「ファミリーナンバー」の版間の差分

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ウィキペディアでは今のところファミリーナンバーを[[競走馬]]の[[血統表]]の右下に記している。例えば[[ナリタブライアン]]の血統表の右下にF-No.13-aと記されているが、これは13号族のa分枝という意味である。スペースの関係からF.13a等のように表記している箇所もある。
 
== 歴史と意味 ==
成立は[[19世紀1895年]]末の[[オーストリア]]である。ブルー・ロウ(Bruce Lowe)著書『フィガーシステムによる競走馬の生産』の中で、当時のサラブレッドの母方遡ると、全て[[イギリス]]の[[ジェネラルスタッドブック第一]]の1巻に記載されている43頭の牝馬に遡ることができる事に気がつき、これら43頭の牝馬をロイヤルメアと呼んだ。さらにこれら43頭の牝系)まで母方子孫遡り、イギリス根幹競走である[[ダービー (競馬)|ダービー]][[セントレジャーステークス]][[セントレジャクス]]の優馬の数が多い系統順に並べ、多いものから1~43号の番号をファミリーナンバーた。そして特に優れた競走馬成立多く属する系統として1~5号を'''競走族'''、優れた種牡馬が多く属する3、8、11、12、14族を'''種牡馬族'''と呼び、必ずしも競走能力の優秀さと種牡馬能力の優秀さが相関関係にないことを明らかにした。
 
[[1953年]]に、[[ポーランド]]人の[[カジミエシュ・ボビンスキー]](Kaziemierz Bobinski)がこのファミリーナンバーに基づいて過去からそれまでのすべての系統を網羅した『[[ファミリーテーブル]]』を著し、世界中の主要競走の優勝馬の血統と主な成績を牝系別に示した。彼とその後の研究により、ファミリーナンバーは2006年3月時点で74号までが確認されているが、公式に認められているのは51号まで。[[1745年]]生まれのセリマのように、その後の研究によって別のファミリーに属するとしてファミリーナンバーが変更になったものもある。
勝ち数が多い順に番号を付けたため1号族は最も優れ、43号族が最も劣ることになるが現在ではあまり意味のない分類とされる。しかし、一方でファミリーナンバーは持久力の原動力とされる[[ミトコンドリア]]を初めとする[[細胞質]]を受け継ぐため重要視する人も多い。
 
ボビンスキーは1~23号の子孫はあまりにも増えたため、アルファベットをつけて細分化し、1号族はaからwまでに分けた。qとvは欠番となっている。これらを通常「1-a」、「1-b」、「1-c」のように表す。現在は、通常これらの系統が分岐する牝馬の名をつけて呼称し、もともとの1号族まで遡って系統をひとくくりにすることは稀である。たとえば14号族は14-aから14-fまでに分かれ、このうち14-cは[[1901年]]生まれの[[プリティーポリー]]を祖とすることから「プリティーポリー系」と呼ぶ。またこの子孫も分化が進んでいることから、「[[ノーザンテースト]]の母レディヴィクトリアは14-c族プリティーポリー系の分枝、シスターサラを経てモリーデスモンドに遡る」などと表現する。
また、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]や[[オーストラリア]]では初期の血統管理の甘さや、ロイヤルメアに属さない牝系が生き残ったりしたため、ファミリーナンバーに属さない馬もいる。これらの中には1949年[[ジャージー規則]]撤廃に伴い43牝系以外の新しいナンバー(アメリカンナンバー、コロニアルナンバー等)として認められたものもある。
 
[[アメリカ合衆国|アメリカ]]では[[南北戦争]]の混乱期に[[血統書]]が失われたりしてジェネラルスタッドブックに遡ることができない系統もあり、アメリカ独自の'''アメリカンスタッドブック'''を元に分類されている。これらの系統は'''アメリカンナンバー'''としてAをつけて表し、A1からA37までが公式に認められている。そのほかA38、A39、a40からa79までが未公認の系統として存在する。
 
[[オーストラリア]]と[[ニュージーランド]]ではアメリカ同様にジェネラルスタッドブックに遡れない系統は'''コロニアルナンバー'''としてCをつけて表し、C1からC35が公式に認められている。そのほかc36からc72までが未公認の系統として存在する。
 
このほか、イギリスの[[半血馬]]の血統書に遡るB1からB26、[[アルゼンチン]]のAr1、Ar2、ポーランドのP1、P2、[[ウルグアイ]]のUr1の系統が公式に存在する。日本にも[[濠サラ]]の子孫などの独自の系統が存在するが、国際的に公式な系統として認められていないため、番号による分類はされていない。これらの系統は国際血統書委員会(International Stud Book Committee)が管理をしている。
 
== 意味 ==
ブルース・ロウが創出した競走族や種牡馬族といった概念は、現在ではほとんど重要視されない。また、彼の分類によれば、ファミリーナンバーの少ないほど優れた競走能力を示すサラブレッドが多く、43号族が最も劣ることになるが、理論の発表から100年以上もたった現在ではファミリーナンバーの少なさと競走能力の相関関係はほとんど重要視されない。
 
一方で、[[遺伝学]]によって[[細胞質]]は[[性染色体]]によって母から子へのみ伝わることが明らかになると、「持久力の原動力は[[ミトコンドリア]]を初めとする細胞質である」として、ファミリーを重要視する者もいる。
 
いずれにせよ、ファミリーナンバーはサラブレッドを整理分類する上で非常に便利なため、広く普及している。
 
== 関連項目 ==