「超人機メタルダー」の版間の差分

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=== 特徴 ===
本作品では、「メタルヒーローシリーズ」としては初めて[[アンドボットイド]]を主人公として位置付けている。これにより、後年の『[[特捜ロボ ジャンパーソン]]』など、ロボットを主人公とした作品の先鞭をつける形となった。
 
主人公であるメタルダーは「自省回路」の内蔵により人の心を持ち、自分の存在理由も知らぬまま戦場へと赴き、武器を一切使わず体一つで戦い、しかも第1話で敵に敗北するなど、従来の作品とは全く異なるヒーロー像として描かれている。
 
また敵組織であるネロス帝国も、ほかの特撮番組のように1回ごとに異なる敵怪人が1人ずつ登場するというのではなく、第1話にして数十人もの軍団員が総登場した。さらに軍団員の各自に様々な人間的ドラマが用意されており、個性豊な彼らとメタルダーの交流が番組の重要な要素となっている。特筆すべきは第11話「勇者の追撃! 天空にそそり立つ巨人!!」で、この回はネロス帝国の軍団員であるビックウェインが実質的な主人公であり、本来の番組の主人公であるメタルダーは、変身前の剣流星の姿では一切登場せず、冒頭と後半の戦闘シーンにのみ登場するという、前代未聞の仮面劇が展開されている。
 
本作がこのように敵方悪玉のドラマを重視した原因は商品展開にある。当時は『[[キン肉マン]]』『[[聖闘士星矢]]』などが流行しており、本作のスポンサーの[[バンダイ]]は『キン肉マン』同様、本作も敵方のフィギュアを販売しようと画策したからである<ref>{{Cite book|和書|date=2004-03|title=宇宙刑事年代記|pages=|author=|publisher=[[徳間書店]]|id=ISBN 4-1973-0103-0}}</ref>。
 
こうして極めて意欲的に制作されたものの、一方で「[[宇宙刑事シリーズ]]」から続く従来のメタルヒーローと比較して、ドラマは重厚でメカニックやキャラクターが地味であり、高年齢層やそれまでの視聴者以外からの支持を獲得したものの、視聴者の大半を占める低年齢層には受け入れられなかった。そのため、次第に低年齢層をターゲットとした勧善懲悪のヒーロー活劇へと路線変更を余儀なくされる。それでも最終的には本来のハードな路線に戻り、劇的な最終回をもって物語が締めくくられた。
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== ストーリー ==
[[第二次世界大戦]]後、アメリカに渡っていたロボット工学の世界的権威、古賀竜一郎博士が42年ぶりに日本に帰ってきた。彼が帰国したのは、世界の影でうごめく巨大な悪死の商人「ネロス帝国」の存在に気付き、戦死した自分の息子の竜夫をモチーフにした人造人間「超人機」を甦らせるためである。
 
古賀博士の帰国を知ったネロス帝国の帝王ゴッドネロスは博士を抹殺すべく、配下の四大軍団に出撃を命令した。四大軍団の攻撃により、古賀博士は負傷するが何とか[[秘密基地]]シルバーカークスにたどり着き、そこで眠っていた[[アンドロイド]]である超人機・剣流星を目覚めさせる。
 
しかし、博士はシルバーカークスを守り、何も知らない流星に敵の存在と人の死を教えるために自らネロスの凶刃に倒れる。それを見た流星は怒りの叫びを上げ、全エネルギーを開放。超人機メタルダーに瞬転する。メタルダーはそのパワーでネロスの軍団員たちを蹴散らすが、ヨロイ軍団長クールギンの刃に敗れる。傷つきながらも再び立ち上がるメタルダーは自らの存在を不可思議に思い、叫ぶ。
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=== メタルダー ===
; メタルダー / 剣流星(つるぎ りゅうせい)
: 第二次世界大戦中、日本軍の起死回生のために古賀博士によって作られた超人機=[[人造人間アンドロイド]]。流星の姿は、[[神風特攻隊]]で戦死した博士の息子である古賀竜夫の姿をモデルにしている。そのパーソナリティも竜夫がモデルとなっており(妹尾の二役)、ヴァイオリンを愛した竜夫と同様に音楽を趣味としている。ラプソディとの戦いで名器[[ストラディバリウス]]を壊すことはできなかった。また、流星の場合は[[サックス]]を演奏することもあり(妹尾自身が[[サキソフォン]]演奏が趣味で特技)、彼なりの「自我」があり、決して全てが竜夫のコピーではない。古賀博士が発見した超重力エネルギー「'''KOGA-X'''」の力を使って戦う。流星の怒りと感情が最高潮に達すると、「'''怒る!'''」(「いかる!」)の掛け声とともにメタルダーへと瞬転する。大半は流星が戦いの最中瞬時にメタルダーに変身するという演出が多く、サイドファントムの運転目的だけでメタルダーになることもあった。
: 兵器として作られたが「汝の敵をも愛せ」という古賀博士の博愛精神から、自省回路が内蔵されており、これにより人間と変わらない心を持ち、敵には敬意、共感を抱くことが多い。自省回路は赤い左半身に、戦闘マニュアルコンピュータは青い右半身に内蔵されている。ボディは特殊合金サイコメタル製であり、戦時中に製作されたがその身体に秘められた多くの技術は半世紀以上経った現代技術でもまだ追いつけない高度なものである。戦闘回路と自省回路、どちらか一方を強化すると二つの能力のバランスが崩れてしまうため、古賀博士は改造による強化が出来ないように設計している。その代わり、学習により精神力を鍛え、それによって、自省回路の能力を強化することが出来るようにし、自省回路の能力が強化されるとそれとバランスを取るために戦闘回路に精神波が送られ、今度は戦闘力が強化されるという、学習による性能アップを取り入れている。
: 従来のメタルヒーローと異なり「争いを好まぬ僕に武器はない」と自ら語るように予め武器を持たずに戦いに赴くが、その場にある木や岩、鎖、相手の武器などを用いることは多い。例外としては、古賀竜夫の形見である短剣をトップガンダーやゴッドネロスとの決戦に携帯し、使用した。
: 第二次世界大戦から長年、起動されず、明確な一般知識や目的もインプットされていなかった為、第3話までは、無我夢中のまま戦っていた。さらに「」の概念の乏しさから第2話のバーベリィとの戦闘の際、偶然通りかかった舞を囮にしたこともある。その後、現代社会を知らない彼は、見知らぬ物に満ちた世界に興味を持ち、舞を初めとした人間たちとの交流、ネロスとの戦いを通じて、人間としても戦士としても成長を遂げていった。
: ネロス帝国を壊滅させるも、ゴッドネロスとの戦いで自身の超重力制御システムが損傷し、地球を滅ぼしかねない事態に見舞われる。超人機の能力を失って流星の姿に戻れなくなることを承知で、八荒に頼んでシステムを破壊してもらい、地球を守った。その直後、姿を消し、どこかから舞と八荒に感謝の言葉と必ずることを告げた。
 
==== 基本スペック ====
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=== 仲間たち ===
; 古賀竜一郎(こが りゅういちろう)
: メタルダーの製作者で、ロボット工学の権威。明治311898年8月9日生まれ。東京帝国大学工学部を卒業。日本軍部の指導の下、大学内に古賀特別研究室が設立され、そこで超人機の開発を行う。戦後はアメリカに渡り、NASAに所属し、辞めた後も[[ケンタッキー州]]に一人で住んでいたが、ネロスの企みを察して日本に帰国し、メタルダーを覚醒させる。メタルダーに死の意味を伝えるため、自ら身体を張って、ネロス帝国の軍団員に殺される。第34話では妻子とは別の場所に流星の手で墓が作られていたことが明らかになり、流星、舞、八荒、信吾の4人が墓参りに訪れた。
: メタルダーは「古賀博士」と呼ぶが、人間のことを理解するうちに「お父さん」と呼ぶこともある。
: 妻の古賀静代は明治371904年3月2日生まれで竜一郎とは学生時代に結婚。息子の古賀竜夫は大正121923年7月16日生まれで21歳のときに海軍少尉になる。竜夫は特攻機に搭乗して戦死し、静代は息子の戦死した翌年に病死した。
; スプリンガー
: メタルダーの相棒の[[ドーベルマン]]型ロボット。第2話から登場。元々は超人機開発の前段階で実験用として開発された。人語を解し、鼻は本物の犬以上に利く。メタルダーこと流星に人生の様々なアドバイスをし、彼のメンテナンスやサポートを行う。テレビ好きで、特にアニメが好き。舞とは第18話、八荒とは第20話で初めて顔を合わせた。ネロス帝国との戦いが終わった後、メタルダーと共に何処かに旅立つ。
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* 長野県 TSB [[テレビ信州]]
* 静岡県 SKT [[静岡朝日テレビ|静岡けんみんテレビ(現:SATV 静岡朝日テレビ)]]
* 愛知県、中京広域圏 NBN [[名古屋テレビ放送|名古屋放送→名古屋テレビ(現:メ〜テレ)]]
* 大阪府、近畿広域圏 ABC [[ABCテレビ|朝日放送]]
* 鳥取県、島根県 BSS [[山陰放送]]
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: トップガンダーは劇中では盛り上がったような左腕をしているが、デザイン画を見ると、むしろ右腕よりもほっそりした印象を受ける。同様に、ローテールも劇中とは違ってデザイン画では全身がほっそりした印象を受ける。
: なお、高久はトップガンダーのデザインを見て、「一匹狼っぽい」と思ったのでトップガンダーを一匹狼的なキャラにしたということである。ネーミングの由来は高久の娘が「[[トップガン]]」が好きだったので、トップガンダーにしたという関連性の希薄な他愛も無いものだそうである。
 
== 撮影エピソード ==
*瞬転シーンに使用する火花を撮影するために特撮班がスタジオで[[アーク]]を飛ばしていた所、スタジオにいた主役の妹尾が裸眼で光を直視してしまい、一時的に目が見えなくなり撮影が3日ほど止まってしまった事がある<ref name = "ピンスポ">CS東映チャンネル・「ピンスポ!」妹尾青洸インタビューより</ref>。
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|3次番組=[[世界忍者戦ジライヤ]]<br />(1988年1月24日 - 1989年1月22日)
}}
 
{{メタルヒーローシリーズ}}
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