「弟切草 (ゲーム)」の版間の差分

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映画や小説なども発表され、携帯アプリとしてリニューアルされたものが、各携帯電話会社よりダウンロード販売されている。またWii用にバーチャルコンソールとしても配信された。
 
== ゲーム内容 ==
背景として森林や館などが描かれた一枚絵の上に、ストーリーが文字で表示されていくスタイルとなっており、プレイヤーは文字を読みながら時折出現する選択肢を選ぶ事でストーリーが進行していく。
 
ストーリーは古びた洋館にたどり着いた男女が館の中で様々な体験をするもので、選んだ選択肢によってストーリーや人物像が大きく変わるのが本作の特徴である。また、選んだ選択肢によって最後にたどり着くエンディングが異なっており、プレイする度に全く新しいストーリーが展開されるようになっている。
 
サウンドノベルの名称の通り、スーパーファミコン内蔵のPCM音源によって、ドアの開閉の音や水槽の水の音など実際の生活音をサンプリングして使用している事で、臨場感を高めている。
 
本作では一定の条件を満たすと最初の選択画面の栞の色がピンク色になり、これが'''「ピンクの栞」'''と呼ばれ後の同社のサウンドノベルゲームでも必ず使用されるなど定着した。
 
== ストーリー ==
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;Wii(バーチャルコンソール)版 
:スーパーファミコン版からの移植。
 
== 開発 ==
本作の開発の経緯は、チュンソフトは当初RPGを作成しようと検討していたが、容量の問題で実現できなかった<ref name="guidebook111">{{Cite book|和書
|author =
|date = 1999-04-20
|title = サウンドノベル・エボリューション1 弟切草 蘇生篇 公式ガイドブック
|publisher = チュンソフト
|page = 111
|isbn = 9784924978119
}}</ref>。その後、中村光一と麻野一哉が話し合った際に、麻野はパソコンでかつて存在した『[[表参道アドベンチャー]]』や『南青山アドベンチャー』のようなテキストアドベンチャーの作成を発案し、スーパーファミコンの音源の性能を考慮してサウンドノベルという形態が構築された<ref name="guidebook111"/>。また、麻野はコマンド選択式のアドベンチャーゲームは詰まると先に進めずにストレスが溜まるため、どんな事があっても最後までたどり着ける事、そして当時ゲームが複雑化してきている関係で操作方法が分かりにくくなっていたため、ボタンを押すだけで先に進めるようにし、プレイヤーの裾野を広げる事を検討していた<ref name="guidebook111"/>。
 
麻野は音源の効果を発揮するには恐怖感が一番であると考え、ミステリー仕立てにすることを決定し、密室空間が望ましい事から'''「館」'''という仮題で製作を始める<ref name="guidebook112">{{Cite book|和書
|author =
|date = 1999-04-20
|title = サウンドノベル・エボリューション1 弟切草 蘇生篇 公式ガイドブック
|publisher = チュンソフト
|page = 112
|isbn = 9784924978119
}}</ref>。その後、ストーリーを麻野自身で書いていく中で、分岐の多さから書ききれなくなり、シナリオライターである長坂秀佳に依頼する事となった<ref name="guidebook112"/>。
 
長坂は[[ゲームブック]]がブームになった際に、ページが飛ぶだけで一つのストーリーしかない事に不満を抱いたが、もっと面白いものにする可能性を感じていた<ref name="guidebook92">{{Cite book|和書
|author =
|date = 1999-04-20
|title = サウンドノベル・エボリューション1 弟切草 蘇生篇 公式ガイドブック
|publisher = チュンソフト
|page = 92
|isbn = 9784924978119
}}</ref>。その後、ゲーム開発に携わる機会が訪れたが長坂の事情により断念せざるを得なくなる。その後、そのゲーム会社からチュンソフトを紹介され、本作のシナリオ作成の依頼を受ける事となった<ref name="guidebook93">{{Cite book|和書
|author =
|date = 1999-04-20
|title = サウンドノベル・エボリューション1 弟切草 蘇生篇 公式ガイドブック
|publisher = チュンソフト
|page = 93
|isbn = 9784924978119
}}</ref>。
 
依頼を受けた長坂は『弟切草』というタイトル、「復讐」という花言葉、男女二人が山中の洋館に迷い込むという舞台設定に好感を持ったが、麻野が検討していた「1プレイが10日かかるゲームにする」という案を否定し、一つの話は簡潔でいくつもの話が楽しめる、プレイする度に話が変わるものがいいと提案する。しかし、麻野は実現不可能であると長坂の案を否定した<ref name="guidebook93"/>。
 
その後、長坂は「バッドエンドを創らずに、一つの話は簡潔でありさらに感動を与えて終わる、次にプレイした時には異なるストーリーが展開される」事を念頭に置いたプランを提出し、チュンソフト側も納得し了承する事となった<ref name="guidebook94">{{Cite book|和書
|author =
|date = 1999-04-20
|title = サウンドノベル・エボリューション1 弟切草 蘇生篇 公式ガイドブック
|publisher = チュンソフト
|page = 94
|isbn = 9784924978119
}}</ref>。
 
中村からは『弟切草』というタイトルは使用しなくてもよい、中身は完全に変更しても構わないとの提案があったが、長坂は「名刺代わりにお膳立ては使って見せる」と話し、『弟切草』というタイトルの使用や麻野の書いた原作を使用した上で変更を加えていく方法で製作する事にした。その中で長坂は、ただの飾りであった鎧を動かしたり、ただの不気味な水槽から怪魚が出る事を考案するなどアイデアを発揮する<ref name="guidebook94"/>。
 
また、長坂は2名のアシスタントとともに残りのストーリーを全て担当し、それまでに登場した道具は全て使用する事を決め、鎧、ミイラなどの使い道を模索した。選択肢に関しても徹夜をして作業をするなど検討を重ねた<ref name="guidebook95">{{Cite book|和書
|author =
|date = 1999-04-20
|title = サウンドノベル・エボリューション1 弟切草 蘇生篇 公式ガイドブック
|publisher = チュンソフト
|page = 95
|isbn = 9784924978119
}}</ref>。
 
== スタッフ ==
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*'''大森田不可止''' - 製作
*'''中村光一''' - 製作総指揮・監督
 
== 評価 ==
[[ファミ通|ファミコン通信]]でのクロスレビューは以下の通りとなっており、40点満点中25点の評価となっている<ref name="guidebook115">{{Cite book|和書
|author =
|date = 1999-04-20
|title = サウンドノベル・エボリューション1 弟切草 蘇生篇 公式ガイドブック
|publisher = チュンソフト
|page = 115
|isbn = 9784924978119
}}</ref>。
 
{|class="wikitable" style="font-size:85%; text-align:center; width:50%"
|-
! 東府屋ファミ坊
! 水野店長
! 森下万里子
! ジョルジュ中治
! 総合
|-
| 6
| 6
| 7
| 6
! 25
|}
 
[[ファミリーコンピュータMagazine]]の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、30点満点中23.5点となっている<ref name="daigirin182">{{Cite journal|和書
|author =
|authorlink =
|title = 超絶 大技林 '98年春版
|date = 1991-05-24
|publisher = [[徳間書店]]/インターメディア・カンパニー
|journal = Play Station Magazine
|volume = 増刊4月15日号
|number =
|naid =
|pages = 182
|url =
|ref = harv}}</ref>。
 
{|class="wikitable" style="font-size:85%; text-align:center; width:50%"
|-
! キャラクタ
! 音楽
! お買い得度
! 操作性
! 熱中度
! オリジナリティ
! 総合
|-
| 3.4
| 4.2
| 3.6
| 3.9
| 4.0
| 4.3
! 23.5
|}
 
== 関連作品 ==