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== 博物館の展示環境 ==
博物館においては[[保存科学]]の観点から展示室や収蔵庫において収蔵品に影響を与えうる[[温度]]や[[湿度]]、[[光]]、[[空気質]]、[[害虫]]等の生物被害などの諸要素に関して考慮した収蔵・展示環境づくりが行われる。
展示室の温度は一般に[[空調]]を利用して20℃前後に保たれ、[[四季]]を通じての外気温との温度差を低く保つことを理想とする。温度と相関して湿度も重要な要素で、[[結露]]は金属製品に[[錆]]を生じさせ、急激な温度・湿度変化は日本画などに破損を生じさせる原因となる。光は[[紫外線]]が[[顔料]]や[[染料]]の退色を生じさせ、有機質を劣化させる要因であるが鑑賞者の便宜のためには展示照明が必要であり、紫外線や[[赤外線]]をカットした[[蛍光灯]]などが用いられ、光の強さも考慮される。
空気質は大気中の汚染物質が入り込まないよう[[換気]]や空調を用いたり、出入り口の二重化など施設面でも対策が行われる。また、施設内部においても[[ホルムアルデヒド]]や[[揮発性有機化合物]](VOC)など建材や展示ケースに用いる[[接着剤]]などから汚染物質が発生し、入館者を通じても靴底の[[土]]や[[髪の毛]]・[[皮膚]]など害虫の餌となる有機物が持ち込まれるため、換気や[[清掃]]が徹底される。
生物被害は[[ネズミ]]など小動物による被害をはじめ昆虫類による被害、[[カビ]]など[[微生物]]による被害がある。害虫による被害は[[ゴキブリ]]、[[シミ]]、[[タバコシバンムシ]]、[[カツオブシムシ]]、[[ヒラタキクイムシ]]、[[シロアリ]]などがあり、カビは日本画や書籍に使われている[[糊]]などを栄養源に発生する。これらの生物被害に対しては、一般的に[[燻蒸]]による駆除が行われる。
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