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オープンソースの原型となった概念として、[[フリーソフトウェア]](自由なソフトウェア)<ref group="注釈">無償提供される[[オンラインソフト]]を示す「[[フリーウェア]]」とは異なる。</ref>がある。
 
* ソフトウェアライセンスとしては、[[オープンソースソフトウェア]]はフリーソフトウェアの一部のようにも見える。事実、フリーソフトウェアライセンスの代表格である [[GNU General Public License|GPL]] は OSD を満たしている。
* OSI は、オープンソースとは社会をフリーソフトウェアに向かって導くためのやり方だと説明している。
* [[フリーソフトウェア財団]]は、オープンソースは「自由」の思想を含んでいないという点でフリーソフトウェアとは決定的に異なるとしている。
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創始者の1人である[[エリック・レイモンド]]によれば、オープンソースはフリーソフトウェアに付きまとっていた否定的な印象を払拭するための、「製品の再ブランド化を図る」[http://www.oreilly.co.jp/BOOK/osp/OpenSource_Web_Version/chapter15/chapter15.html]ためのものであった。
 
ソフトウェアがフリー(自由)であるということは、ソフトウェアを自由に改良していくことを望む[[ハッカー]]や、そうして改良されたものを利用する消費者の利益となるのみではない。ソフトウェア関連産業の企業にとっても有用な戦略になりうるものとされている。[[レッドハット|Red Hat]] の成功や [[IBM]] のオープンソースへの投資はその象徴としてしばしば言及される{{要出典|date=2009年11月}}。
 
1997年当時、フリーソフトウェアというものに対する経営者や投資家の印象は必ずしも良いものではなかった。1つには、「フリーソフトウェア」という言葉が「無償のソフトウェア」という意味と紛らわしく、ビジネスには無償という考え方は馴染まないということがあった。もう1つには、[[フリーソフトウェア運動]]を進める中心的な存在である[[フリーソフトウェア財団]] (FSF) がフリーでない(プロプライエタリな)ソフトウェアに対して攻撃的であったことや、その「コンピュータのユーザは、何の制約も受けずにソフトウェアを他人と共有できるべきなのである」[http://www.oreilly.co.jp/BOOK/osp/OpenSource_Web_Version/chapter05/chapter05.html]という主張が[[共産主義]]的だとされたことがある。
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==オープンソース運動の歴史==
オープンソースは[[1970年代]]から,ソースコードをオープンにしたフリーソフトをBBSなどの通信を利用して配布したり,実験ネットワークとして始まったインタネットにおいて大学,研究機関の成果のソフトウェアのソースコードを公開する流れから始まっている。
 
オープンソースは1970年代から,ソースコードをオープンにしたフリーソフトをBBSなどの通信を利用して配布したり,実験ネットワークとして始まったインタネットにおいて大学,研究機関の成果のソフトウェアのソースコードを公開する流れから始まっている。
 
[[コピーレフト]]思想に基づいた[[フリーソフトウェア]]運動は1984年にアメリカで始まった。ソフト開発技術者の[[リチャード・ストールマン]]はソフトウェアは特定の国・企業・団体・個人の所有物ではなく、人類の共有財産であり、誰でも開発・供給に参加でき、誰でも自由に使用できるものという理念に基づいてコピーレフト理論を提唱し、[[フリーソフトウェア財団]]、[[GNU|GNU Project]]を設立し、フリーソフトウェアの開発・普及運動を開始した。
 
オープンソース運動のうち,現在に繋がっているものの1つは1998年にアメリカで始まった。[[マイクロソフト]][[Internet Explorer]]との競争でシェアが低下した[[ネットスケープコミュニケーションズ]]のブラウザ[[Netscape Navigator]]の建て直しプロジェクトで、製品の機能・品質の向上とシェア回復のために、技術者の参加を募集する方法、誰でも開発・供給に参加できる理念として、[[エリック・レイモンド]]、[[ブルース・ペレンズ]]が提唱・開始し、後に[[Open Source Initiative]]が具体的に定義した開発スタイルである。
 
[[2000年代]]の最初の10年間である現在では、オープンソース、オープンテクノロジーによる製品開発・ビジネスモデルはコンピュータ業界だけでなく様々な分野で、非営利組織、営利企業、国・自治体の議会・行政機関の連携により普及が進行し、クローズドソース、プロプライエタリソフト・テクノロジーによる製品開発・ビジネスモデルからオープンソース、オープンなテクノロジーによる製品開発・ビジネスモデルへの変革・転換が進行中である。2012年現在では、世界の多くの国において、多種多様な分野で多種多様なオープンソース、オープンテクノロジー・ビジネスで開発し供給し普及し使用している。
 
オープンソース、オープンテクノロジー・ビジネスによる製品・システム・サービスの開発・供給・消費を積極的に推進する非営利組織・企業は世界中に存在するが、本部・本社がアメリカに所在する事例、主要な開発者・供給者、消費者・利用者がアメリカに所在する事例が多く、オープンソース、オープンテクノロジー・ビジネスによる製品・システム・サービスの開発者・供給者・消費者は、発祥地であるアメリカが中心地であるがインタネット上での活動は国を特定できないこともある。
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次の条件は、採用しているライセンスとそうでないライセンスがある。
; 同一ライセンスの適用
: 複製や改変物を頒布する際には、必ず元と同じライセンスでの利用を認めるように定めているものがある。[[GNU General Public License]] (GPL) が代表的である。例えば、GPL のソースコードを BSD ライセンスのソースコードと組み合わせて新しいソースコードを作った場合、GPL の規定によりこのソースコードを頒布する際には GPL での利用を認めなければならない(詳細は'''[[コピーレフト]]'''を参照)。このようなソースコードを利用して、ソースコードを独占する(プロプライエタリな)ソフトウェアを作成することは難しい。
; 原著作者の特別な権利
: この種の条件は、現在ソースコードを独占的に所有している企業がそれをオープンソース化するに当たって考慮する余地のあるものである。例えば [[Mozilla]] のためのライセンスとして作成された [[Mozilla Public License|MPL]] では、二次的著作物を頒布する際にはソースコードを公開しなくてはならないが、元々の Mozilla の著作権を有していた [[Netscape Communications]] だけは特別で二次的著作物のソースコードを公開しなくても良い権利を持っている。
 
===MIT License (X11 License)===
{{main|MIT License}}
 
[[マサチューセッツ工科大学]] (MIT) を起源とするライセンス。非常に制限が緩い。[[X Window System]]で使用されていることから X11ライセンスとも呼ばれる。[[フリーソフトウェア財団]]によれば、MITは過去にこれ以外のライセンスで多数のソフトウェアを公開しており、厳密には'''X11 License'''と呼ぶべきだとしている<ref>[http://www.gnu.org/licenses/license-list.html#X11License Various Licenses and Comments about Them]</ref>。現在一般にThe MIT Licenseの名称で配布されているのはこのライセンス<ref>[http://www.opensource.org/licenses/mit-license.php The MIT License]</ref>である。
利用条件は、
* 無保証
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====修正BSDライセンス====
オリジナルのBSDライセンスの宣伝条項と呼ばれる条項は、多数のソフトウェアを収録したパッケージ製品の場合、広告本体よりも多くの紹介文を必要とする事態を招きかねないという欠点があった。そのため、オリジナルの BSD ライセンスから広告条項を削除した'''修正BSDライセンス'''が発表された。派生物への制限が緩いため広く使用されている。
 
===GNUのライセンス===
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====GPL 3====
2007年6月29日(米国時間)Free Software Foundation(FSF)Foundation (FSF) がGPL 3を発表した。
GNU GPL3GPL 3は、オープンソースによるソフトウエアの権利、義務、プログラム提供者のもつ特許の使用など基本理念を明文化したライセンス体系となっている。
 
====GNU Lesser General Public License (LGPL)====
LGPL GPL と同じく同一ライセンスの適用を要求しているが、その条件がいくらか緩やかである。LGPL では、元のソースコードそれ自体を変更した改変版には LGPL または GPL を適用しなければならない。しかし、元のソースコードを改変することなく他のソースコードと[[リンケージエディタ|リンク]]した場合には、他のソースコードには LGPL を適用しなくても良い。
 
これは、LGPL が当初 [[glibc]] のためのライセンスとして作成されたことに関係がある。[[C 言語]]ライブラリのように他のソフトウェアを作るための基盤として広く利用されるソフトウェアの場合、GPL はリンクされるすべてのソースコードが GPL であることを要求するので、ライブラリとしての価値を低くしてしまう。つまり、ライブラリが GPL であると、そのライブラリは GPL のソフトウェアを作るためにしか使えないものとなってしまう。
 
この問題を解決するため、LGPL のソフトウェアを一緒にリンクするだけであれば LGPL を適用しなくてもよいものと定めている。
 
====GNU Free Documentation License (GFDL)====
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* 無保証
* 著作権表示の保持
GPL が[[プログラム (コンピュータ)|コンピュータプログラム]]の配布に主眼を置いて設計されているのに対し、GFDL は文書の配布に主眼を置いて書き直した「文書用 GPL」と言える。
 
===Apache Software License===
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http://apache.org/licenses/LICENSE-1.0
 
Apache HTTP Server 1.2 などのライセンス。いわゆる「広告条項」が存在する。
 
====Apache Software License 1.1====
 
http://apache.org/licenses/LICENSE-1.1
 
Apache Software License 1.0 からいわゆる「広告条項」を削除したライセンス。頒布の際にドキュメントに記載するようになった。
 
====Apache License, Version 2.0====
http://apache.org/licenses/LICENSE-2.0
 
[[2004年]]3月1日以降に Apache プロジェクトからリリースされたソフトウェアのライセンス。
Apache Software Foundation により2004年1月21日に承認<ref>[http://www.mail-archive.com/announce@apache.org/msg00110.html Apache License, Version 2.0]</ref>された。
 
===Common Public License (CPL)===
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{{ウィキポータルリンク|FLOSS|break=yes|[[File:Free Software Portal Logo.svg|none|40px]]}}
* [[著作権]]
* [[Debianフリーソフトウェアガイドライン]] (DFSG) -- OSD の原型となった
* [[BSDライセンス]]
* [[GNU General Public License]]