「振り駒」の版間の差分

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記録係は盤上に並べられた上座側の歩兵を5枚取って、上座側の対局者の振り歩先であることを宣言(確認)する。そして両手の中で歩兵を激しく振り混ぜて、盤の近くで畳の上に放り投げる。タイトル戦の振り駒では、畳の上に風呂敷のような布を敷き、その上に駒が落ちるように振ることが多い。ただし、布の外に落ちた駒も数える。表(歩)の枚数が多ければ上座側の対局者が先手、裏(と金)が多ければ下座側の対局者が先手となる。
 
==振り駒はどちらが出やすいか==
振り駒で先後いずれになるかの確率は、ちょうど2分の1ずつであるとして振り駒のルールが採用されているが、「[[羽生善治]]が振り駒で先手を得ることが多い」<ref>羽生は、1992年度と1993年度のタイトル戦で12回振り駒を体験したが、すべて羽生が先手となった。このため、「羽生は振り駒でも強い」と言われた。</ref>という話題が出たり、[[瀬川晶司]]がプロ入り試験の際に5局とも後手番となるなど、振り駒が必ずしも公平でないと思われる事象が発生している。
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[[日本将棋連盟]]は、2005年7月12日以降の[[棋戦 (将棋)|公式戦]]における振り駒の結果を[[棋譜]]の備考欄に記録し統計をとることにしたが、2005年度の結果では統計的に有意な差はないとの結論になった。2005年7月12日~2006年7月11日の1年間の1541局で、歩が多く出た局数は776(50.4%)、と金が多く出た局数は765(49.6%)であった<ref>[[将棋世界]]([[日本将棋連盟]])2006年9月号「将棋論考」(真部一男)</ref>。なお、この振り駒統計については2005年度の[[日本将棋連盟#棋士総会|棋士総会]]において[[真部一男]]が提案し、理事会が受理したことがきっかけである。
 
===エピソード===
*記録係の中には、5枚の歩を持つときに1枚ずつ交互に表と裏の関係になるように重ねて持つという徹底振りで神経を使っている者もいる。
*タイトル戦の[[番勝負]]では、かつては、[[千日手]]局や持将棋局もカウントして交互に先手・後手を指すルール<ref>たとえば、千日手局で先手番だった側は指し直し局で後手を持ち、次の対局では再び先手番を得る。</ref>であったため、フルセットになった場合に最終局で振り駒が行われないケースが生じていた。しかし、それでは後手番で千日手に持ち込む戦術のメリットがなくなるため、振り駒で先手を得た側が有利となっていた。[[森内俊之]]による指摘・提案をきっかけに、2005年度(王座戦のみ2004年度)から、第1局の振り駒によって最終局の1局前までの先後が決定される一局完結方式に変更された。
 
タイトル戦の[[番勝負]]では、かつては、[[千日手]]局や持将棋局もカウントして交互に先手・後手を指すルール<ref>たとえば、千日手局で先手番だった側は指し直し局で後手を持ち、次の対局では再び先手番を得る。</ref>であったため、フルセットになった場合に最終局で振り駒が行われないケースが生じていた。しかし、それでは後手番で千日手に持ち込む戦術のメリットがなくなるため、振り駒で先手を得た側が有利となっていた。[[森内俊之]]による指摘・提案をきっかけに、2005年度(王座戦のみ2004年度)から、第1局の振り駒によって最終局の1局前までの先後が決定される一局完結方式に変更された。
 
==脚注==