えてもらうという当時の思想によっている。最も著名な愛人は、男神{{仮リンク|ドゥムジ (メソポタミア神話)|en|Dumuzid the Shepherd|label=ドゥムジ}}([[タンムズ]])。イシュタルとドゥムジにまつわる、数多くの神話が知られている。『イナンナの冥界下り』(シュメール語)/『イシュタルの冥界下り』([[アッカド語]])を初めとするそれらの神話において、ドゥムジはイシュタル(イナンナ)の身代わりとして殺され、冥界に送られる。『サルゴン伝説』においては[[サルゴン]]を見初め、彼を全世界の王に任命する。
 
しかし、『[[ギルガメシュ叙事詩]]』では[[ギルガメシュ]]を誘惑しようとするものの、イシュタルの愛人に選ばれた男達が不遇の死を遂げていることを知っていたギルガメシュに侮辱され、拒まれた。屈辱を覚えたイシュタルは父である[[アヌ (メソポタミア神話)|アヌ]]に泣きつき、アヌは制裁として自分の[[ペット]]である[[天の雄牛]]([[:en:Sacred bull|en]])をギルガメシュに差し向ける。そこでギルガメシュが大人しく詫びれば八方丸く収まったはずだが、ギルガメシュは相棒の[[エンキドゥ]]と共に天の雄牛を殺してしまった。娘を侮辱された挙句、ペットを返り討ちにされたことで二重に面子を潰されたアヌは大いに怒る。
 
ギルガメシュは、これ以前にも森の神[[フンババ]]を自分の力試しのために殺しており、神々の世界では評判が悪かったため、天の雄牛事件を受けてアヌを初めとする神々は遂に彼に死の呪いをかけることを決めた。この呪いはエンキドゥが身を挺して防いだが、ギルガメシュはこれ以降、生者の身にいずれ訪れる死に怯えることとなる。このように、イシュタルは[[トラブルメーカー]]として描かれることもあった。