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== 地域におけるアスタルト ==
=== ウガリットにおけるアスタルト ===
[[ウガリット神話]]では[[バアル]]の御名 (šm b‘l [šumu ba‘ala])とも呼ばれ、同じくバアルの陪神である女神[[アナト]]と共に、バアルと密接不可分な陪神とされる。しかし、神話では重要なヒロインであるアナトに対し、アスタルトはほとんど活躍しない。アナトが麗しいと賛美される一方、アスタルトは愛らしいと賛美される。バアルの敵である海神[[{{仮リンク|ヤム・ナハル]]|en|Yam (god)}}とは性質上親しい関係にあった為、バアルがヤムを倒し、彼を捕らえた際には「ヤムは自分達の仲間である」と激しく非難した。しかし、バアルの神殿が建設された後には彼にヤム・ナハルをバラバラにして撒き散らすように進言した。
 
イナンナ等が持っていた「愛と残酷の女神」の面はむしろアナトに受け継がれている。このため、アスタルトとアナトは同一神の別の呼称に過ぎないとする説を唱える者もいる。また、最高神[[エール (神)|イル]]の妻、或いは[[バアル]]の妻とする説もある。