「オルガノン」の版間の差分

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「オルガノン」({{lang-el-short|Όργανον}})とは、ギリシャ語で「道具」(tool)の意味であり、文字通り、「真実を探求するための道具」としての「論理学」にまつわる著作群であることを表現している。
 
この著作は[[古代ローマ]]へと継承され、その滅亡期に至るまで、重要な教養の1つとして重宝された。ローマ帝国末期である4世紀の[[キリスト教]]の代表的な[[ラテン教父]]である[[アウグスティヌス]]も、『[[範疇論 (アリストテレス)|範疇論]]』を学んだことを自伝的著書『[[告白 (アウグスティヌス)|告白]]』の中で述べている。
[[イスラム]]圏を経由してヨーロッパにアリストテレスの思想が再輸入され、13世紀のアリストテレス・ルネサンスによってヨーロッパで評価されてから現代にいたるまで、論理学についての古典的・標準的な著作として参照され続け、圧倒的な影響を後世に与えている。「論理学」という概念とその基礎は、この書によって確立されたといっても過言ではない。
 
[[イスラム]]圏を経由して中世ヨーロッパにアリストテレスの思想が再輸入され、13世紀のアリストテレス・ルネサンスによってヨーロッパで評価されてから現代にいたるまで、論理学についての古典的・標準的な著作として参照され続け、圧倒的な影響を後世に与えている。「論理学」という概念とその基礎は、この書によって確立されたといっても過言ではない。
 
[[イマヌエル・カント]]は、『[[純粋理性批判]]』の第2版序文の冒頭で、「論理学はアリストテレス以来、いささかの後退もなく確実な道を歩んできたし、更に言えば、既に自己完了している観がある」と、その偉大な功績と完成度を讃えている。