「スティーヴン・ジェイ・グールド」の版間の差分

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=== 反創造論とNOMA ===
グールドは多くの時間を創造論と、創造科学、インテリジェント・デザインとの戦いにつぎ込んだ。特に [[進化論裁判#アーカンソー州授業時間均等法裁判|アーカンソー州授業時間均等法裁判]]では専門家として裁判に出廷し証言した。グールドは科学と宗教が互いの領域に干渉すべきでないことを述べるために、'''NOMA'''([[:en:Non-overlapping magisteria|Non-overlapping magisteria]])、すなわち'''重複することなき教導権'''の概念を提唱した。1999年の著書『千歳の岩(邦題:神と科学は共存できるか?)』と2003年の『The Hedgehog, the Fox, and the Magister's Pox』でこの概念を発展させた。彼の視点では、科学は事実と理論を扱い、宗教は究極的な意味と道徳的な価値を扱うべきである。ただしこの二つの領域に全ての疑問が含まれるというわけではない。芸術などは含まれない。複雑なフラクタルパターンを描きながらも、両者は棲み分けできるはずだとグールドは考えた。1999年に米国科学アカデミーは同様の態度を取った。
 
リチャード・ドーキンスは後にNOMAを批判した。彼は、科学に道徳的な判断ができないとはいえ、なぜ宗教にそれができるのかと疑問を呈した。またドーキンスによれば、宗教は事実に関する主張を行い、科学の領域を尊重するつもりはない<ref>リチャード・ドーキンス『[[神は妄想である]]』</ref>。幾人かの批評家はグールドが宗教に対してリップサービスを行ったのだろうと考えている<ref>スティーヴン・ジェイ・グールド『神と科学は共存できるか?』解説</ref>。