「分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ」の版間の差分

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== ERK1/2(古典的MAPK) ==
ERK1/2はMAPKファミリーの中でも最初に同定されたものであり、古典的MAPKとも称される。ERK1/2は[[分子量]]が44k[[ルトン (単位)|Da]]のERK1と42kDaのERK2から成り、これらの[[タンパク質]]の[[アミノ酸配列]]は互いに85%の[[相同性]]がある。
 
ERK1/2の活性化は以下のような機序で生じる。[[上皮増殖因子受容体]](英: Epidermal Growth Factor Receptor、EGFR)等の[[チロシンキナーゼ関連型受容体]]に[[リガンド]]が結合すると受容体細胞内[[タンパク質ドメイン|ドメイン]]の[[リン酸化反応|リン酸化]]が生じる。Grb2等の[[SH2ドメイン]]を含む[[アダプタータンパク質]]が受容体のリン酸化[[チロシン]]に結合すると、Grb2は[[SH3ドメイン]]を介してSosと結合し、Sosを活性化させる<ref>{{cite journal|author=Schulze WX, Deng L and Mann M|year=2005|title=Phosphotyrosine interactome of the ErbB-receptor kinase family|journal=Mol. Syst. Biol.|volume=125.0008 |pmid=16729043|pmc=1681463|doi=10.1038/msb4100012}}</ref>。活性化したSosは[[Ras]]の[[グアノシン二リン酸|GDP]]-[[グアノシン三リン酸|GTP]]交換反応によりRasを活性化させる<ref>{{cite journal|journal=Mol. Biol. Cell.|year= 2006|volume=17|issue=8 |pages=3591-3597|title=Grb2 is a negative modulator of the intrinsic Ras-GEF activity of hSos1|author=Zarich N, Oliva JL, Martínez N, Jorge R, Ballester A, Gutiérrez-Eisman S, García-Vargas S, Rojas JM|pmid=16760435|pmc=1525251|doi=10.1091/mbc.E05-12-1104 }}</ref>。以下、RasはMAPキナーゼカスケードへとシグナルを伝えていくが、[[Ras]]はMAPキナーゼキナーゼキナーゼ (MAPKKK) であるRafを、RafはMAPキナーゼキナーゼであるMAPK/ERK kinase (MEK) を活性化し、このMEKによりERKの活性化が引き起こされる。ERKの活性化には[[スレオニン|Thr]]183及び[[チロシン|Tyr]]185が重要な働きをしている。通常ERK1/2は[[細胞質]]に優位に存在するが、活性化されることにより[[核]]内へ移行して[[転写因子]]と相互作用することにより[[転写 (生物学)|転写]]の制御を行っている。この経路はPD98059、[[U0126]]等の試薬によって阻害される。