「暗号史」の版間の差分

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暗号の起源は古く、数千年の[[歴史]]を持つ。戦時下においては[[軍事技術]]の一つとして発達してきたが、その歴史の大部分は古典暗号に関するものである。古典暗号での[[暗号化]]は、[[紙]]と[[鉛筆]](と多少の道具)を使って行うことができるものであった。1900年代になって、[[エニグマ (暗号機)|エニグマ暗号機]]のような複雑な仕組みを持った電気機械式の暗号が発明され、ついで電子式機械によるより複雑な暗号機が導入された。
 
1970年代に作られた[[DESData (暗号)Encryption Standard|DES]]と[[RSA暗号|RSA]]は、それまでは国家に独占されていた暗号技術を広く公開されたものとし、現代暗号を生み出すことになった。[[集積回路]]など半導体技術の進歩によって暗号の実装は容易になり、[[パーソナルコンピュータ]]をはじめとする個人向けの情報機器の普及によって、安全な[[秘匿通信]]を個人レベルでも利用できるようになった。[[携帯電話]]での通話の暗号化など、ユーザが知らないうちにさまざまな身近な場所に暗号が浸透してきていて、[[プライバシー]]保護にも重要な役割を担っている。
 
[[暗号解読]]は暗号技術の裏面にあって、暗号の歴史と対となる歴史がある。頻度分析の発見以来、敵の通信を解読しようとする試みは途絶えることなく進化していき、様々な事件の要因となった。
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===ブロック暗号の誕生===
1970年代、Horst Feistelにより[[換字式暗号]]と[[転置式暗号]]を組み合わせた換字-転字暗号が提案され、[[DESData (暗号)Encryption Standard|DES]]の原型となる[[ブロック暗号]] Lucifer が誕生した。
 
エニグマなどの機械式暗号は、ブロック長が数ビットで、換字表の切替周期の長さとその統計的ランダム性を向上させた換字式暗号であるが、ブロック暗号はブロック長を64~128ビットと大きくし、換字と転置を繰り返すことで暗号文を作成する方式である。単純換字式暗号の換字表の種類は26!サイズであるが、ブロック長が64ビットのとき、(2^64)!という巨大なサイズとなる。