「多重散乱理論」の版間の差分

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となりD<sub>0</sub>(E)を移項すると、D(E) - D<sub>0</sub>(E)が出てくる。
 
== ランダムな系の多重散乱 ==
以上は、ポテンシャルを全て同一とみなしたが、最初の前提であるポテンシャルがランダムである場合、その扱いは難しくなる。ランダムさ(乱れ)には構造的な乱れ、配置の乱れなど多様な状況を考えることができるが、ここでは先にあるように原子の配置のみが乱れた系である置換型の[[不規則二元合金]]を考えるのが比較的扱いが楽である。このランダムな問題を解くものとして、平均化によってランダムさを一様なものとして扱うアプローチがある。これに関係する近似手法として[[単サイト近似]]、[[平均場近似]](有効媒質近似)がある。多重散乱理論を出発点として、このようなランダムな系を扱うバンド計算手法として、[[Averaged t-matrix Approximation|ATA]]や[[コヒーレントポテンシャル近似|CPA]]がある。ランダムでない通常の周期的な系を、多重散乱理論を利用して解くバンド計算手法に[[KKR法]]がある。