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== 生態 ==
一般にハイエナには、「[[サバナ (地理)|サバンナ]]の掃除人」として死肉を漁るという印象が強い。実際、中型のカッショクハイエナやシマハイエナは、狩りをするより腐肉をあさることの方が多いが、ブチハイエナの食物は、(腐肉も確かに含まれるものの)大半が自分たちで捕えたものであり、狩りで仕留めた食料を[[ライオン]]に横取りされる場合が多い。イギリスの生態学者 H.Kruuk の研究では、[[セレンゲティ国立公園]]のブチハイエナは、10~1510-15頭の群れで[[ヌー]]や[[シマウマ]]を狩ることが明らかにされている。他の動物が掘った巣穴に住み、巣穴の回りには動物の骨などが散乱している。また、ハイエナ同士での共食いも稀に見られる。
 
巣穴にある骨は非常食である。ハイエナは、硬い骨も噛み砕けるほど顎の力が強い。食料が無い時には、これらの骨を食べ飢えをしのぐ。ハイエナの群れのリーダーはメスであり、メスのリーダーの長女が群れのリーダーを継ぐことが常識的になっている。そのため、オスは群れの中で順位が低い。
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現生のハイエナ科には、4属4種が含まれる。
; [[ブチハイエナ]] ''Crocuta crocuta''
: 赤道付近の熱帯雨林を除いたサハラ砂漠以南のアフリカに広く分布する。鳴き声が人間の笑い声に似ているため「笑いハイエナ Laughing Hyaena」の異名をもつ。その名のとおり、灰色の体に黒い斑点があるのが特徴である。頭胴長120~180cm120-180cm、体重55~85kg55-85kgと、ハイエナ科では最も大型の種である。メスには高い血中濃度の男性ホルモンが保たれており、そのため哺乳類としては珍しくメスは平均してオスより一回り大きく、オスのペニスと同等以上のサイズにもなるクリトリスやその根元にぶら下がる偽陰嚢(中には脂肪の塊が入っている)を持ち、順位も攻撃性もメスの方が高い。この特徴的な外性器の様子から、科学的研究が進む前には"雌雄同体の下等な生物”と考えられていた時期もあったようである。10~1510-15頭程度のクラン(clan)と呼ばれる母系の群れを形成し、共同の巣穴で生活する。群れのメンバーが協力して、ヌーやシマウマ、トムソンガゼルなどを狩る。同じサイズの動物中、もっとも強力な顎をもち、驚異的なスピードで食物をたいらげる。
; [[カッショクハイエナ]] ''Parahyaena brunnea''
: 以前はシマハイエナと同属の''Hyaena brunnea''とされていた。アフリカ南部(南アフリカ西部、ナミビア、ボツワナ、西・南ローデシア)に分布する。頭胴長110~140cm110-140cm、体重40~55kg40-55kg。ブチハイエナと同様、母系の群れ(クラン)を形成し、共同の巣穴で生活する。[[ライオン]]などの捕食者の食べ残しや、病死した動物の死体を主食とする。
; [[シマハイエナ]] ''Hyaena hyaena''
: 分布はサハラ砂漠以北のアフリカ北部・東部からアラビア半島までの中東、インド、ロシア南西部に及ぶ。サハラ砂漠やアフリカの砂漠では見られず、草原や半砂漠に生息する。頭胴長100~120cm100-120cm、体重37~55kg37-55kg。背に先端の黒いたてがみをもち、その名のとおり、胴と四肢に多くの黒いしまをもつ。群れを形成せず、雄と雌は繁殖時だけ一緒になる。
; [[アードウルフ]] ''Proteles cristatus''
: 他のハイエナ類とは大きく異なった形態や生態をもつ小型のハイエナ。別名ツチオオカミ。東および北東アフリカと南アフリカに分断された分布域をもつ。頭胴長85~105cm85-105cm、体重9~14kg9-14kg。きゃしゃな頭骨と細い櫛状の[[歯]]をもち、[[シロアリ]]を主食とし、一晩に20万匹のシロアリを食べると言われる。一夫一婦制である。
 
== ハイエナにまつわる逸話 ==