「アルド・クレメンティ」の版間の差分

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CANONIって書いてあるのに、なぜ削除した?!イタリア語がwikiedは読めないのか?
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「アダージョ」([[プリペアド・ピアノ]]による[[ピアノ五重奏]])、「スケルツォ」、「子守唄」(小アンサンブル)<ref>ストラディヴァリウスの「ノヴァ・クレメンティ」作品集から。</ref>など同一の素材のローテーションにまるで[[オルゴール]]が止まってゆくかのような遅延をかける「カノン・ラレンタンド」と呼ばれる様式を確立。単純な新古典的作品のはずなのに、二重の遅延がかかった<ピンボケ>音楽に成功した「昔」<ref>クレスティの著書Cresti, Renzo. 1990. Aldo Clementi: studio monografico e intervista. Milan: Edizioni Suvini Zerboni.から。</ref>、そして晩年には「カノン・ラレンタンド」から脱し、旋律断片の部分的拡大及び縮小を施した「ファラドワルツ」、19世紀的語法に単純な反行型を与える様式上のミスマッチが新鮮な「ソナタY.」([[ヴァイオリン]]独奏)などを作曲した。<ref>リピツァー国際作曲コンクール事務局から</ref>
 
前衛の停滞以降、クレメンティも積極的に過去の音楽的遺産を振り返るようになり、調性的な要素も復活した。とはいえ、これらの作品群はすべて「カノン的思考<ref>Canoni, figure, carillons : itinerari della musica di Aldo Clementi : atti dell'incontro di studi, Facoltà di lettere e filosofia, Catania, 30-31 maggio 2005</ref>」に徹底されていることが、クレメンティ音楽の大きな特色である。シェルシからクレメンティが学んだものは「聴覚上のカノン」ではなく「書法上のカノン」であった。実際、クレメンティの音響嗜好は年とともに刻々と移り変わってきた。最も有名なカノン・ラレンタンドの音響は立体的だが、晩年はそれに反するかのように平面的である。2000年代に入っても探求は衰えず、絶筆となった「ヴァイオリン協奏曲第2番」にいたっては、全ての楽器が完全に静止し、時の流れを感知できない。しかし、譜面はすべてカノン的な発想で確定された音符が精緻に並ぶ。
 
2013年現在こそ望月京やレベッカ・サンダースほかの現代音楽作品で本物のオルゴール<ref>望月は「クラウド・ナイン」、サンダースは「cinnabar」で用いている。</ref>が使われることは全く珍しくないが、複数個のオルゴールを実作に投入したのはアルド・クレメンティが最初の存在である。現在に到るまでイタリアの作曲家達は、16世紀以降対位法の伝統とは切れない関係にありつづけている。その中でクレメンティは[[マドリガル様式]]に現代的解釈を与えることに成功した<ref>Mattietti, Gianluigi. 2001. Geometrie di musica: il periodo diatonico di Aldo Clementi. Lucca: Libreria musicale italiana.を参照</ref>、唯一の作曲家である。実際に「マドリガル」という作品もある。
 
全作品は[[ゼルボーニ音楽出版社]]から出版されている。ゼルボーニから出版された[[レンツォ・クレスティ]]による研究書と、[[イタリア自由音楽]]から出版された[[ジャンルイージ・マッティエッティ]]による研究書、そしてゼルボーニから没後に編纂されたグラチエラ・ゼミナーラとマリア・ローザによる研究書の3冊が出版されている。
 
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