「或る「小倉日記」伝」の版間の差分

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== ストーリー ==
<!--原作のあらすじ-->
 [[1938年]](昭和13年)、田上耕作(たがみこうさく)は生まれつき神経系の障害で片足が麻痺しており、口が開いたままで言葉をうまくしゃべれない。ただ知的障害はなく、むしろ勉学に秀でており、小中と優秀な成績をおさめる。<br>
 彼の母方の父が立てた貸し家には貧しい一家が住んでおり、そこのじいさんは電便(でんびん)を仕事にしていた。耕作は朝方にじいさんが鈴を鳴らしてやがて消えてゆくのを、子どもながらにはかない気持ちで聴いていた。<br>
 耕作には中学以来、江南(えなみ)という友人がいた。江南は文学青年で、商社に勤めだしても就業中に詩を書くような男だった。ある日、江南は森鴎外の作品『独身』を耕作にすすめる。それを読んだ耕作は感動する。というのも、自分が子どもの頃に聴いていた電便のことが書かれていたからだ。<br>