「ハドソン湾」の版間の差分

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== 地質 ==
[[ファイル:PGR_Paulson2007_Rate_of_Lithospheric_Uplift_due_to_PGR.png|right|thumb|450px|氷床の消失による[[リソスフェア]]上昇の割合(2007年の調査)]]
1960年代に地球の[[重力場]]を地図化し始めた時、ハドソン湾に広大な低重力が観測された。[[後の]]Laurentideローレンタイド氷床による地殻の圧縮が続いているためと当初考えられたが、[[GRACE (人工衛星)|GRACE]]人工衛星による詳細な観測で、それだけが[[重力異常]]の原因でなく、[[マントル対流]]に起因することが分かった。現在の観測では、湾を中心とした地域は年間に17mmと、氷床消失による地殻の上昇が世界でも最も大きい地域となっている。
 
湾の南東部には整った半円形の海岸線と、それに沿うように湾内に[[ベルチャー諸島]]が並んでいる。[[クレーター]]を想起させるこの地形の成因については、月面の[[危難の海]]との比較により[[先カンブリア代]]に起きた地球外天体の衝突の衝撃によってハドソン湾が形成されたと主張する地質学者もいたが、現在においてなお[[地磁気]]や[[重力異常]]など地質学的に確実に衝突地形であるとされる証拠は発見されていない<ref>Eaton D. W. and F. Darbyshire, 2010, Lithospheric architecture and tectonic evolution of the Hudson Bay region. Tectonophysics. v. 480, pp. 1–22.</ref>。