「サンバーナーディーノ列車脱線事故」の版間の差分

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}}</ref>。事故現場はカホン川低地帯とフットヒル・フリーウェイ(ルート210)の交差部のちょうど北東部にあたる。
 
この事故により、列車先頭の本務機関車4ユニットの第1ユニット乗務の[[車掌]]と第3ユニット乗務の制動手、および沿線住民2名が死亡した。また、列車は全ての車両が損壊し、沿線の7棟が倒壊した。この事故は、モハベ駅の係員が列車重量の計算をミスしたことに加え、機関士および乗務員らが誰も{{要検証範囲|複数の|date=2011年5月}}[[補助機関車|後部補機]]の機械[[発電ブレーキ]]が故障|date=2011年5月}}していることに気づかずに、制動力が不足したままの状態で下り[[線形 (路線)|勾配]]にさしかかったため、加速を止められずに列車が暴走したことが原因である。
 
下り勾配で速度が落ちないことから、機関士がブレーキが効いていないことに気づいて[[非常ブレーキ]]を必死にかけたが、実はこの非常ブレーキ操作によって自動的に機械発電ブレーキが解除されたため、かえって列車は速度をより上げる結果となった。そして、列車はダフィー・ストリート手前のカーブで時速約177キロメートル(時速約110[[マイル]])まで加速し、先頭部の機関車(本務機)および何両もの貨車が沿線の住宅に脱線衝突した。サンバーナーディーノを通過する列車の速度制限は時速56キロメートル(時速約35マイル)である。
 
機関車から回収された[[ブラックボックス (航空)|ブラックボックス]]の解析により、先頭部の第3機関車ユニットについては、実際には機械発電ブレーキの動作音がしていたにも関わらず機械発電ブレーキが故障しており全く効かない状態であったことが明らかとなった。また、複数機関車からなる後補機を運転していた機関士が自身が運転するそれら機関車のブレーキに異常があったにもかかわらず、本務機に対してその報告を怠っていたことが事故後明らかとなった。この事故の背景は、重量計算ミスおよび乗務員同士のコミュニケーション不足、ブレーキ装置の不良という複数の要因が介在しているが、結果として、機関車の制動能力を超えた積載重量の貨物列車は、下り勾配で重い貨車が機関車を押し下げて急激に加速し大幅に速度超過に陥り、この速度に対してダフィー・ストリート手前のカーブの線形があまりに急カーブであったため、列車は線路に沿ってカーブを曲がりきれずにそのまま脱線・暴走した。<ref>"Mayday - Runaway Train" National Geographic Channel Documentary</ref>
 
==石油パイプラインの破裂と出火==